手島千尋アナウンサーがパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「防災FRONT LINE」(毎週土曜 8:25~8:30)。1月14日(土)の放送では、阪神淡路大震災をきっかけに生まれた「マンホールトイレ」について取り上げました。
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今年の1月17日(火)で阪神淡路大震災から28年を迎えます。そこで今回は、阪神淡路大震災のときに、断水によって水洗トイレが使えなくなったことから誕生した「マンホールトイレ」を取りあげます。
1995年の阪神淡路大震災が発生した直後、兵庫県内で約130万戸が断水し、復旧に時間がかかりました。さらに、当時の神戸市には仮設トイレの備蓄がなく、全国から仮設トイレや汲み取り車が送られましたが、渋滞や道路の寸断で届くのが遅れ、住民が使えるまでかなりの時間がかかってしまいました。
この教訓を踏まえ、神戸市は震災の2年後に積水化学と共同でマンホールトイレを開発しました。このトイレは、学校や公民館など避難所・避難場所の敷地やその周辺の地下にマンホールと配水管を整備し、下水管につないだ後、備蓄品の簡易テントをかぶせ、便座を置くだけですぐに使うことができます。
また、転落防止のために穴が小さくなっていたり、排泄物はプールや貯水槽の水などで定期的に下水道に流れる仕組みになっています。国土交通省によると、避難所で必要なトイレの数の目安は、避難者100~500人につき1基だそうです。
都心をはじめとする関東の自治体も、マンホールトイレの設置を積極的におこなっています。東京・小平市では、2014年から5年間で避難所となる小学校・中学校・公民館など、38施設に314基のマンホールトイレを設置。
小平市の防災危機管理課によると、「被害状況に対応した多様な災害用トイレの確保に努めるため、簡易トイレや使い捨てトイレなどに加えて、下水道の耐震化も進め、組み立てトイレが設置可能なマンホールトイレを整備している」と話します。
整備では、トイレ1基にあたり避難者75人の使用を想定しており、学校などには、一般用と車いす用をあわせて約10基を設置しています。また、災害時に速やかに活用できるように、自治会や学校の教職員にマンホールトイレの概要説明や設置訓練を実施。
さらに、市民にもマンホールトイレについて理解を深めてもらうため、防災訓練の際に組み立て方を教えたり、災害時のトイレについてパネル展を開催したりするなど、より身近に感じてもらうための工夫もおこなっているとのことです。
<番組概要>
番組名:防災FRONT LINE
放送日時:毎週土曜 8:25~8:30
パーソナリティ:手島千尋
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/bousai/