青木源太と足立梨花がパーソナリティをつとめ、暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていくTOKYO FMのラジオ番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」(毎週日曜 7:30~7:55)。2月26日(日)の放送では、厚生労働省 企業内人材開発支援室長の和田山純一(わだやま・じゅんいち)さんに、「事業の新たな展開を応援! リスキリング支援」をテーマに話を伺いました。
(左から)青木源太、和田山純一さん、足立梨花
◆リスキリングとは?
リスキリングとは、“リ・スキリング=再び・スキルを習得する”ことで、仕事で新たに必要となる知識や技術を身に付けることを言います。
特に近年、企業では、デジタル技術を活用して業務の効率化を図る技術革新などが進められており、リスキリングによって新しい知識や技術を従業員に学ばせることができれば、企業内で知識や技術を持っている人材を確保できるため、企業としてもメリットは大きいと言えます。
とはいえ、従業員に新しい知識や技術を学ばせるにはコストがかかります。そこで、従業員が職務に関連した専門的な知識や技能を習得するために、事業主が計画的に人材育成をおこなうことを厚生労働省が支援する「人材開発支援助成金」という助成金制度に「事業展開等リスキリング支援コース」という助成金メニューが新たに創設されました。
創設の理由について、和田山さんは、「政府は、リスキリングと成長分野への投資を推進することで、企業の生産性が向上される環境を整備して、さらなる賃上げを生む、という好循環による“構造的な賃上げ”の実現を目指しています。そして、経営の安定や持続的な発展、事業展開をしていくうえで、企業が取り組むリスキリングを支援するために、事業展開等リスキリング支援コースが創設されました」と語ります。
◆「事業展開等リスキリング支援コース」の対象となるのは?
この支援コースの特徴について、「『事業展開』『デジタル・DX(デジタルトランスフォーメーション)化』『グリーン・カーボンニュートラル化』、この3つのいずれかに取り組む事業主を対象に、その人材育成にかかる訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成します」と和田山さん。助成率が非常に高いのも特徴の1つで、中小企業の場合は75%、大企業でも60%で、1事業所の助成限度額は、1年度あたり1億円にもなります。
助成の対象の1つ「事業展開」とは、これまでおこなってきた事業にとらわれず、新たな製品の製造や新たな商品、サービスを提供するなど、新分野に進出することを指します。また、事業や業種の転換や既存事業のなかで、製品の製造方法、商品やサービスの提供方法を変更する場合も「事業展開」にあたります。
「デジタル・DX化」とは、デジタル技術を活用して業務の効率化を図ることや、製品やサービス、ビジネスモデルを変革させることを指しており、企業がDX化を進める場合、「これに関連する業務に従事させるうえで、必要となる専門的な知識や技能を習得させるための訓練の実施などの費用が対象となります」と和田山さん。
例えば、「建設現場における3次元設計などのICT(Information and Communication Technologyの略称、情報通信技術)技術の習得」「ITツールを活用したWeb集客のノウハウの習得」など、企業のDX化に関する人材育成であれば助成の対象となります。
そして、3つ目の「グリーン・カーボンニュートラル化」とは、徹底した省エネ、再生可能エネルギーの活用などにより、CO2などの温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする取り組みで、これに関連する業務に従事させるための人材育成にかかる費用が対象となります。
例えば、「農薬の散布にドローンを導入することによるCO2削減の実施」「風力発電機や太陽光パネルなどの環境に配慮した電力供給システムを導入」などにかかる訓練費用も対象となります。
和田山さんは、「今は、『デジタル・DX化』も『グリーン・カーボンニュートラル化』も多くの企業に求められていることなので、そのために必要な人材育成は、国がしっかりサポートします」と力を込めます。
そして最後に、「リスキリングした人材が力を発揮することで企業価値が向上します。人材育成に取り組む際は、ぜひ人材開発支援助成金『事業展開等リスキリング支援コース』を活用してください」と呼びかけました。
今回の話を聞いて、足立は「最初に話を聞いたときは、中小企業の事業主向けの制度かと思ったけど、従業員にとっても、これからの時代に必要な新しい知識や技術を身に付けることができる、ということが分かりました」と理解が深まった様子。
一方、青木は“リスキリングした人材が力を発揮することで企業価値が向上する”という点に着目。「企業にとって、従業員のスキルが向上することはとても良いことですし、それをサポートする制度があるということ(を多くの企業に知ってほしい)」と話しました。
(左から)青木源太、足立梨花
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聴取期限 2023年3月6日(月) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:青木源太・足立梨花 Sunday Collection
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:青木源太、足立梨花
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/collection/