放送作家・脚本家の小山薫堂とフリーアナウンサーの宇賀なつみがパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「日本郵便 SUNDAY’S POST」(毎週日曜15:00~15:50)。9月10日(日)の放送は、老舗煎餅屋「銀座 松﨑煎餅」八代目店主の松﨑宗平(まつざき・そうへい)さんをゲストに迎えて、お届けしました。
(左から)小山薫堂、松﨑宗平さん、宇賀なつみ
◆来年で220周年を迎える老舗中の老舗
1804(文化元)年創業で、来年には220周年を迎える「銀座 松﨑煎餅」。現在45歳の松﨑さんが八代目として代表取締役社長に就任したのは、2018年5月のことでした。
その2~3年前から代表取締役副社長として手腕を振るい、代表権のある立場としていろいろと判断をしやすかったこともあり、「社長になってもあまり変わらないだろうと思っていた」と言います。
しかし、いざ代表取締役社長になってみると「全然違っていました。やっぱり父の存在があるかないかはすごく大きかったんですよね。実際に代表取締役社長になって、楽しいのと頑張らないといけないという気持ちがすごくありますね」と実感を語ります。
八代目となってしばらくしてコロナ禍となり、そのときは「銀座から本当に人がいなくなってしまった」と松﨑さん。そんなコロナ禍真っ只中だった2021年7月、銀座5丁目から4丁目に本店を移し、装いも新たに屋号を「MATSUZAKI SHOTEN」に変更しました。
八代目として、新しい商品開発よりもまず先に「そこからの改革が大きかったですね。まずは店を移すという判断を早々にしましたし、改めてどういったものを作りたいのか、今まで自分たちはなぜここまで商売が続けられたのかを見直すいい機会だったと今は感じています」と振り返ります。
ここで小山からは「お煎餅は、そもそも日本人はいつ頃から食べているんですか?」との質問が。松﨑さんによると、文献的には平安時代に“煎餅”という文字はあったそうですが、「ただ、それが今のお煎餅とは違うみたいなんです。実際、中国にも“煎餅”という字で“チェンピン”というお菓子があるみたいですが、それもやはり日本の煎餅とは全然違うみたいなんです。その流れから小麦のお煎餅が出来てきて、その切り替わりのタイミングはいまいちわからないんですよね。ただ、お米の煎餅よりは小麦の煎餅のほうが発祥が古いんです」とその歴史について語ります。
また、この日松﨑さんには、スタジオに「銀座 松﨑煎餅」の商品をいくつか持参してきていただきました。商品を手に、宇賀は「いわゆる、お煎餅というのとはちょっと違うというか、本当にかわいらしかったり、おしゃれだったりしますね」と率直な印象を語ります。
tupera tupera とのかわいいコラボ煎餅
小山と宇賀がともに目を引いたパッケージのデザインについては、2019年にすべてリニューアルしたという松﨑さん。なかにはラベルのデザインを自ら手がけたものもあるそうです。
宇賀が「(パッケージが)おしゃれなので、お煎餅って思わないですよね。食べて途中でも(封を)閉められるのがいいですね」と評すると、松﨑さんは「ジップがついているので、ご自宅用で好きなタイミングに開けて、好きなタイミングで食べるというシーンを狙って作っています」と胸を張ります。
それは松﨑さんいわく、10年越しでずっと作りたいと思っていて「今年やっと商品として出せた」という柿の種で、早速口に運んだ宇賀は「おいし~い! 本当にバリッバリで軽くて……これ、好き!」と絶賛。
松﨑さんは「もち米のおいしさを本当に楽しんでもらえるような柿の種を、皆さんが知っている形でお届けするのが結構問題が多くて……」とその苦労を吐露。「米の香りを楽しむために化学調味料を使わず、薄めの味つけにしています。今はちょこちょこと銀座のバーなどにご提供させていただいています」と話します。
もち米100%、化学調味料未使用の「松﨑さんちの柿の種」
そのほか、持参していただいた瓦煎餅についての説明も。「うちはずっと瓦煎餅を作っています。私の曽祖父のときに煎餅に絵を入れることを始めたらしいんですよ。煎餅って季節感がないので、季節感を出すために花鳥風月を描くというので絵を入れ出したんです。でも近年、私が入社して以降、瓦煎餅の売り上げがすごく落ちてしまって、全体の5%ぐらいになっていたんですね。弊社のルーツ的な商品なので、もっとお客さんに食べていただきたいと思って、いろいろな絵を入れるようになりました。さらにお客様からご注文いただいた絵柄にも応えられるようにして、今30%くらいまで売り上げが出るようになりました」と松﨑さん。
そんな瓦煎餅を手に、「このイラストが本当にかわいいんですよね、カラフルでポップでね」と小山。宇賀も「色も本当にきれいですし。カエルちゃんとか、パンダちゃんとか」「何かの記念のときにもいいですね」と目を輝かせていました。
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9月10日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)聴取期限 2023年9月18日(月・祝) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:日本郵便 SUNDAY’S POST
放送日時:毎週日曜 15:00~15:50
パーソナリティ:小山薫堂、宇賀なつみ