笹川友里がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「DIGITAL VORN Future Pix」(毎週土曜 20:00~20:30)。この番組では、デジタルシーンのフロントランナーをゲストに迎え、私たちを待ち受ける未来の社会について話を伺っていきます。7月6日(土)の放送は、
前回
に引き続き、旭化成株式会社 取締役 副社長執行役員の久世和資(くせ・かずし)さんをゲストに迎え、お届けしました。
(左から)久世和資さん、笹川友里
久世さんは、1987年に日本IBM入社。東京基礎研究所にてプログラミング言語やソフトウェアエンジニアリングの研究領域をリード。2005年に執行役員に就任した後、システム開発研究所長、サービスイノベーション研究所長、未来価値創造事業部長などを歴任し、2017年より最高技術責任者(CTO)に。そして、2020年7月に旭化成に入社し、2024年4月より現職に就任。研究・開発、DX(デジタルトランスフォーメーション)を統括しています。
◆旭化成が求める“デジタル人材”とは?
今回は旭化成の“デジタル人材”の取り組みについて伺うことに。久世さんは「1つは全従業員が“デジタル人材”になること。それを当社では“デジタル活用人材”と呼んでいますが、デジタルを道具立てとして、困ったときや好きなときに自由に使いこなせて活用できる人(を育てていく)」と話します。
もう1つは“デジタルプロフェッショナル人材(以下、プロ人材)の育成”です。久世さんによると“今年度末までに2,500人(のプロ人材の確保)”を目標にしていると言い、「我々デジタル共創本部自体が大きくなるのではなくて、現場側、事業の現場や工場の現場で、プロ人材がデジタルを手段やきっかけとして、自分たちの職場の変革、事業の変革、ビジネスの変革、それらをリードしてもらうような人材(を育てたい)」と胸を張ります。
AI(人工知能)やIoT(Internet of Things/モノのインターネット)など、デジタルの技術に長けた人材は現在でもある程度は在籍していますが、久世さんの言うプロ人材とは“現場を変革していくリーダー”も担っていると言い、「例えば、ビジネスのデザイン力やコミュニケーション力、リーダーシップ、いろいろな人を巻き込む力……そういった(能力を持つ)人材に、現場主導で変革を進めていってもらいたい。とはいえ、そういう人材育成はなかなか難しいですが」と言及します。
◆現場をデジタルのプロ集団にするべく注力
“今年度末までにプロ人材を2,500人”という目標を達成するには、現在、現場にいる人材の育成も急務となります。ここで久世さんは「デジタルに長けた人に現場業務をイチから教え込むのと、現場業務に長けた人がデジタル力を身に付けていくのでは、私はいつも“後者の方が大事だ”と強く言っています。現場での経験値、ノウハウやスキルはなかなか簡単には習得できませんが、道具立てのデジタルは、あとからでも身に付きやすいと思うんです」と持論を展開。
これを受けて、笹川が「そうなると(旭化成が求める人材は)とにかく仕事に意欲があって気概があり、真摯に向き合っていらっしゃる方に、後天的にデジタル力を身につけるということでいいのでしょうか」とまとめると、久世さんは「はい。そのほうが絶対に早く変革が進みますし、(会社が)強くなると思っています」と明言します。
最後に“今後、挑戦したいこと”について尋ねると、久世さんは「
前回の放送
でもキーワードとして挙げていた“多様性”だったり、境界を越えてつながり、共に創造する“共創”というところですね。そのレベルをもっと上げて、社内だけでなく企業の壁を越えて価値を共創していきたいと思っています」と力を込めていました。
次回7月13日(土)の放送は、株式会社カケハシ 代表取締役社長 中尾豊(なかお・ゆたか)さんをゲストに迎えてお届けします。ITで薬局に変革をもたらす取り組みなど、貴重な話が聴けるかも!?
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7月6日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)聴取期限 2024年7月14日(日) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:DIGITAL VORN Future Pix
放送日時:毎週土曜 20:00~20:30
パーソナリティ:笹川友里