フリーアナウンサーの住吉美紀がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの生ワイドラジオ番組「Blue Ocean」(毎週月曜~金曜 9:00~11:00)。8月18日(月)の放送では、「My お墓、Your お墓」をテーマに、リスナーから届いた多彩なお墓にまつわるメッセージを紹介しました。
※写真はイメージです
番組冒頭、パーソナリティの住吉は「お盆といえばお墓参り。みなさんのまわりでも、さまざまな形でお墓参りをされていると思います」と切り出し、「最近は樹木葬や海洋葬、さらには今年の猛暑で高齢者のお墓参り中の熱中症を避けるために代行業者に依頼するケースも増えているというニュースも観ました」と現代ならではの状況に触れる場面も。
また、「今回お墓参りをしてきたという複数の番組スタッフからは『とにかく草抜きが大変だった!』『親世代に草むしりを任せると本当に大変だから、お墓参り前に草むしりを済ませてきた』という声も寄せられています」とコメントし、メッセージを呼びかけたところ、多くのリスナーからさまざまなエピソードが寄せられました。この記事では、その一部を紹介します。
パーソナリティの住吉美紀
■リモートで墓参り、兄に感謝
私の実家は東海地方。これまでお盆に実家に帰省して、両親の墓参りをすることが、なかなかできませんでした。今年もちょっと用事があって帰省できませんでした。
しかし、コロナの頃からは実家に住んでいる兄が墓参りをしてくれて、その様子をスマホでライブ中継をするリモート墓参りをしています。子供のころは怖い兄でしたが、大人になってからはすごく頼りになる兄です(50代前半・男性・会社員・埼玉県)。
■父の希望で海洋散骨
私の父は、生前より「墓はいらん」「葬式もいらん」「なーんもせんでよか」でした。私は「そんなことできるわけない!」って思っていました。
そんな父は2016年に亡くなり、父の故郷・長崎の軍艦島からずっと先の海洋に散骨しました。
なので私の実家の「お墓」はありません。散骨した後、母も「自分も同じように見送ってほしい」と言っています。
花びらと共にゆっくりと沈んで行く父の散骨の風景は今も心に残っています。帰省するたびに海を見て父を想います。仏壇ももちろんありません。残された遺族の心の持ちようかも知れませんが、いつも微笑んでくれている父の写真を見ていると「これで良し!」と思います(50代後半・男性・主夫・東京都)。
■高圧洗浄機で“令和のお墓参り”
先週、地元にある両親のお墓に墓参りをして来ました。この時期は、雑草や苔などが生えており、家族総出で分担しながら丁寧に取り除いておりました。墓石はタワシを使わずに、綺麗な雑巾で拭き取ったり、お線香立ても燃えかすなどをハケで取り除き、皆、汗だくで作業していました。
すると、お隣のお墓にも墓参りの方がいらして、いま風の若い2人組のお兄さんの手には、黄色い箱と延長ホースと長い電気コードが。そして、1人がその延長ホースを近くの水道の蛇口に取り付けて、もう1人がその黄色い箱から出した機械にセットして、長い電気コードを駐車場まで伸ばすと、やがてスイッチが入り「プシャー!」っという音と共に水が吹き出して、墓石を洗い始めたのです。そう、高圧洗浄機「ケルヒャー」でお墓を洗っていたのです。
とても合理的で、しかも苔や黒ずみまで吹き飛ばしてとても綺麗なお墓となっておりました。
そしてその2人は、お線香とお花をお供えをして、足早に帰って行きました。それを見ていて、間違ってはいないかもしれませんが、何か心に許せない物を感じてしまったのは私だけでしょうか? 令和の墓参り事情の報告です(50代後半・男性・会社員・東京都)。
■土地が削られる!? お墓トラブル
私の田舎のお墓は、実家から車で数分離れた、小高い場所にあります。祖父母の存命中は、近くにある畑に行くついでに手入れしていたようですが、祖父母も畑もなくなったあとは、離れて暮らす父母が念に数回行くのみ。私も帰省した際は顔を出していましたが、あら不思議。行くたびに墓の敷地もそこへ至る道路も小さくなっていくのです。
その真相は、なんと周囲の住民によって何年もかけ徐々に土地が削られていたようなのです。
