ジャーナリストでZ世代専門家のシェリーめぐみがパーソナリティを務めるinterfmのラジオ番組「NY Future Lab」(毎週水曜日18:40~18:55)。ジャーナリストでZ世代専門家のシェリーめぐみが、ニューヨークZ世代の若者たちと一緒に、日本も含め激動する世界をみんなで見つめ、話し合います。社会、文化、政治、トレンド、そしてダイバーシティからキャンセルカルチャーまで、気になるトピック満載でお届けします。
8月27日(水)のテーマは「『自分たち外国人は嫌われている?』 参政党の台頭にアメリカZ世代が不安を激白」。日本に広がりつつある外国人排斥的な空気に感じることを、ラボのメンバーが話し合いました。
※写真はイメージです
◆日本の「外国人排斥的な空気」にアメリカ人として感じたこと
直近の放送では、外国人観光客のマナー問題について取り上げました。話し合いのなかでラボのメンバーから出てきたのは、「観光客、移民も含め、“外国人”自体に反感を抱く日本人が増えているのではないか?」という不安の声。
実はアメリカメディアでは、7月の参院選で大躍進した参政党が注目されています。なかには神谷代表を「ミニトランプ」と呼ぶ記事もあり、その大きな理由として彼らの外国人排斥的な発言をあげています。
ラボのZ世代のほとんどが日本にルーツを持つ、または日本が大好きなアメリカ人です。彼らは外国人として、今の日本の現状をどう感じているのでしょうか? まずは日本人の夫を持つメアリーが、参政党の躍進について率直な意見を述べました。
メアリー:参政党はトランプと同じようにグローバル化に大反対なんだよね。トランプは「俺たちはグローバル化で利用されてきたからもっと関税をかけろ!」と言っていたけれど、あれと同じようなノリ。でも「誰に利用されているの?」って聞かれてもよくわからない、みたいな。
それに今は子どもを持ちたくても経済的に難しいし、生活を維持するためにものすごく長時間働かないといけない。国内を取り巻くさまざまな問題を、参政党は移民のせいにしているんだよね。「ルールを守れない移民が悪い」とね。それに観光客は目立つから、余計に攻撃対象になりやすい。
だから私は日本人に、もっとアメリカの現状を見てほしいと思っている。私たちも「アメリカ版参政党」のような勢力を選んでしまったからね。トランプに投票した人の多くが今はフラストレーションを抱えたり後悔したりしている。だから日本も同じようなことになる前に、よく考えてほしい。そうしないと経済状況をさらに悪化させることになってしまう。ただ、日本に「外国人排斥」的な考えの人が多ければ仕方ないけれど。
アニー:問題は、時代の変化があまりにも急すぎるということじゃないかな。(日本人は)外国人が増えるという状況に慣れていないから、今起きていることに恐怖を感じているんだと思うけど。
参政党は、国内における様々な問題を、移民をはじめとする外国人に理由があると扇動したトランプ政権と同じように見える。「アメリカと同じ轍を踏まないでほしい」というメアリーの意見でした。
(左から)ミクア、シェリー、ヒカル、ノエ、シャンシャン、メアリー/©NY-Future-Lab
◆伝統や文化を守るか?オープンな国になるか?
「片方の親が日本人のアメリカ人」「両親が日本人、本人も日本生まれだが、ずっとアメリカに住んでいる」「自身はアメリカ国籍だが日本人の配偶者がいる」など、程度の差はありつつも、それぞれが日本との関わりを持っているラボのメンバー。一方で、日本で暮らす日本人からは“外国人”として扱われるという複雑な立場です。
彼らは今後、日本がどのような国になると考えているのでしょうか?
ケンジュ:日本の進むべき道は、最終的には2つに分かれるのではないかな。1つは伝統を守って外国人の受け入れを厳しくする方向。もう1つは、とてもオープンになって極端な話、ニューヨークのようになる方向だよ。
ニューヨークは、誰でも好きに入ってきて好きなことをやって、それが1つの文化になっている街。極端な資本主義の形でもあるよね。例えば僕のおばあちゃんが通っていた教会も、今では別の州から来た人たちが使っていて、なんとヨガスタジオになっているんだ。結局みんな自分の生活のためにやりたいことをやる、そういう場所がニューヨークなんだよ。日本はそのどちらかを選ぶかっていうことではないかと思うな。
テオ:だけど、おばあちゃんが通っていた教会がヨガスタジオになるなんてさすがにショックだな……。
ミクア:そういう状況に懸念を持つ人が出てくるのも理解できるよね。
ケンジュ:そのあたりはバランスも必要だよね。
ただ、日本がここまで文化を守ってこれたのは、日本という国が「住んでいる人がほとんど同じ人種」だったからだと思うんだ。そこにさまざまな国の人が入れば、人口構成は変わり、結果的に新しい文化が生まれることになるよね。
メアリー:そこで私が思い出すのが「テセウスの船」というパラドックスだよ。船を出して、戻ってきたときに壊れた板を1枚ずつ取り替えていき、最終的には全部の板が新しくなる。それでもその船は「テセウスの船」と呼ばれ続ける。でも、それは本当に同じ船なのか? という疑問だよ。
これは日本人が感じている不安と似ていると思う。「人が入れ替わっても、それは日本と呼べるのか」という問いだよ。私は「同じ」だと思うんだ。みんながそれを「テセウスの船」と呼び続ければ同じ船であるように、日本も、そこに住む人たちが「日本らしさ」を大事にしようとする限り、日本であり続けると思うよ。
伝統や文化を守るために、外国人排斥が激化するのか。はたまたニューヨークのようにオープンな場所へと進む方向へと舵を切るのか。さまざまな意見が飛び出しました。
シェリーは「今回のテーマはこれまで以上に激論になり、今日お聞かせできたのも、そのほんの一部です。その背景には、どんな日本になっても自分たちを受け入れてくれる国であってほしいという願いが込められていることを忘れないでほしいと思います」とコメントし、話題を締めくくりました。
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<番組概要>
番組名:NY Future Lab
放送日時:毎週水曜日18:40~18:55放送
出演:シェリーめぐみ
番組Webサイト: https://www.interfm.co.jp/nyfutureweb
特設サイト:https://ny-future-lab.com/