TOKYO FMの音声サービス「AuDee(オーディー)」で配信中の、放送作家兼ラジオパーソナリティの植竹公和が、彼のレーダーにかかった文化人を招いて送るスペシャルトーク番組「歌う放送作家 植竹公和のアカシック・ラジオ」。今回のお客様は、お笑いコンビ・くりぃむしちゅーの上田晋也さん。ここでは上京当時の思い出を語ってもらいました。
▶▶「植竹公和のアカシック・ラジオ」音声版
(左から) 上田晋也さん、パーソナリティの植竹公和
◆上京当時の心境を振り返る
植竹:「赤面 一生懸命だからこそ恥ずかしかった20代のこと」(ポプラ社)というとんでもない爆笑本が出ました。このエッセイのなかから、いろいろとエピソードを聞いてみたいと思います。これは20代の頃を振り返ったもの?
上田:そうですね。「経験 この10年くらいのこと」が40代、「激変 めまぐるしく動いた30代のこと」ときて、「赤面」は20代のことを書いています。遡っている感じですね。
植竹:20代の話ですと、もともと東京に出てくる前。漠然と東京ってどんなイメージでした?
上田:植竹さんは出身はどちらでしたっけ?
植竹:僕は函館。
上田:北海道ってことはすごく遠かったでしょう?
植竹:集団就職列車みたいなのに乗って上京したよ(笑)。
上田:そっかあ。我々は(熊本から)飛行機で来ましたが、大袈裟抜きでニューヨークと精神的な距離では変わらなかったんですよ。
植竹:ああ~。
上田:ものすごく遠い地って意味ではね。現代の人たちが月に行くほうが(感覚的に)近距離なんじゃないかって気がします。熊本から東京はまあ遠かったですね。
植竹:わかるな、それ。自分も東京はテレビとか映画でしか知らない世界だったから。
◆マクドナルドに入ることすら躊躇
上田:さっき話したマサル(地元の友人)と受験が終わった日、「飯でも食いにいこうよ」って新宿で待ち合わせをしたんです。夕方の16時ぐらいに待ち合わせをしたんですかね。
「笑っていいとも!」(フジテレビ系)を観て、アルタ前が有名な待ち合わせ場所っていうことは知っているわけですよ。当時、兄貴が久我山に住んでいたんですけど、「新宿まで15分ぐらいだから。東口から出ればすぐだから、25分あればアルタ前に着くよ」と言われたんです。
植竹:ほうほう。
上田:だけど、念のため1時間ぐらい前に出たんですよ。ところが新宿の出口を東じゃなくて西口から出ちゃって。
植竹:あららら。
上田:「どこ?」ってずっと歩くんですけど、田舎者だから道を人に聞けないんですよね。
植竹:わかる、わかる(笑)。舐められちゃいけないってね(笑)。
上田:訛っているって思われたくないし。結局、アルタ前に着いたのは待ち合わせ時間の1時間半後ぐらいですよ。
植竹:ええ~!
上田:そっからマサルとご飯に行くことになって歌舞伎町のほうをプラプラするけど、どこに行ってもぼったくられる気がするんです。
植竹:わかるなあ。
上田:ずっとウロウロしていました。当時、マクドナルドには「39(サンキュー)セット」という、ハンバーガーとジュースとポテトで390円のメニューがあったんですよ。だけど、「39セットって3,900円じゃないか?」って本気で思っていたんです。「歌舞伎町のマクドナルドだからヤバいよ」みたいな。
植竹:あはは(笑)。
上田:2時間ぐらいへとへとになるぐらい歩いたけど、どこにも入れなくて、腹も減ったし体がもたないぞって話になって。そうしたら、ランドセルを背負った小学生がマクドナルドに入っていったんです。それを見て「あいつらが入れるんだったら大丈夫じゃね?」となって、ようやく入れたんですよ。それぐらい東京が怖かったです。
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「植竹公和のアカシック・ラジオ」音声版
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<番組概要>
番組名:歌う放送作家 植竹公和のアカシック・ラジオ
AuDee、Spotifyで配信中
配信日時:隔週金曜10:00〜
パーソナリティ:植竹公和