TOKYO FMの新音声サービス「AuDee(オーディー)」にて配信中の番組「山田玲司とバグラビッツ」。漫画家・山田玲司と俳優・伊澤恵美子が、カルチャーやニュースをもとに“恋愛”を分析していくトーク番組です。2月20日(日)の配信では、「メンヘラ」を取り扱ったコンテンツについて分析しました。

「山田玲司とバグラビッツ」
◆現在使われているメンヘラの“源流”を探る
前回の放送では、「メンヘラ」という言葉がどのような使われ方をしたのかをトークしました。山田は「メンヘラ」を取り扱ったコンテンツがいつから始まったのかを分析します。
山田:女性・男性が「メンヘラ」っぽくなっているキャラクターを調べてみたんですよ。そうしたら、1960年代にもそういったものってなくはないんですよね。漫画「愛と誠」に登場する岩清水君とか。ただ、あれはメンヘラというよりも“純情が暴走”している感じですね。
それがのちにネタ化されている流れなんですよね。心が病んでいる感じではない。1970年代ぐらいからサイコ・オカルト的におかしなキャラクターはたくさん出てくるんですけど、それも今に続くメンヘラではないんですよ。
山田は、1980年代には心が病んでいるキャラクターをメインに据えた作品がなかったともコメント。
山田:「Dr.スランプ」や「うる星やつら」が人気だった時代です。全員が浮かれて過ぎている感じですよね(笑)。

(左から)伊澤恵美子、山田玲司
◆メンヘラの原点は「巨人の星」にあり?
山田は1966年に連載が開始した「巨人の星」にメンヘラの“源流”を感じると語ります。
山田:「巨人の星」は主人公・星飛雄馬(ほし ひゅうま)と父・星一徹の、親子の物語なんですよ。星一徹は戦争中にプロ野球選手だった人で、いろいろあって巨人の星になれなかったんですね。その結果、お父さんはめちゃくちゃ貧乏を経験したわけです。
彼はサードを守っていたんですけども、サードに超有名選手である長嶋茂雄が入ってくる。つまり「巨人の星」は、お父さんが戦争によって挫折して、長嶋っていうスターが現れて、息子にすべてを託して“教育虐待”をする話なんですよ。
山田は、星一徹が星飛雄馬を褒めない点を挙げ、「団塊世代の教育を象徴している作品」だと分析しました。
山田:飛雄馬は「戦争に負けた大人たちが俺たちに戦えと言う。そんなのゴメンだぜ」みたいなことを言うんだけども、お父さんに認められたいから頑張るんですよ。そこから、飛雄馬はボロボロになっていく。
巨人のピッチャーになった飛雄馬が、みんなをクリスマスパーティに招待するんですけど、誰も来ない回があるんです。地獄です。ここから、日本のメンヘラは始まったんじゃないかなと思っています。
戦争を経験した方たちのPTSDが世代間リレーして続いていったんじゃないでしょうか。星飛雄馬という団塊世代の人間の子どもが、時代的にどのキャラクターになるかっていうと、きっと碇シンジ君なんですよね。
<番組概要>
番組名:山田玲司とバグラビッツ
配信日時:日曜22:00配信
パーソナリティ:山田玲司、伊澤恵美子
番組Webサイト:
https://audee.jp/program/show/100000214