TOKYO FMのラジオ番組「ONE MORNING」内でお送りしている「JA共済 presents なるほど!交通安全」。3月21日(金)の放送テーマは、「横断歩道の安全利用」について。自動車ライターの近藤暁史(こんどう・あきふみ)さんから、横断歩道の交通ルールや運転者側が注意すべきポイントについて伺いました。
※写真はイメージです
◆横断歩道の交通ルールを覚えよう
警察庁によると、令和元年から令和5年までの5年間で自動車と歩行者が衝突した交通死亡事故は4,435件。そのうち、3,079件は歩行者が横断中の事故で、その35%にあたる1,086件が横断歩道で起こっています。利用する側も車を運転する側も、交通事故に遭わない・起こさないように横断歩道の交通ルールを知っておく必要があります。
横断歩道が近くにある場合、歩行者は必ず横断歩道を渡ってください。横断歩道の近くを横断する行為は禁止されています。渡るときは縞模様になっているラインの上を歩きましょう。
また、横断歩道がなくても、信号がある交差点がある場合はそこを渡ります。近くにどちらもなく、さらに、歩道橋や地下道もない場合は道路を横断していいと規定されていますが、斜め横断や渋滞している車の前後・隙間から抜けていくような横断は禁止されています。近藤さんは「細かいと感じるかもしれませんが、歩行者の安全を考えたうえでの規定なので、きちんと守るようにしましょう」と呼びかけます。
◆歩行者用信号の点滅時間を正しく知ろう
歩行者用信号には、青から赤に変わる前に点滅時間があります。道路交通法では、歩行者用信号機が青信号で点滅しているとき、歩行者は道路の横断を始めてはいけません。そして、横断中の場合は速やかに横断を終えるか、引き返さなければならないと規定されています。
そうした規定から、歩行者用信号の点滅時間は短めの設定になっています。これは、多くの歩行者用信号が、点滅中に道路の半分を渡れるくらいの時間に設定されているので、点滅してから横断を始めると、渡りきらないうちに赤になってしまいます。歩行者用信号の点滅時間の横断ルールを正しく知っておきましょう。
※写真はイメージです
◆自転車が横断歩道を渡るときの注意点
次に、自転車と横断歩道利用について。横断歩道を自転車に乗って歩行者と一緒に横断する場合、ルール上NGというわけではありませんが注意が必要です。
道路交通法では、歩行者の通行を妨げないことが求められていて、歩行者の邪魔になってしまう場合は自転車を降り、押して渡らなければいけません。さらに、自転車横断帯がある場合は、そこを通行する必要があります。法律的に自転車は軽車両扱いです。横断歩道の利用も、歩行者に準じたものではないことを意識して横断してください。
※写真はイメージです
◆横断歩道を渡ろうとする人がいたら一時停止
最後に、車を運転しているときの横断歩道の注意点です。まず、信号のない横断歩道を渡ろうとしている人がいたら、必ず停止線で一時停止しましょう。一方、横断歩道がないところを歩行者が渡ろうとしている場合、車で走行している道路のほうが幅が広い優先道路なら停まらなくても大丈夫です。「ただし、渡ろうとしている人がいることを意識して通過することが大切です」と近藤さんは補足します。
なお、横断歩道や自転車横断帯の30メートル手前からは、追い越しや追い抜きは禁止。横断歩道や交差点の前後5メートルのなかは駐停車禁止です。交通事故の要因を作らないために、こうしたルールはきちんと守りましょう。
暖かい春を迎えて徒歩や自転車などで外出する頻度が増えていきます。歩行者、自転車利用者、車のドライバー、それぞれの立場で横断歩道での事故が起きないように気を付けましょう。
<番組概要>
番組名:JA共済 presents なるほど!交通安全
放送日時:毎週金曜 7:20~7:27