藤木直人、高見侑里がパーソナリティをつとめ、アスリートやスポーツに情熱を注ぐ人たちの挑戦、勝利にかける熱いビートに肉迫するTOKYO FMのラジオ番組「SPORTS BEAT supported by TOYOTA」(毎週土曜 10:00~10:50)。10月21日(土)の放送は、元ラグビー日本代表の大畑大介(おおはた・だいすけ)さんをゲストに迎えて、お届けしました。
(左から)藤木直人、大畑大介さん、高見侑里
1975年生まれ、大阪府出身の大畑さん。小学生の頃からラグビーを始めると、大学時代には日本代表入りを果たし、1996年のアジア選手権では、初めての代表入りながら、3試合で10トライを決めました。その後も日本のみならず、オーストラリアやフランスのクラブなどで活躍を続け、ワールドカップには1999年と2003年で出場されています。
◆日本ラグビー界が抱える課題とは?
藤木:ラグビーワールドカップ2023 フランス大会では、日本代表は2勝2敗で2大会連続の決勝トーナメント進出とはなりませんでした。この結果について、大畑さんはどう捉えていますか?
大畑:日本がここからどうやって成長しなければいけないかというと、“個を成長させる”という意味で、やはりいろいろな経験をすることが大事だと思うんです。
ストレス下のなかで(練習することで)大きな成長につながると思うので、国内のやりやすい環境でプレーすることも大事ですけど、もう一段階成長するには、自分が経験したことがないところで経験する。
自分自身をもう一度リセットして、より厳しい環境で新しくチャレンジしながら、チームとして活動する、というのは非常に難しい部分だとは思うんですが、こういったシステム作りはすごく大事だと思います。
また僕は“2027年のワールドカップで結果を残そう”というのも大事だけど、それだけではないと思うんですね。日本ラグビー界が、これからどこへ向かっていくのか。大きな指針があるならば、一番大事なのは“育成”だと思うんですよ。
そう考えたときに、大学ラグビーと「リーグワン」は今、レベルの差がかなり出てきているんですよね。とはいえ、帝京大学のように、ものすごくいい選手が素晴らしいモチベーションを持ってプレーしているんですけれども、彼らの目指しているところは“大学ナンバー1”なんですよ。だけど、世界各国の同じ20、21(歳)の選手は、それ以上の場所を目指しているんですよね。
つまり、世界規格と同じ目線を持つことが大事だと思うので、大学生の年代の選手たちが、より高いレベルで経験を積み、より高い環境のなかで(レギュラー)ポジションの獲得を目指すことによって、自分自身のモチベーションも変わるし、普段の生活も変わっていくのかなと思います。そういう環境に身を置き、そういった目線が持てるような組織作りをしていかないと、僕は絶対にダメだと思います。
とはいえ、藤木さんは早稲田大学出身ですけど、早稲田大学のラグビー部ってすごい文化だと思うんです。それをゼロにする必要はないので、そのあたりをうまくハイブリッドすることができれば、素晴らしい環境のなかでラグビーに取り組んでいけると思うので、システムをうまく変えていってほしいなと思います。
藤木:やはり「全国大学ラグビー選手権」って盛り上がりますし、各大学が“大学ラグビー”に重きを置いていると、ほかの活動がなかなか難しいかもしれませんですが、やはり世界が相手となったときに(自身が成長するために)一番大事な年齢だと考えると、もっと違う経験が積める環境があるといいですよね。
大畑:そうですよね。
◆日本ラグビー界がもっと発展していくためには?
大畑:サッカー日本代表がW杯(カタール大会)で大きな成果をあげましたが、その下の世代の活躍もすごいじゃないですか。そういうふうに、個の選手のパフォーマンスを観て“あんな選手になりたい!”と憧れたり、そういう選手のいるチームがさらに活躍することで“あのチームに入りたい!”というモチベーションに変わっていくと思います。
ラグビーも、2015年から本当に多くの成果をあげて、姫野(和樹)キャプテンもワールドカップから帰って来たときに「多くの人が(空港に)来てくれている」と言っていましたけど、少し前までは(ワールドカップから帰って来ても)空港に誰も(ファンが)いなかったんですよ。
でも、今ラグビーをしている選手たちは、それこそ“姫野選手といえばジャッカル”と言われるように、一般的にも顔と名前が一致する選手が数多く出てきたので、これからそういう選手がどんどん“個”を出して、国内でも海外でも活躍できる場が増えていけば、日本ラグビーはもっと発展していくと思います。
なので、個の成長、完全なプロ化、チームとして進むべく方向をしっかり示していくということが、日本のラグビーが発展していく一番大事なところかなと思います。
藤木:そのために僕たちができることは、やっぱり「リーグワン」の試合を観に行って“チームのファンになる”“選手を知る”ということが一番大事なことなのかなと思います。
大畑:そうですね。あとは、できればこういう形で選手たちをいろいろなメディアに出してほしいなと思いますね。
次回の放送は、10月28日(土)です。
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10月21日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2023年10月29日(日) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:SPORTS BEAT supported by TOYOTA
放送日時:毎週土曜 10:00~10:50
パーソナリティ:藤木直人、高見侑里