市川美絵がパーソナリティをつとめるラジオ生放送番組「Seasoning~season your life with music~」。6月2日(木)の放送は、木曜レギュラーパートナーの若新雄純(慶應大学特任准教授などをつとめるプロデューサー)が登場。最近起きたニュースを独自の視点で解説する「若新雄純の『色メガネ』」のコーナーでは、「新入社員を悩ませる『配属ガチャ』『上司ガチャ』」について取り上げました。
木曜レギュラーパートナーの若新雄純
◆「配属ガチャ」「上司ガチャ」…若新の見解は?
新入社員や人事異動などで新しい環境に適応できず、心身に不調が現れる“五月病”の時期。新入社員が配属先を選べず、どんな部署に配属されるのかが分からない状況を、ソーシャルゲームの“ガチャ”に例えた「配属ガチャ」や「上司ガチャ」なる造語も出てきています。
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自分が配属された部署によって仕事内容や人員、周りからの評価などが変わるのは「至極当然のこと」と若新。配属先によって仕事内容や評価が変わることについて、「『不公平』などと、あたかも問題であるかのように語られるが、それこそが人間社会そのもので、人生はすべてそういうものではないか」と述べます。
配属された部署や環境下で、その人自身が形成されると言い、「もともと確固たる自分なんて存在していないのに、『自分はこういう人間だから』『こういうことが得意だから』『違う場所のほうがもっとよかった』などと考えがちだけど、“ある人”を社会から抽出して切り出して、『この人はこうである』と独立した一つのパーツのようには語れない。人間は、分離不可能なものだと言われている」と言います。
例えば、お弁当のおかずの中からソーセージを取って食べることはできますが、ソース焼きそばの場合、ソースだけを取り出して飲むことが不可能なのと同じように、「僕らは絡み合って全体の中で人間として存在している」と説明。
そのため、「この部署は自分には合わない」「こんな部署だから自分はできなかった」といった類の言い訳は「ちょっとおかしい」と若新。「その場所で自分が“できない”“評価してもらえない”という関係や状況に陥っているにすぎない」と指摘します。
また、「別部署の人気の上司の下で働いていたら自分も上手くいったはずなのに……」という考えに対しても、若新は「違うだろう」と断言。「その部署にいる人が、上司と上手くいく関係や状態を作り出しているからであって、相手が変われば結果もぜんぜん変わったりする。(自分に)ぴったり合う場所がどこかにある、ふさわしい相手がいる、と考えすぎ。そんなものは、ない」と話します。
続けて「そもそも人生のなかで、どういう場所で、どういう役割を担うかは、映画の配役みたいなもの。僕らはさまざまな場面で、いろんな配役を与えられ、それを工夫しながら生きている」とも。
「例えば、いじめる人がいるからいじめが生まれるとか、いじめられる人がいるからいじめられてしまった、というより、人間関係が発生するところには、結果としていじめやパワハラが生まれることはありがち。その人を取り除くだけでは(状況は)変わらない。一人ひとりが単体で物事を起こしているのではなく、いろいろなことが絡み合ってそうなっている」と語ります。
だからと言って「いじめを放置していいというわけではない」と前置きした上で、「そこに起こる人間関係や因果関係に注目して、今この状況からどんな役割が与えられそうで、どんな人と、どんなふうに関わり合っていて、どの人にどう働きかけると、今の場所・状況が変わるのかと考えられる人が、いい仕事をしたり評価されたり、褒めてもらうことできると思う。社内で嫌われている上司とも上手に関係をつくり、いい仕事ができる人もいる。(分離不可能な)“ソース焼きそば”のように、僕らの価値は常に周りとの相互関係でできている」とまとめました。
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<番組概要>
番組名:Seasoning~season your life with music~
放送日時:毎週月曜~木曜 13:30~15:55
放送エリア:TOKYO FMをのぞくJFN全国20局ネット
パーソナリティ:市川美絵、角田陽一郎(月曜)、乙武洋匡(火曜)、副島淳(水曜)、若新雄純(木曜)
番組Webサイト:
https://audee.jp/program/show/38286