このままでは、高台から墓石がこぼれ落ちそう! 慌てて柵を作り、なんとか高台の足場程度は守れましたが、明らかに敷地は半分以下に……。油断大敵、と言いますか、今の墓を見るたびに、なんともやるせない気分になります……(50代前半・男性・自営業・東京都)。
■クマの出没で墓参り断念
私の家のお墓は、東京都の多摩西部にあります。東京都防災アプリで知りましたが、お墓に行くときのバス停留所近くにクマが出没するようになりまして、お墓に行けていません。先祖参りももちろん大事ですが、クマには負けました(50代前半・男性・専門職・東京都)。
■妻と別居…「一緒のお墓には入らない」と宣言されて
訳あって2年前から妻と別居しているのですが、妻には「あなたと一緒のお墓には絶対に入らない!」と宣言されているので、どうしようかと……。実際、亡くなってしまえば,何もわからないのでどうでも良いのですが、生きている間はどうする? と自問自答する次第です。子どもたちにも頼れないしなぁ……。どうすればいいでしょうか(50代後半・男性・会社員・東京都)。
■「合葬墓」生前募集に当選
実家の墓仕舞いを考えつつ、我が夫婦のお墓も考えています。昨年から合葬墓の生前募集に応募しておりましたが、2年目にして先日当選しました! これで終の棲家は確保したので、死ぬまで生きるぞー!(60代後半・男性・主夫・東京都)
■「お墓を守る!」…考え方の変化
昨年、父が他界しました。葬儀社の方と話を進めていくと。コロナの影響で考え方がガラリと変わったと伺いました。樹木葬や永代供養が増えて、担当の方もお墓をもたず散骨にしたいと。我が家では、故人を忘れないことが一番と思い、お墓を持つことをやめました。
また、主人の実家(鹿児島)でも墓じまいをしました。東京にいる私たちが管理するには、遠くて……。義父も諦めたようです。申し訳ないのですが、どうしようもないのが現状です。
昔からの「お墓を守る!」という考え方から変わっていく時期のように思います。変わらないものは、ないのだから……形は変われど、故人を偲ぶことに変わりがなければ良いと思っています(60代前半・女性・パート/アルバイト・東京都)。
■草むしりは早めの代行依頼が◎
石材店で事務をしています。お墓を建てたお客様のご依頼で清掃や献花の代行もおこなっています。その場限りの草取りは、あっという間に、また草が生えてきてしまいます。お墓参りの予定が決まっているようであれば、早めに代行依頼をされて、液体除草剤をかけて根から枯らして草取りをしてもらうと良いと思います。「職人さんがおこなう作業は、やっぱり違う!」と喜んでいただけます。
暑い夏は、霊園への救急車の出動回数が増えます。お墓参りに行かれる方はどうぞ気をつけてください(50代前半・女性・会社員・東京都)。
■墓じまいの手続き中に驚きの事実が…
夫は1人っ子で義父は既に他界。今年初めに義母を亡くし、お墓が中部地方と遠く、子どもたちは娘のため引き継ぐのが難しそう……ということで、墓じまいの手続きを始めました。
畑のなかにある親族のお墓で所有者が分からず、本家に聞いても連絡がつかない。そのお子さんも分からないということで、所在地の市役所の固定資産税課に行って、土地の名義を調べてもらいました。ところが、土地の名義には親戚ではない苗字が……! しかも住所の記載がなく……。法務局なら分かるかもと行ってみたものの、結局、登記簿でも分からず、「明治から更新されていません」との驚きの事実……。
お墓は、土地も墓石にも税金がかからず、行政も所有者を追いかけることをしないからここまで来たのではないかと思います、とのことでした。職員の方からは、「過疎地ではよくあること」とお話がありました。お寺の檀家でもないので、お墓を建てるのは良いけど、分骨も墓じまいもしにくいお手上げ状態になってしまいました。義母のお墓から近隣で建てる予定です(40代・女性・埼玉県)。
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現代ならではの事情から、伝統的な墓参りにまつわるエピソードまで、多様な声が寄せられた放送回となりました。
<番組概要>
番組名:Blue Ocean
放送日時:毎週月曜~金曜9:00~11:00
パーソナリティ:住吉美紀
番組Webサイト: http://www.tfm.co.jp/bo/
番組公式X:@BlueOceanTFM