TOKYO FMの新音声サービス「AuDee(オーディー)」にて配信中の番組「山田玲司とバグラビッツ」。漫画家・山田玲司と俳優・伊澤恵美子が、カルチャーやニュースをもとに“恋愛”を分析していくトーク番組です。3月20日(日)の配信では、映画「シラノ」にみる“ルッキズム”について分析しました。

「山田玲司とバグラビッツ」
◆戯曲「シラノ・ド・ベルジュラック」を解説
映画「シラノ」は、2018年に舞台化された戯曲「シラノ・ド・ベルジュラック」を基に制作されたミュージカル映画です。山田は戯曲のあらすじについて説明しました。
山田:主人公であるシラノは自分のルックスにコンプレックスを持っていて、「自分には女性を愛する資格がない」と思っているんだけど、非常に繊細で文才があり、詩人なんですよね。愛を伝える力をとても持っているシラノは、ロクサーヌという女性を好きになってしまうんですけど、原作では“鼻がでかい”という身体的コンプレックスを抱えています。
「こんな自分があの人のことを愛するなんておこがましい」と引いているシラノが、ロクサーヌから恋愛の相談をされてしまうというお話です。
伊澤:うんうん。
山田:ロクサーヌの「好きなんだけど、相手がどんな人かわからないから調べてほしい。あいだに入ってほしい」というお願いに、シラノが「任せておけ」と応えてしまう展開になります。
伊澤:ロクサーヌが好きになったクリスチャンはすごくイケメンなんですけど、コミュニケーションが下手なんですよね。
山田:そうそう。その人の代わりにシラノがロクサーヌに向けて手紙を書いてあげる話です。
伊澤:外見はクリスチャン、中身はシラノでロクサーヌへ愛を伝え続けるんですよね。
山田:切ない話なので、いろんな作品に影響を与えています。

(左から)伊澤恵美子、山田玲司
◆映画版シラノでは設定を一部変更
映画版ではシラノ役にピーター・ディンクレイジを起用し、話題を呼びました。
山田:軟骨発育不全という小人症でして、身長が132センチなんですけども、イケメンです。大胆な演出ですよね。小ささというものが、美しい画面のなかで非常に大きなものを伝えているんですよ。彼自身の内面の大きさと言いますか。
主人公の設定を変えたことに対し、山田は「鼻がでかいよりも、作品としてずっといいなと思いました」とコメントしました。
山田:詩で口説くってどう思います?
伊澤:私の場合、その人が作っているものを好きになると好きになっちゃいます。これ、一番危険なパターンですね(笑)。
山田:気持ちはわかりますよ。
伊澤:映画の「シラノ」って、鬱屈とした世界の状況がわりと描かれていたなと思ったんですね。そういう状況のなかで、自分を楽しませてくれる詩を送ってくれる人がいる。これは(その人のことを)めちゃくちゃ好きになるなって思いました。
次回の3月27日(日)配信分は、恋愛作品の「名台詞」について分析します。
<番組概要>
番組名:山田玲司とバグラビッツ
配信日時:日曜22:00配信
パーソナリティ:山田玲司、伊澤恵美子
番組Webサイト:
https://audee.jp/program/show/100000214