株式会社ジャパンエフエムネットワークが制作する全国JFN系列22局ネットで放送中のラジオ番組「となりのカイシャに聞いてみた!supported by オリックスグループ」。意外とあなたの近くにある、地元で活躍するカイシャ。「そこに辿り着くまでの話」や「事業への想い」など、明日へのヒントになる話から、地域のお気に入りスポットまで、地域に密着してお届けする企業応援ビジネスバラエティプログラムです。パーソナリティは小堺翔太が務めます。
1月3日(土)の放送では、先週に引き続き、株式会社岩田組の代表取締役社長の山﨑宗紀(やまざき・むねのり)さんをゲストにお招きして、社長室をなくす職場環境の刷新や、社内における人材育成について伺いました。
(左から)パーソナリティの小堺翔太、株式会社岩田組 代表取締役社長・山﨑宗紀さん、アシスタントの今末真人(エフエム鹿児島)
◆社長就任後に採用面と福利厚生面を強化
前回の放送では、創業73年を迎える総合建設業・株式会社岩田組が取り組む不動産コンサルティング事業や、「新しい鹿児島をつくる」というビジョンについてお話を伺いました。今回の放送ではさらに踏み込み、社内での人材育成の取り組みや、ユニークな福利厚生について語ってもらいました。
2023年に岩田組へ入社し、2025年に社長に就任した山﨑さんは、就任当初から「新しい風を会社に吹かせる」という思いを抱いていました。特に注力したのが、人材採用の強化です。しかし、現状を把握するために学校訪問を始めたところ、「創業73年の建設会社でありながら、理系の教員でさえ岩田組を知らない」という事実に直面します。採用活動がほとんどおこなわれておらず、新卒採用も結果につながっていない状況には、社内にもあきらめムードが漂っていたといいます。
そうした状況を受け、山﨑さんは独自に「採用マーケティング」を導入しました。「1つの採用をつなげるためのマーケティングサイクルを自分なりに作り、PDCAをぐるぐる回しながら、まずは2人3人と採っていく。そういう3ヵ年計画で取り組むことをまずおこないました」と説明します。
取り組みは採用だけにとどまりません。企業ブランディングやPR、入社後の育成プラン、オフィスや福利厚生の整備、人事・給与制度の再構築など、これまで存在しなかった社内の枠組みを同時進行で整えていきました。山﨑さんは「入ったあとでも辞めない、育成ができる、未来のビジョンが見える仕組み」が必要だと考え、環境づくりを一気に進めていったと振り返ります。その結果、就任以降はグループ全体で約15名の増員につながったといいます。
福利厚生の面では、社員が気軽に利用できる制度づくりにも着手しました。映画鑑賞やマラソン大会のエントリー、セミナー受講、ジム入会など、自身の成長やリフレッシュにつながる費用の一部を会社が助成する仕組みを導入。「体験に対してのお金」という方針のもと進められましたが、年度末には「釣りのリール」「ルアー」「ランニングシューズ」など予想外の申請が殺到し、最初は「これはダメだ」と感じつつも、最終的にはすべて承認したというエピソードも披露。
制度の利用が多いのは「子どもとの映画鑑賞」「音楽鑑賞」「ジム」「マッサージ」といった、心身のリフレッシュに関する内容です。社員の気持ちと体を整えて働ける状態をつくることは、最終的に会社の働きやすさにつながります。山﨑さんの方針のもと、働く環境そのものを見直す改革が進んでいます。
◆新オフィスで「社長室」を取り除いた理由は?
岩田組では、採用や福利厚生と並行して、社内環境そのものの刷新も進められています。山﨑さんが着任後から取り組んでいるのが、40年近く使用してきた自社ビルのオフィスリニューアルです。古さを感じさせる空間を一新するため、代表就任と同時に計画を始動し、現在は最終準備段階に入っています。「2月末にはリニューアルを終えて、新しい環境で働けるようにする」という方針のもと、次の入社者を新オフィスで迎える予定です。
席の運用は当初フリーアドレス化を検討していましたが、固定席を望む声も多く、「フリーと固定を選べるハイブリッド型」に決まりました。また山﨑さんは「ジャングルや南の島が好き」という自身の好みを反映し、“自然要素”を内装コンセプトに提案。コンセプトはずばり「ジャングル」で、グリーンや木材を多く使った空間を目指しています。バナナやパイナップルの設置は管理面で断念しましたが、壁やカーペット、家具の色合いに自然の雰囲気を取り入れ、緑を活かした落ち着いた空間づくりが進行中です。執務エリア、休憩室、リモートスペースなど、用途に応じた2フロアの改装が進んでいます。
象徴的なのは、山﨑さんの「社長室をなくした」判断です。「社長は個室」という従来の考え方に疑問を持ち、「そのために従業員が使いたい休憩室やスペースを奪うのはナンセンス」と考えました。山﨑さんはフリーアドレスで社員のそばに座り、気軽に声をかける社長像を理想としています。
この姿勢は制度づくりにも表れています。福利厚生の多くは山﨑さん主導ではなく、社員からの提案を採用したものです。「社員が持ってきた案を全部導入しました」と語るように、現場の声を汲み取りながら施策を進める文化が生まれています。さらに、社員から自発的に改善案が集まる環境も整い始めているといいます。
人材育成では、技能指導だけでなく、考え方や姿勢を含めた教育体系づくりも始動しています。「哲学やフィロソフィー、マナー、人としての目線」といった基礎価値観を共有し、技術職でも「背中を見ろ」ではなく「伝える力」を重視する方針です。
2026年2月には、新卒受け入れに向けた「受け入れ研修」を実施予定です。コロナ禍でコミュニケーション機会が限られた世代に配慮し、「こういったコミュニケーションを取りましょう」という共通認識を社員全員で学ぶ機会を設けるとしています。岩田組では、働く場所と働き方の双方を更新しながら、次世代に向けた組織づくりが進んでいます。
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音声版「となりのカイシャに聞いてみた!」
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<番組情報>
番組名:となりのカイシャに聞いてみた!supported by オリックスグループ
放送エリア:TOKYO FMをのぞくJFN全国22局ネット
パーソナリティ:小堺翔太