TOKYO FMグループの「ミュージックバード」が制作し、全国のコミュニティFMで放送中のラジオ番組「デジタル建設ジャーナル」(毎週日曜 15:00~15:55)。建設経営の伴走型AI/DX共創により、全国の中小工事会社の経営課題解決を支援するクラフトバンク株式会社が、全国各地で活躍し、地域を支える建設業の方をゲストにお迎えするインタビュー番組です。建設業界の魅力と可能性を、全国のリスナーへ広く伝えます。
今回の放送では、北海道函館市を拠点とする株式会社森川組(以下、森川組)に注目。代表取締役社長の森川明紀(もりかわ・あきのり)さんをゲストに招き、大切にしている企業姿勢や、DXの取り組みについて話を伺いました。
(左から)株式会社森川組 代表取締役社長 森川明紀さん、パーソナリティのクラフトバンク株式会社 金村剛史
◆地域に根ざし「心で繋がる」企業を目指して
森川組は、土木・建築工事を手がける総合建設会社です。創業は1892年で、130年以上の歴史を持ちます。現在は、38歳の6代目・森川明紀さんが会社を担っています。
函館北斗駅や函館空港など、地域の玄関口となる施設の工事にも携わってきた森川組。その歩みを支えてきた「信頼と実績」をもとに、森川さんは「地域に根ざし、心で繋がる企業」でありたいと考えています。
その背景には、現会長である父親から受け継いだ「お客さまには心を売れ」という教えがあります。社員にも伝えられてきた言葉で、「結局、自分たちが一番信頼されるためには、お客さまと心で繋がらないと意味がない」と、その真意を語ります。
森川さんが「心を売る」うえで大切にしているのは、「誠実であれ」という姿勢です。建設会社にとって100万円規模の工事が大きな仕事ではなかったとしても、お客さまにとっての100万円は決して小さな金額ではありません。「たとえば部屋の壁紙を変えるだけであったとしても、お客さまからしたら100万円もかけて依頼をしているわけです。どんな工事であっても、全力でやるのが“心を売る”ことだと教わりました」と、森川さんは先代から受け継がれている教えを紹介しました。
◆災害時に実感した建設業の使命とやりがい
森川さんがご自身の仕事を振り返ったときに特に印象に残っているのが、2018年に北海道で発生した胆振東部地震です。当時、函館駅前で電柱を地中に埋める土木工事を夜間におこなっており、地震が発生したのは午前3時頃でした。
停電によって信号がすべて止まったため、現場では作業を中断。警察が到着するまでの間、作業員たちが現場に立ち、信号の代わりとなる交通整理をおこないました。報道などを意識したものではなく、災害が起きたときに「とっさに動ける」という建設業の姿を目の当たりにした森川さんは、「建設業のかっこよさは、こういうところではないか」と感じたそうです。
こうした経験を通して実感したのが、建設業ならではの仕事の魅力です。森川さんは、「絶対的に形に残る仕事なんですよ」と話します。建築は建物として、土木は道路などのインフラとして街に残り、完成した道路は地図にも反映されていきます。自分たちの仕事が街の姿をつくり、地図を更新していく。そうした街づくりの一役を担えることに、建設業ならではのやりがいを感じていると語りました。
(左から)株式会社森川組 代表取締役社長 森川明紀さん、パーソナリティのクラフトバンク株式会社 金村剛史
◆現場の声から始まる森川組のDX
DXの取り組みについては、建設現場そのもののデジタル化だけではなく、社員が働きやすい環境づくりにも目を向けています。建設業界では、重機の自動化や3D図面、ドローンによる測量など「i-Construction」と呼ばれる取り組みが進んできました。一方で森川組では、現場の負担となっていた書類業務などの効率化にも着目しています。
そのきっかけの1つとなったのが、約2年前に始めた「業務効率化会議」です。会議は50代以下の社員を中心に、営業、土木、建築など各部門からメンバーが参加。通常業務と兼務しながら月1回のペースで意見を出し合っています。森川さんは「みんなが思っていても、意見交換できる場がなかった」と立ち上げの背景を説明します。
会議では、現場で感じている不便や改善してほしいことを率直に話し合います。特に役員がいない場だからこそ、「今ある問題はこんなことで、上の人たちはやりにくくなるかもしれないけど、自分たちで変えよう」と、社員が主体的に改善策を考えられるようになりました。
実際に、ここ数年でグループウェアの導入やサーバーのクラウド化を進めています。これまで現場から本社へ書類を送ったり、印刷したものを持参したりしていた業務をオンラインで完結できるようにしたほか、各種申請もネット上でおこなえるようにしました。現場の声を起点に、日々の仕事の進め方を少しずつ変えています。
さらに、今後に向けて森川さんが必要性を感じているのが、社内のデジタル人材です。「社内SEって今、すごく必要だと思うんですよ」と話し、DXを進めていくためには、デジタルの専門性を持ち、社内で適切に判断できる人材が欠かせないと指摘します。実際、さまざまなソフトの営業を受けても「どれが最適かわからなかった」という経験がありました。今後は専門的な知識を持つ人材を採用・育成し、メリット・デメリット両方説明できるような体制を整えていく考えです。森川組では、現場に寄り添うことを軸に、働き方そのものを変えていくDXを進めています。
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音声版「デジタル建設ジャーナル」
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<番組概要>
番組名:デジタル建設ジャーナル
放送日時:毎週日曜 15:00~15:55
パーソナリティ:金村剛史・中辻景子・田久保彰太・津吉沙織里(いずれもクラフトバンク株式会社)