青木源太と足立梨花がパーソナリティをつとめ、暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていくTOKYO FMのラジオ番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」(毎週日曜 7:30~7:55)。5月21日(日)の放送では、国土交通省 自転車活用推進本部事務局次長の金籠史彦(かねこ・ふみひこ)さんに、「自転車って『いいね!』GOOD CYCLE JAPAN!」をテーマに話を伺いました。
(左から)青木源太、金籠史彦さん、足立梨花
◆「GOOD CYCLE JAPAN」とは?
今回のテーマである「GOOD CYCLE JAPAN」について、金籠さんは「『みんながもっと自転車に乗れば、日本に“幸せ”の良い循環が起こる』ということを理念に、主に“環境”“健康”“観光”“安全”という4つの分野で、自転車の活用を日本中のみんなで推し進めていく取り組みの総称です」と解説します。
日本では、2016年に「自転車活用推進法」が公布されました。自転車に関する法律というと、これまでは放置自転車問題など個別の課題への対処、または、道路交通法などの規制に関する法律が主でしたが、金籠さんは「この法律は、自転車の優れた特性を評価し、積極的に自転車を活用していこうとする画期的な法律」と説明。
この法律や、それに基づく「自転車活用推進計画」により、国や地方自治体、企業、民間団体などが一団となって自転車の活用を推し進めています。具体的には、次の4つの目標を掲げています。
1.自転車を活かす“まちづくり”
道路上の自転車通行空間の整備やシェアサイクルの普及など、自転車を利用する環境を整えて、自転車がより快適で安全に活用されるまちづくりを進めていこうというものです。
2.サイクルスポーツの振興による健康長寿社会の実現
サイクルスポーツを通じて、誰もが健康でいられる豊かな社会の実現を目指します。また、競技スポーツやレジャー、日常生活での利用も含めて、自転車の利用を“生涯スポーツ”と捉え、その普及を進めることによって、心身の健全な発達や生きがいのある豊かな生活の実現、健康寿命を伸ばすことを目指します。そのために、国際規格に合った自転車競技施設の整備や自転車通勤の促進などに関する取り組みが定められています。
3.自転車事故のない安全で安心な社会
自転車に関する交通安全教育をさらに推し進め、自転車利用者が交通ルールを守り、歩行者も自動車の特性や交通ルールを理解したうえで尊重し合い、安全で安心な交通環境をつくり出すことによって、自転車交通事故ゼロの社会を目指します。
この実現に向けては、学校などにおける交通安全教室の開催や、もしもの場合に備え、自転車損害賠償責任保険などへの加入促進なども進めていくこととしています。
4.サイクルツーリズムの推進
サイクルツーリズムとは、自転車で旅を楽しんだり、旅先で自転車に乗ること自体を楽しんだりすることです。国や地方自治体では、そのための環境整備をみんなで進めて、日本人だけでなく海外からの観光客やサイクリストも増やして観光立国を実現しようとしています。
◆全国に6ルートある「ナショナルサイクルルート」
サイクルスポーツの盛んなヨーロッパでは、「ツール・ド・フランス」に代表されるような国際的な自転車ロードレースが多くおこなわれ、世界各国から観戦目的の観光客を集めています。また、市民が参加するさまざまなサイクリング大会も開催されています。金籠さんは「そこで日本でもサイクルスポーツの活性化、海外からの観光客の誘致を目的に、国際的なサイクリング大会の開催を希望する地方自治体は、国としてサポートしていきます」と解説。
さらに、国内外のサイクリストが快適な走行を楽しめるサイクルルートの整備が進められています。自転車で観光を楽しむには、サイクリストの使いやすい休憩所や宿泊施設の充実が欠かせません。そのため、地域の店舗と連携して、タイヤの空気入れや工具、サイクリスト向けの優待サービスなどを提供する施設を設置したり、道の駅、コンビニや商業施設に駐輪ラックを設置するなど、サイクリストの受け入れサービスの充実化が進められています。
ちなみに、世界に誇りうるサイクリングルートとして一定の要件を満たしているルートを、国が「ナショナルサイクルルート」に指定しており、現在、全国に6ルートが存在します。金籠さんはナショナルサイクルルートをすべて走破したほどの自転車愛好家で、「例えば、茨城県にある『つくば霞ヶ浦りんりんロード』は、東京から近いこともあり、家族で楽しみました。ファミリーで楽しめる環境が整備されています」と紹介。
ここは、旧筑波鉄道の廃線敷と霞ヶ浦を周回する湖岸道路を合わせた全長約180kmのサイクリングコースです。金籠さんは「サイクリングをしながら、日本百名山の1つでもある筑波山の四季折々の表情を眺めたり、水郷地域の水路や水田が織りなす霞ヶ浦周辺の豊かな田園風景を味わったりしながら、のんびりとサイクリングを楽しむことができます」とオススメします。
また、近年では、自転車を解体せず列車のなかにそのまま持ち込める「サイクルトレイン」「サイクルバス」といったサービスが全国で徐々に増えてきています。
最後に金籠さんは、5月は自転車月間ということもあり、「まずは通勤、通学、日常的なお買い物など、交通ルールをしっかり守りながら、自分に身近な方法で自転車と触れ合う機会を増やしてみてください。そして、自転車で旅や観光を楽しんでみてください。大切なのは、自転車の楽しさを通じて人も地域も元気になることです。そのために今後も楽しく、安全で、快適に自転車を利用できる環境を整えていきます」と力を込めていました。
今回の話を受けて、足立が「自転車に乗る側、利用する側も改めてルールを理解し、交通ルールを守って、安心で安全な世界にしていきたい」と話すと、青木も「歩行者も車の利用者も含めて、お互いが尊重し合うような社会がいいですよね」とうなずきつつ、全国に6つある「ナショナルサイクルルート」にも触れ、「『つくば霞ヶ浦りんりんロード』もとても素敵そうでしたし、日本国内の方はもちろん、海外の方にも来ていただいて日本の魅力に触れてほしい」と話していました。
(左から)青木源太、足立梨花
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聴取期限 2023年5月29日(月) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:青木源太・足立梨花 Sunday Collection
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:青木源太、足立梨花
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/collection/