TOKYO FMのラジオ番組「ONE MORNING」内でお送りしている「JA共済 presents なるほど!交通安全」。今回の放送は、モータリングライターの藤田竜太さんから「乗車時の熱中症対策」について伺いました。
※写真はイメージです
◆“暑い”と感じたらエアコンをオン!
最近、最高気温が30度を超える地域も出てきました。そこで気を付けたいのが“乗車時の熱中症”です。JAFの実験では、外気温が25度ぐらいでも、直射日光の当たる場所に車を停めてエアコンを切り、窓を閉め切った状態にしておくと、1時間後には車内温度が50度以上になることがわかっています。
また、外気温が35度の猛暑日になると、エアコン停止後わずか15分で、熱中症指数の4段階で一番上の「危険」レベルに達すると言われています。
熱中症対策として、藤田さんは「まずはエアコンを適切に使うことが大切です」と言います。暑い時期はエアコンの温度を国産車だと25度、欧州車では22度に設定することが奨励されています。ちなみに、燃費を抑えようと設定温度を高くしても、実はそこまで変わらないそうで、「燃費は設定温度よりもエアコンの風量に左右されるので、車内温度が安定していれば燃費への影響は大きくありません。暑いときは迷わずエアコンをオンにしましょう」と話します。
◆効率的に“車内の熱気を逃がす方法”
熱中症対策では、こまめな水分補給も欠かせません。暑い日は喉が渇いていなくても水分を摂るようにしましょう。また、塩分をほどよく摂ることも大切で、スポーツドリンクや塩分タブレットを活用するのも1つの手段です。また、睡眠不足の状態だと体温調整機能が正常に働かなくなり、熱中症になりやすくなると言われていますので、でかける前には睡眠をきちんと取ってください。
ほかにも、通気性の良い生地の服を選んだり、肌に日が直接当たらないような長袖の服を着たり、吸水性や速乾性に優れた素材の下着を選ぶのもおすすめです。一方、体温調整機能が未発達の乳幼児や、暑さを感じにくくなっている可能性がある高齢の方と同乗しているときは特に気を配りましょう。
駐車しているあいだに車内に熱気がこもってしまった場合の対策として、藤田さんは「乗車する前に助手席の窓だけを開け、運転席のドアを5回ほど開け閉めして車内の熱気を逃がしましょう。その後、窓を全開にして“外気導入”を選び、車のエアコンのスイッチを入れて走らせます。そして、2分ほど走行したら窓を閉め、エアコンを“内気循環”にして3分ほど走り続けると、最も効率よく車内の温度を下げることができます」と解説します。
◆ドライバーは同乗者以上に水分補給の意識を
熱中症は、十分に対策していてもなってしまう恐れがあります。
・立ちくらみ
・めまい
・足がつる
・大量に汗をかく
・頭痛
・不快感
上記などが熱中症の初期症状だと言われています。どんな症状が出たら注意が必要なのか、体からのサインを知っておきましょう。
運転中に異変を感じたら、安全な日陰に車を停めて、エアコンを効かせたまま水分と適度な塩分を補給してください。そして、着ている服を緩めて濡れたタオルや冷たい飲み物が入ったペットボトルなどを使って、首回りや脇の下、足の付け根などを冷やし、しばらく安静にしましょう。それでも改善しない場合は救急車を呼んでください。
車の運転は意外と体力を消耗するため、ドライバーは同乗者よりもたくさん汗をかきます。藤田さんは「“対策しているから熱中症の危険はない”という考えは危険です。エアコンを使用している車内では空気が乾いているので、汗をかいていることに気づきにくく、気がつかないうちに脱水症状になっているリスクがあります。また、運転中は脳が酸素をたくさん消費しているので、それに見合った水分補給が欠かせません。同乗者以上にこまめに水分補給をして、定期的に休憩を取ることを忘れないようにしましょう」と注意喚起しました。
<番組概要>
番組名:JA共済 presents なるほど!交通安全
放送日時:毎週金曜 7:20~7:27