手島千尋アナウンサーがパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「防災 FRONT LINE」(毎週土曜 8:25~8:30)。今回の放送では、国内外30ヵ所以上の被災地で活動している国際災害レスキューナースの辻直美(つじ・なおみ)さんに「乳幼児がいる家庭の防災」について伺いました。
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まず、赤ちゃんがいる家庭の家具の配置について、辻さんは「子どもと大人では目線がまったく違うので、家具や物の配置はすごく大事だと思います。大人が思っている『重いものは下、軽いものは上』というよりも、もっと目線が変わってきます。子ども目線から家のなかを一緒に見回してみて『本当にそこの高さに物があっていいのか』『そこにタンスが置いてあって本当にいいのか』というのを考えたほうがいいと思います」と話します。
この指摘を踏まえたうえで、お子さんがよく過ごす部屋を安全にすることが重要です。「倒れてきそうな家具や移動してぶつかりそうな家具はないか」「落ちそうなものや吹き飛びそうなものはないか」「割れそうなものはあるか」などを子どもの目線で確認してみましょう。
大きな地震では、小さなものでも勢いよく飛んでくることがあります。また、踏んだり、つまずいたりすることも考えられます。おもちゃをどこにしまうか、収納場所をどこにするか、などにも気を遣いましょう。
自宅が被災した場合に備えての準備も大切です。液体ミルクや粉ミルクをはじめ、水、紙おむつ、おくるみなど赤ちゃんの防災に必要な物は、非常時にさっと持ち出せるように非常用持ち出し袋を作っておきましょう。
常温でそのまま哺乳瓶に移すだけの液体ミルクなら、お湯が手に入らなくても赤ちゃんに授乳することができるのでおすすめです。専用のアタッチメントがある物であれば、哺乳瓶に移す必要もありません。
災害が発生すると、多くの人が一斉に避難するため道が混みます。建物や壁、街路樹などが倒れたり、道がデコボコだったり、ベビーカーを動かせない可能性が高いです。抱っこ紐は必ず用意しておきましょう。
避難生活が長引けば、赤ちゃんもストレスを感じます。もし可能ならば、お気に入りのおもちゃを少し持って行くなどして、赤ちゃんのストレスをやわらげてあげることも大切です。
赤ちゃんグッズについて、辻さんは身の周りにあるものも活用してほしいとも話します。
「ベビーベッドがなくても、例えば、段ボールとシーツやクッション、バスタオルだけで(簡易的な)ベビーベッドが作れますし、おもちゃも牛乳パックなどでいっぱい作れると思うんですね。それ用にわざわざ買うのではなくて、普段から家にある物で遊ぶとか、代用するというやわらかい頭があってこそ活きてくるテクニックだと思います。また、物を買って安心するではなく“使って安心”。自分にとっての使い心地やコスパなど、いろんな視点で検討して備蓄してほしいと思います」
赤ちゃんがいる部屋の防災対策とあわせて、スムーズに避難できるよう日常の防災を心がけましょう。
<番組概要>
番組名:防災 FRONT LINE
放送日時:毎週土曜 8:25~8:30
パーソナリティ:手島千尋