川瀬良子がパーソナリティをつとめ、日本の農業を応援するTOKYO FMのラジオ番組「あぐりずむ」。毎週火曜は、農業はもちろん、時代の先を捉えるさまざまな研究をおこなっている東京農業大学の農学研究を紹介します。
今年1月から東京農業大学・宮古亜熱帯農場での取材の模様を連載でお届けしましたが、今回が最終回。そんな2月27日(火)の放送は、東京農業大学 国際食料情報学部 国際農業開発学科 農業開発経済学研究室の中曽根勝重(なかそね・かつしげ)准教授に、東京農大が沖縄・宮古島に学びの施設を持つ意義について話を伺いました。
中曽根勝重准教授、川瀬良子
◆沖縄県・宮古島で“農業”を学ぶ意義
沖縄県・宮古島にある東京農業大学の最南端キャンパス・宮古亜熱帯農場は、東京ドーム約2個分に相当する9ヘクタール以上の広さを誇る大きな敷地で、いろいろな亜熱帯作物の研究をおこなっています。
そんな同施設で、農業開発実習をおこなう際のカリキュラム担当者でもある中曽根准教授。「(学生たちが)この亜熱帯の気候で農業をする難しさを実感して、作業後には“非常に疲れた”という顔をする学生もいます」と話します。
というのも、「4月下旬あたりでも毎日、夏日以上の気温になります。非常に暑いなかで作業しなければなりませんから、体力的にも非常にしんどいかもしれません」と語ります。
とはいえ、同施設から巣立った卒業生のなかには、実際に海外で国際協力に携わっている人もいたり、特に中曽根准教授が教鞭を執る国際農業開発学科では“国際協力の分野に携わりたい”という学生が非常に多いと言い、「そういった学生たちにとって、日本にいながら亜熱帯下での農業を体験できるというのは、非常に大きな意味があるのではないか」と声を大にします。
ここで川瀬が、学生が卒業した後の進路について尋ねると、「卒業後は、やはり一般企業に就職する学生が一番多いですが、なかには“青年海外協力隊に参加したい”という学生や、最近は教員や公務員を目指す学生も増えてきています。青年海外協力隊に関しては、一般企業を経験した後に、再びそういった分野を目指す人が多いのも、この学科の特徴かもしれません」と中曽根准教授。
また卒業後も、例えば、コンサルティング会社に勤務していた卒業生が、プロジェクトのためにガーナに滞在していたため、中曽根准教授が現地を訪れた際に食事をともにしたり、海外で活躍する卒業生たちと現地で一緒に食事をするなど、「(学生が卒業してからも)そういった関係性が続いているのは、非常にうれしい瞬間です」と目を細めていました。
川瀬は、今回の取材を通じて「宮古亜熱帯農場での体験は、私自身もすごく勉強になって熱くなるものがありました。東京農大を目指して現場修業をする18歳ぐらいの技術練習生がいたり、“世界へ羽ばきたい”という目標を持って、卒論のために4月ぐらいから宮古島に滞在している学生がいたりして、みんな“宮古島がゴール”ではなくて、宮古島からその先にある世界に向かっているんですよね。そこがすごく素敵だなと思いました」と振り返ります。
そして最後に、「学生の皆さんのこれからを、陰ながら一生懸命応援したいと思います!」とエールを送っていました。
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2月27日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)聴取期限 2024年3月6日(水) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:あぐりずむ
放送日時:毎週月曜~木曜 15:50~16:00
パーソナリティ:川瀬良子