山崎怜奈(れなち)がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組
「山崎怜奈の誰かに話したかったこと。(ダレハナ)」
(毎週月曜~木曜13:00~14:55)。4月21日(月)の放送は、作家の金原ひとみ(かねはら・ひとみ)さんが登場。4月10日(木)に発売された新刊「YABUNONAKA―ヤブノナカ―」(文藝春秋)について伺いました。
(左から)パーソナリティの山崎怜奈、金原ひとみさん
◆金原「やり切った感はありました」
れなち:金原さんがダレハナにご出演いただくのが、なんと約3年半ぶりと……。
金原:そうなんですよね、ずいぶん経っていました(笑)。
れなち:この3年半で、何か変化はありましたか?
金原:はい、昨年に離婚が成立しました(笑)!
れなち:あっ、お疲れさまでした!
金原:ありがとうございます(笑)!
れなち:(離婚が成立するまで)大変でしたか?
金原:大変でした。でも今はすごく幸せです!
れなち:何か自分にご褒美をあげたりしましたか?
金原:「おめでとう会」をいろんな人に開いてもらって、めちゃくちゃお酒を飲みました(笑)。
れなち:祝賀会(笑)。でも、自分が成し遂げたかったことをちゃんと遂行されたわけですから、お祝いですものね。
金原:そうですね、やり切った感はありました。
◆最新作「YABUNONAKA―ヤブノナカ―」制作裏話
れなち:最新作「YABUNONAKA―ヤブノナカ―」は、熟年離婚、毒親、性的搾取、SNS炎上など、さまざまな社会問題を年代や性別が異なる8人の視点から描く群像劇です。
2年前から文芸誌「文學界」(文藝春秋)で連載している作品で、私も読ませていただきましたが、面白かったですし、ちょうど今の世の中に刺さってくる巡り合わせがありますよね。
金原:書き始めたときは、ここまで告発などの問題が盛り上がり続けるとは思ってもいなかったので、自分でも驚いています。
れなち:しかも、舞台が金原さんもいる出版界で、結構エグい内容でしたし、(作品に出てくるような人物が)ご自身の周りにもいるのではないかと思いますが、書いていて体調が悪くなったりしなかったですか(笑)?
金原:当時は自分のなかに溜まっていたドス黒いものがあって、それを出さないことにはどうにもならないっていう状況でもあったので、逆に出さないと体調が悪くなっちゃうみたいな(笑)。
れなち:“世間に伝えたい”というよりは、自分のために書いていたところもあった?
金原:そうですね。この(ドス黒い)塊を抱えて生きていくのは無理だったので。
れなち:(本編では)8人の登場人物がいろいろな角度から同じ性加害にまつわる出来事の話をしていて、目線や主語が変わるだけでこんなに見え方が違うんだなって思いました。
金原:10~50代の男女のさまざまな視点から性加害の問題をみて、“こんなにも見え方が違うのか”“重みがこんなにも違うのか”というのが伝わる形で書いていこうと思って、この構成にしました。
れなち:その視点の置き方と言いますか、登場人物が出てくる順番の組み方は、書いていくなかで追加したり、変えていった部分もあります?
金原:もっと若い人の視点で上の世代をエグらないとダメだなとか、(物語を)描き切るためにはもっと人数が必要だなと思って、最終的に8人になりました。
れなち:しかも、いろいろな目線があるなか、絶対悪の立場で描かれている人がいないですよね。
金原:そうなんです。“この人は、この視点から見るとそこまで悪くないけど、この視点から見ると凶悪に見えてしまう”といった多元的な人間の難しいところも描きたくて。
れなち:そういうところは、頭の片隅におきながら人と接したりするのですか?
金原:“1人から聞いた話だけで決めつけないように”とは考えています。例えば、ケンカをしているカップルがいて、その両方からヒアリングしてみたら、全然違うストーリーがあったりすることもよくあるので(笑)。
れなち:「YABUNONAKA―ヤブノナカ―」を読んだ人々からの反応はどう感じていますか?
金原:“思い通りに伝わってくれた”という人もあれば、“意外と伝わらない人もいるんだ”と思ったり、いろいろあるんですけど。今のごちゃごちゃしている世の中で、この本が出せて本当に良かったなと思います。
----------------------------------------------------
4月21日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2025年4月29日(火・祝) AM 4:59まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。
----------------------------------------------------
<番組概要>
番組名:山崎怜奈の誰かに話したかったこと。
放送日時:毎週月~木曜 13:00~14:55
パーソナリティ:山崎怜奈