TOKYO FMのラジオ番組「ONE MORNING」内でお送りしている「JA共済 presents なるほど!交通安全」。9月13日(金)、20日(金)の放送では「秋の全国交通安全運動期間」をテーマに、2024年上半期の交通事故の傾向、事故防止のために押さえておくべきポイントを伺いました。この記事では13日の放送内容を紹介します。
※写真はイメージです
9月21日(土)~30日(月)の10日間、「令和6年秋の全国交通安全運動」が実施されます。交通ルールの遵守と正しい交通マナーの実践を習慣付けるとともに、道路交通環境の改善に向けた取り組みを推進することにより、交通安全思想の普及・浸透、交通事故防止の徹底を図ることを目的としています。
◆飲酒した65歳未満の歩行者の死者数が増加
2024年上半期の交通事故死者数は1,182人となり、前年同期比1人増となっています。また状態別で見ると、自動車、二輪車、自転車乗車中は、それぞれ数人減少しましたが、歩行者は29人増加しました。
<交通事故状態別死者数>
歩行中:445人
自動車乗車中:399人
二輪車乗車中:204人
自転車乗用中:132人
歩行中の死者数は3年連続で増加しています。特に夜間の時間帯に、飲酒した65歳未満の歩行者が横断歩道以外を横断しているときや路上横臥事故(道路に横たわっている状態でひかれてしまう事故)による死者数の増加が目立っています。
自転車乗用中の死者数は減少傾向ですが、自転車側に法令違反がある事故は約7割から8割程度で高止まりしています。近年は、自転車の利用者が携帯電話などを使用していたことによる死亡・重傷事故が増加傾向にあります。また、75歳以上の高齢運転者による死亡事故件数は10件に減りましたが「ブレーキとアクセルの踏み違い」による事故は 前年同期比で約2.9倍という結果になりました。
続いて、警察庁 交通局 交通企画課 安全係の久米川智昭さんから令和6年秋の全国交通安全運動における3つの重点ポイントを伺いました。
1:反射材用品等の着用推進や安全な横断方法の実践等による歩行者の交通事故防止
2:夕暮れ時以降の早めのライト点灯やハイビームの活用促進と飲酒運転等の根絶
3:自転車・特定小型原動機付自転車利用時のヘルメット着用と交通ルール遵守の徹底
今回は「反射材用品等の着用推進や安全な横断方法の実践等による歩行者の交通事故防止」について詳しく説明します。
◆歩行者は車に気付かれやすい工夫をしよう
日没が早まってくる今の時期、反射材用品やLEDライトは歩行者にとって自分の身を守るための必需品です。夕方から夜間に屋外を歩く場合は、年齢層に関わらず、反射材・LEDライトを身に着けるほか、明るくて目立つ服を着用するのが効果的です。道路を横断する際は“信号に従って横断歩道を渡る”といった基本的な交通ルールを守ってください。歩きながらスマートフォンを見たり、操作したりすることはやめましょう。
高齢者は、加齢に伴って身体機能が変化していることを意識することも大切です。例えば、横断歩道ではない道路を“車が来る前に横断できる”と思っていても、道路を渡り切る前に車が自分に到達してしまうこともあります。加えて、お酒を飲んでいるときは判断や行動が鈍くなるため大変危険です。改めて久米川さんは「まずは“横断歩道を渡る”“自分の動きを過信しない”を意識して、ご家族の方も機会があるときに注意を促してください」と呼びかけます。
そして、子どもを持つ保護者の方は、毎日の生活や教育の場で子どもが道路を正しく横断できるように、また、自らの安全を守るための交通行動を取れるように繰り返し話して聞かせてください。
そして、一緒に街を歩いているときは実践して見せてあげてください。子どもが命を落とす事故は減少傾向にありますが、決してゼロではありません。子どもが安全意識を自発的に持つことで危険回避にもつながります。
<番組概要>
番組名:JA共済 presents なるほど!交通安全
放送日時:毎週金曜 7:20~7:27