モデル・タレントとして活躍するユージと、フリーアナウンサーの吉田明世がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「ONE MORNING」。6月9日(木)放送のコーナー「リポビタンD TREND NET」では、「SNSきっかけの消費者トラブル増加、その実態と注意点」について取り上げました。
※写真はイメージです
政府は6月7日(火)、2022年度版「消費者白書」を閣議決定しました。去年1年間に全国の消費生活センターなどに寄せられた相談のうち、「SNSをめぐるトラブル」は約5万件で、前年から1万件ほど増加したことが分かりました。そのなかでも、20代の若者からの相談が最多となっています。
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ユージ:「消費者白書」によると、SNSでのトラブルは増えて、逆に通信販売でのトラブルは減っているそうです。
本日は、情報社会学がご専門の学習院大学 非常勤講師、塚越健司さんにお話を伺いたいと思います。塚越さんは、こちらのニュースをどう思われますか?
塚越:2020年は、コロナを背景に通信販売のトラブルが一気に増えました。それに比べると、今回の「消費者白書」に出ている数字(通信販売のトラブル件数)は減りましたが、それでも2019年に比べると、まだトラブルは多いです。
気になるのは、SNSに関するトラブルです。2019年、2020年、2021年とずっと増えています。「消費者白書」によりますと、(副業などのもうけ話を)「チャンスと感じたら逃したくない」と回答した人は、全体のアンケートでは5割くらいですが、(年代別では)10代、20代が7割を超えています。
また、美容商品などのトラブルも増えています。自己肯定感が低い人や、コロナ禍でコミュニケーションに飢えている人が被害者になりやすいようです。SNSを通じて、不安な気持ちに付けこむ形の詐欺などの問題があると考えられます。
吉田:これまでにも迷惑メールや、インターネットを通した消費者トラブルはありましたが、SNSでのトラブルが増えた理由について、携帯やスマートフォンに詳しいITジャーナリスト・三上洋さんにもお話を伺いたいと思います。
三上:今、若者はSNSをベースにしてインターネットを使っています。「メールは見ません」「Webサイトや検索サイトも使わないです」という人が多いです。なので、犯罪グループや詐欺集団は、SNSを利用したほうが“騙す相手を見つけられる”ということなんです。
迷惑メールやフィッシング詐欺は、基本的には“ばらまき型”です。たくさんの人に送って騙された人がいたら、そこからお金を騙し取る手口です。
それに対してSNSの場合は、個人などのアカウントでおこないます。例えば、著名人のSNSアカウントを乗っ取り、その著名人のSNSアカウントの信用度を利用して、詐欺サイトへ誘導するなど。
それからハッシュタグ検索。SNS上で情報検索している人も騙すことができるということです。
ユージ:具体的には、どんなトラブルが多いのでしょうか?
塚越:いろいろあるのですが、若者が特に注意しなければならない3つのポイントがあります。
1つ目は「SNS上の広告」。これはインターネット通販につながっていくトラブルですが、そのきっかけがSNSです。例えば、SNSに「○○が良かった」のような体験談を添えて、あるページを紹介していたりします。そのページに行くと「初回限定1,000円」と書かれていて、その他の長文の説明文などを読んで1回契約してしまうと、簡単に解約できないケースもあります。
特にコロナ禍以降、気を付けなければならないのが2つ目「SNSで知り合った相手からの誘い」です。例えば、SNS経由で、いろんな話がまわってくることがあります。「転売ビジネスで儲けられますよ!」のような文言のダイレクトメッセージが届いて、ただ、それを始めるには「初期投資のために数万円を振り込んでください」などと言われて入金すると、返事がこない。メッセージを送って連絡を取ろうとしても、既にアカウントが削除されていて、どうしようもない、ということがあります。
最近ニュースで「持続化給付金詐欺」などが問題になっていますが、気軽に儲けられる話だと思って相手に従ったら、実は「詐欺の加害者になってしまった」といったこともあるので、注意しなければなりません。
そして、最後3つ目は「SNSで知り合った相手との個人間取引」。よくあるのが、SNSで「○○のコンサートチケット余っています」のような投稿をしている人がいて、その人にメッセージを送ってやり取りをして話が盛り上がり、「じゃあ○○円でチケットを譲るよ!」と言われて入金してもチケットが届かない。その後、アカウントが削除されていた……ということも。
SNSがきっかけで、このような詐欺に遭ってしまうことがあるのです。
ユージ:このような詐欺には、どのような点に注意すべきでしょうか?
塚越:やはり「やり取りをする相手が実名かどうか」を確認することです。ただ、実名でSNSをやっている人はあまりいないと思いますので、「フォロワー数」や「他のフォロワーとどのようなやり取りをしているか」など、相手のアカウントをよく見ることです。
「ちょっとおかしいな……」と思ったら、消費者生活センターに相談してください。気付くのが早ければ、契約解除や、トラブル解消も早く対処できると思います。
大人もそうですけど、特に若い人は、社会経験がまだまだ浅いというところもありますし、そのあたりをいろいろと気を付けていただければいいのかなと思います。
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消費生活における各種トラブルに直面した際は、「消費者ホットライン」にご相談ください。
消費者ホットライン:電話番号「188(いやや)」
※「いやや(188)泣き寝入り!」と覚えてください
地方公共団体が設置している身近な消費生活センターや消費生活相談窓口をご案内します。
また、「国民生活センター」のWebサイトでは随時情報を発信していますので、こちらも確認してみてください。
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聴取期限 2022年6月17日(金) AM 4:59 まで
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番組名:ONE MORNING
放送日時:毎週月~金曜6:00~9:00
パーソナリティ:ユージ、吉田明世
番組Webサイト
https://www.tfm.co.jp/one/