ラジオの中の学校、TOKYO FM「SCHOOL OF LOCK!」。7月20日(水)の放送は「みんなを生きるな、自分を生きよう」というデジタルハリウッド大学が掲げるメッセージに共感した『SCHOOL OF LOCK!』が、一夜限りのコラボ授業として、パーソナリティのこもり校長と松田部長が「個性」にまつわる授業をお届けしました。
この日はスペシャル講師としてSKY-HIさんが登場し、「個性」に悩むリスナーと生電話! 熱いアドバイスが次々と飛び出しました。
スペシャル講師のSKY-HIさん
◆地域留学をするか、内部進学をするべきか…
最初に電話相談に出演したのは「人と関わることが好きなのに、素の自分を出せていないと感じる」と話す、中高一貫校に通う中学3年生のリスナー。そんな自分を変えるために、地方留学(地域留学)制度に応募して視野を広げたいそうですが……。
リスナー:今は中高一貫校に通っているので、(地域留学をするために他地域の高校を)受験をしてしまうと内部進学を受けられなくなってしまうのと、もし落ちてしまったら行く高校がなくなってしまうので悩んでいます。
こもり校長:今のままなら内部進学で高校に進学できるってことだもんね。親御さんには話したの?
リスナー:話しました。中学受験をしてしっかりした学校に入ったわけだし、塾も東京だとたくさんあって、進学を考えるなら「あなたはとてもいい環境にいるからもったいない」と反対されてしまって……。
こもり校長:リスクを負って何かにチャレンジするよりは、中高一貫校で6年間しっかり勉強して、大学受験に臨むのも一つの選択肢だよっていう意見を親御さんからもらったんだね。
松田部長:やっぱり私は親御さんの気持ちになっちゃいますけどね(笑)。自分にも子どもがいるので、リスクを負わせるのは……って気持ちにもなっちゃいます。やりたいことがあるって気持ちは大切にしてあげたいですけれどもね。非常に難しい!
SKY-HI:僕も中高一貫校出身で、高校受験がないから中3のときにバンドを7つほど組んでみたんです。それが今に繋がっていて。あと中高一貫校とはいえ、高校入学をすると環境も当然変わったり、アルバイトを始めたり、そういう時間が持てたのも中高一貫校のよさとして一つありますね。
地域留学をしたら環境が変わるのは間違いないけれど、今のまま高校に進学したとしても否が応でも環境は変わるし、自分の世界を変えようと思えばインターネット(を使う手段)もありますから。まだまだ東京にも、君が知らない環境があったり、知らない学校やクラスメイトがたくさんいたりしますから、「このままじゃ何も変わらない」ってわけではないと思います。
こもり校長:どう? 今の話を聞いてみて。
リスナー:うーん、一番大事なのは自分の行動かなと思ったんですけど……。
SKY-HI:何かをしようとして失敗したとしても、逆に何もできなかったとしても、人生は進んでいくから。最終的にプラスの方向に持っていける・持っていけないって考えたときに、「失敗した!」「何もできなかった!」って気持ちも宝物にしてほしい。ネガティブな気持ちこそ成長の一番の糧になるものだったりするから、今の悩んでいる気持ちも含めて大切にしてあげてほしいなと思います。
こもり校長:でも、そういう狭間にいる自分がもどかしいってことだよね? 地域留学をして行動を変えて、大きく環境を変えた場所で自分を試してみたいって気持ちも強いってことでしょ?
リスナー:そうですね。
こもり校長:今はそっちが強いんだよね。中高一貫校ではSKY-HI先生が言ってくれたようなこともできるし、自分を変えることもできると思う。でも今の気持ちが地域留学のほうに傾いているのなら、親御さんを説得できるだけの説得力を身につけるしかないと思う。もっともっと親御さんと話す時間を増やしてみるとか。
SKY-HI:両親に相談できるのって、すごくいい関係ですよね。親に言えずに消えていく夢ってたくさんあるから、親御さんとぜひいっぱい話をしてほしいですね。
こもり校長:地域留学ができなかったとしても、「自分らしくない」というわけではないから! もっともっといっぱい考えて、親御さんといろいろと話してほしい。
SKY-HI:なんで地域留学に行きたいのか、行って何をしたいのかを具体的に考えないと説得できないし、この先考えるようになると思うんだけど、そのときにいろいろと自分のことに気づいていくと思う。その年齢でそれができるのはすごく素敵なことだと思うから、いいきっかけにしてほしいなと思います。
◆SKY-HI「個性は辿ってきた道」
続く「個性的に輝いている自分になりたい」という高校1年生のリスナーは、そうした夢とは反して「自分らしさ」や「自分の個性」が何なのかがわからなくて悩んでいるそう。来年は文理選択があるので、将来自分の個性を活かせる職業に就くためにはどっちに進めばいいのかを考えている最中だと話します。
こもり校長:君が考える「個性」って何だと思う?
リスナー:自分が人に対して一番誇れるものや、「自分はこうだ」って見せられるものが個性かなと思います。
こもり校長:確かに個性ってそういう側面も持っているよね。それが今は見つけられない感じかな。SKY-HI先生は、10代の頃に「これが俺の個性だ!」と強く思っているものはありましたか?
SKY-HI:10代の頃は「俺にはこういう個性がある」と思っていたけど、それは世間一般が言う個性というものに自分の特性を当てはめていただけ。例えばどういう音楽を聴いてきて、どんなスポーツのどんなプレイが好きで、どういうお母さんに育てられて、どういう通学路を通ってきて、どういう友だちがいて……とか、同じ人って何十億人いても絶対にいない。
未来ばかりを見て自分の個性を探し求めてきたけれど、実は「歩いてきた道のりそのものが個性だった」ということに気づいたのは、割と最近、30歳を過ぎてからかな。今のリスナーさんの頃の自分に声をかけるなら、「個性を探そうとしているけれど、もう辿ってきているから。15年分の個性があるよ」って言ってあげたいですね。
あと、けっこうやりたいことがわからない人ってたくさんいるけれど、確実にやりたくないことは誰にでも一つはある気がするんですよ。例えば「白い紙に“丸”を描いて」って言われても、大きい丸を書けばいいのか、楕円がいいのかみたいに、どんな丸を描けばいいのかわからないけれど、丸を描く前に周りを真っ黒(=やりたくないこと)で塗りつぶしていく作業をしていくと、最終的に自分が描くべき丸(=やりたいこと)って見つかる気がするし。思っているよりも人生は短くないので、今はやりたくないことを見つける作業も大事だと思う。
松田部長:なるほどね、そっちから見つけるっていう。
SKY-HI:「なりたい自分」を見つけるためには、「なりたくない自分」を探す作業も素敵なことだと思う。いくつになっても「いまとは違うことをやりたい」と思ったらやれるし。33歳で会社を作って「35歳の今が一番楽しい」って言ってる自分がいるし(笑)、そういう実例がありますから。
松田部長:若い頃って「30歳じゃ遅い」とか思ったりしていたけど、実際になってみると全然そんなことないから、まだまだそんなに悩まなくてもいいのかなと思う。
SKY-HI:悩みもまた尊いことだから、たくさん悩んでほしいですね。
<番組概要>
番組名:SCHOOL OF LOCK!
パーソナリティ:こもり校長、松田部長
放送日時:7月20日 水曜日22:00~23:55
番組Webサイト ⇒
https://www.tfm.co.jp/lock/