声優界随一のサイクリスト・野島裕史がパーソナリティをつとめ、自転車をテーマにお届けするTOKYO FMのラジオ番組「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」。5月7日(日)の放送は、
前回に引き続き、国際自転車ロードレース「ツアー・オブ・ジャパン」組織委員会委員長の栗村修さんをゲストに迎えてお届けしました。
(左から)パーソナリティの野島裕史、栗村修さん
◆「ツアー・オブ・ジャパン2023」が5月21日より開催!
野島:
前回は50代を迎えた僕の体の老化についてご相談をさせていただきましたが、今日は栗村さんが組織委員会委員長をつとめているUCI公認・日本最大の国際自転車ロードレース「ツアー・オブ・ジャパン2023」について伺います。今年は5月21日(日)からスタートしますが、まずは開催概要を教えていただけますか?
栗村:「ツアー・オブ・ジャパン」は大阪をスタートして東京でフィニッシュする、8日間8ステージの国内最大規模の国際自転車レースになります。コロナ禍で2020年は開催中止、2021年は3ステージ、2022年は4ステージの縮小開催となり、本来の姿での開催が4年間できなかったんです。今年は合言葉・キャッチフレーズに“フルスペック開催”を掲げ、ようやく本来の姿に戻ります。
開催ステージを紹介させていただくと、初日となる5月21日(日)は大阪府の「堺ステージ」。翌日22日(月)は「京都ステージ」。23日(火)は三重県の「いなべステージ」。続いて24日(水)は岐阜県の「美濃ステージ」と東に向かい、第5ステージは25日(木)に長野県の「信州飯田ステージ」。26日(金)の第6ステージは静岡県小山町で開催される「富士山ステージ」。その名の通り富士山を登ります。
そして、第7ステージは27日(土)神奈川県の「相模原ステージ」、最終日28日(日)は「東京ステージ」になります。なお、東京ステージのパレードスタートには、今回も野島さんに走っていただくことになっています。
野島:今年もよろしくお願いします。それにしても4年ぶりのフルスペック開催、やはり8ステージになると「ツアー・オブ・ジャパン」らしくなりますね。
栗村:この大会は、国内最長の自転車レースで、やはり開催日数が長ければ長いほどドラマが生まれますよね。そして、過酷さも増します。選手だけでなく、我々主催者側も過酷なんですけど、大変であればあるほど、フィニッシュしたときの感動や絆も大きくなる。東京ステージに辿り着いたときの達成感、充実感を味わえる喜び、楽しみがありますよね。
野島:(前回のトークとは違って)やはり「ツアー・オブ・ジャパン」の話になるとスイッチが入りますね(笑)。
栗村:組織委員会委員長ですから(笑)。「ツアー・オブ・ジャパン」の第1回開催が1996年で、そのとき、僕は選手だったんです。引退後は監督になり、監督として大会に出場し、その後、主催者側に。今年は組織委員会委員長ということで、振り返れば僕の自転車人生はもう「ツアー・オブ・ジャパン」じゃんっていう(笑)。
野島:まさに“ツアー・オブ・人生”みたいな感じですね(笑)。
栗村:そうなんですよ。すべてを捧げてきてしまった(笑)。でも、組織委員会委員長という、最終的な責任を負うポジションになり、不安やプレッシャーも大きいですけど、開き直れる感じがします。
野島:選手時代から出場しているだけに、栗村さんはもはや「ツアー・オブ・ジャパン」を知り尽くしている感じですよね。
栗村:年代ごとに主催者メンバーやスポンサーさん、選手やチームも変わり、それをずっと見てきましたけど、今年は例年にも増して感慨深いですね。
◆大会組織委員会委員長が語るツアー・オブ・ジャパン2023の見どころ
野島:「ツアー・オブ・ジャパン」は1本芯を貫いているところがすごいです。
栗村:そうですね。でも、どこか刹那的というか、僕はこれを目指してきたわけじゃない。選手時代も将来、組織委員会委員長になるなんてことは1度も考えたことがないんですよ。与えられた立場で一生懸命頑張ってきただけ。
過去25回の大会のなかで翌年のこと、将来ことは考えたことがなかったと思うんですよね。というか、正直(組織委員会委員長には)あまりなりたくはなかった……。
野島:そうなんですか!?
栗村:肩書きとか好きじゃないんですよ。それに責任がのしかかるじゃないですか(苦笑)。ただ、今、改めて感じるのは、この大会は前身の大会(国際サイクルロードレース)を含めると本当に歴史があって、関わってきた方々から渡されてきたバトンを未来に繋げている感じがすごくするんです。
今、この大会があること、ここに自分がいるのは関わってきた方々がいたからですし、前身の大会は1982年に始まっているので、いわば40年以上もの歴史があり、絶やすことのできない大会になっているので、未来につなげていく責任とともに襷(たすき)を渡していく一員になれたことに喜びを感じますね。
野島:責任重大ではあるものの、それを喜びや楽しみ、やりがいに変えているんですね。
栗村:前半にもお話しましたけど、「ツアー・オブ・ジャパン」に関わった方々がやりきって東京に来たときの笑顔、充実感は相当なもので、その表情をまた見られるのが楽しみです。そして、それこそ大会が終わるとみんなツアー・オブ・ジャパンロスになるんですよね。
野島:栗村さんはロスになるとどうなるんですか?
栗村:僕は何回か東京ステージで号泣したことがあります。いっぱいいっぱいで喜怒哀楽の感情がすごいことになってしまって。
野島:その姿を拝見したことがありますが、そのときはもらい泣きしそうなぐらい感動・感激しました。では最後に、今年の見どころや注目ポイントを教えてもらえますか?
栗村:8ステージのフルスペック開催に戻るとともに、もうひとつ復活する要素があります。それは海外チームの参加です。コロナ禍で海外チーム招聘のハードルが高かったのですが、ようやく今年は6チームを招待して、本当の(意味での)国際大会で日本チームとの戦いが見られます。
また、日本の原風景、素晴らしい景色を世界に配信するので、海外の方にも興味を持っていただくという意味では、それもひとつの見どころだと思います。
5月14日(日)の「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」は、引き続き栗村修さんをゲストに迎えてお届けします。お楽しみに!
<番組概要>
番組名:サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国23局ネット
放送日時:TOKYO FMは毎週日曜 朝5:00~5:30(JFN各局の放送時間は番組Webサイトおよびアプリ「AuDee(オーディー)」でご確認ください)
パーソナリティ:野島裕史
番組Webサイト:
http://www.jfn.jp/toj