TOKYO FMのラジオ番組「ONE MORNING」内でお送りしている「JA共済 presents なるほど!交通安全」。6月6日(金)の放送では、JAF東京支部 認定セーフティアドバイザーの杉本実さんに、雨天時の車運転で注意すべきポイントを伺いました。
※写真はイメージです
◆タイヤの溝の深さに注意
雨の日は、ブレーキを踏んでから車が停止するまでの制動距離が伸びるため、スピードの出し過ぎに注意が必要です。ちなみに、制動距離はタイヤの状態によっても大きく変化します。JAFでは、溝の深さが異なるタイヤを使い、路面が乾いている場合と濡れている場合の2つの条件で、直進中にブレーキを踏んだときの制動距離の違いを計測。なお、使用したのは夏用タイヤで、ここで紹介する制動距離は実験によって得られた平均値です。
【タイヤの溝:新品の状態】
・時速60キロの制動距離
乾いた路面:17.0m
濡れた路面:16.7m
・時速100キロの制動距離
乾いた路面:47.5m
濡れた路面:47.6m
【タイヤの溝:新品の半分の状態】
・時速60キロの制動距離
乾いた路面:16.3m
濡れた路面:16.7m
・時速100キロの制動距離
乾いた路面:44.1m
濡れた路面:50.8m
【タイヤの溝:新品の5分の1の状態】
・時速60キロの制動距離
乾いた路面:15.8m
濡れた路面:18.0m
・時速100キロの制動距離
乾いた路面:42.6m
濡れた路面:70.5m
タイヤの溝が摩耗していると、濡れた路面で速やかに停止することが難しくなります。一般的に残っている溝の深さ4mm以下が夏タイヤの寿命といわれており、たとえ溝が残っていても、使用開始後5年が経過したら交換が推奨されています。残っている溝の深さが1.6mmになると「スリップサイン」と呼ばれるマークが表示されます。1箇所でもスリップサインが出たタイヤは、道路交通法で装着・使用が禁止されています。
※写真はイメージです
◆雨の日は視界の悪さに注意
雨天時に運転する際、ドライバーは視界の確保に気をつける必要があります。「雨の日は、ワイパーによる拭き残しやドアガラス、ミラーに付着する水滴が原因で死角が増えることがあります」と杉本さん。体を動かして、目視で死角に危険が隠れていないかを確認しましょう。
また、雨の日はフロントガラスがくもる場合がありますが、ガラス面の内側を清潔に保つことでくもりにくくなります。薄めた中性洗剤を染み込ませたタオルでガラス全面を拭いた後、乾いたタオルでしっかり乾拭きしてください。「市販のくもり止めスプレーを使うと、くもるのを防ぐ効果が期待できます。ワイパーは消耗品ですので、定期的な交換をおすすめします」と説明。交換時期はワイパーゴムが“半年~1年ごと”、ワイパーブレイドは“1~2年ごと”が推奨されています。
◆雨の日は“音”にも注目
雨天時はドアガラスを閉めての走行となるので、雨が車のボディーに当たる音やワイパーの音などで車外の音が聞こえにくくなりがちです。そのため、杉本さんは「カーステレオの音量を控えめにしたり、必要な場所に応じてドアガラスを少し開けるなどの配慮をおこないましょう」と呼びかけます。
自転車の横を通過する際は、自転車側が、雨合羽のフードによって周囲の音が聞こえにくくなっている場合があり、車の接近に気づいていない可能性があるので十分に気をつけましょう。
台風や大雨の際は、急な道路の冠水や川の増水が発生しやすくなります。大雨に遭遇した際は、川沿いや海岸沿い、高架下、立体交差のアンダーパスなど、周囲より低い場所には絶対に進入せず、迂回するようにしましょう。
道路が冠水していた場合、見た目だけでは水深を測ることができません。そのまま進入してしまうと、予想以上に深かった場合、エンジンが停止して立ち往生する可能性があるので気を付けましょう。
<番組概要>
番組名:JA共済 presents なるほど!交通安全
放送日時:毎週金曜 7:20~7:27