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「テレ東」躍進の要因は?元テレ東プロデューサー・高橋弘樹「コンテンツとネットの親和性がよかった」
2023-09-14 (木) 11:00
TOKYO FMの音声配信プラットフォームAuDee(オーディー)の番組「長野智子のテレビなラジオ」(隔週火曜・10時配信)。1985年のフジテレビ入社以降、テレビ業界で活躍してきたフリーアナウンサー・長野智子が、テレビを牽引してきた制作者・出演者をゲストに招き、テレビの過去・現在・未来を語ります。
今回の配信では、元テレビ東京プロデューサーの高橋弘樹さんがゲストに登場。前編では、テレビ東京が躍進した理由について分析していきました。
TOKYO FMの音声配信プラットフォームAuDee(オーディー)の番組「長野智子のテレビなラジオ」(隔週火曜・10時配信)。1985年のフジテレビ入社以降、テレビ業界で活躍してきたフリーアナウンサー・長野智子が、テレビを牽引してきた制作者・出演者をゲストに招き、テレビの過去・現在・未来を語ります。
今回の配信では、元テレビ東京プロデューサーの高橋弘樹さんがゲストに登場。前編では、テレビ東京が躍進した理由について分析していきました。
▶▶【音声を聴く】「長野智子のテレビなラジオ」

1981年、東京都生まれの高橋さん。早稲田大学卒業後、2005年にテレビ東京に入社。「空から日本を見てみよう」(テレビ東京)、「世界ナゼそこに?日本人~知られざる波瀾万丈伝~」(テレビ東京)、企画・演出として「家、ついて行ってイイですか?」(テレビ東京)、「吉木りさに怒られたい」(テレビ東京)などのテレビ番組を制作。
「家、ついて行ってイイですか?」はギャラクシー賞、日本民間放送連盟賞・最優秀賞をW受賞しています。2023年3月に独立し、新メディア「ReHacQ」を開設。経済・ビジネスに関するバラエティ番組をYouTubeで発信しています。最近ではABEMAの新番組「世界の果てに、ひろゆき置いてきた」のプロデュースも務めています。
◆テレビ東京が勢いづいたきっかけを分析
長野:テレビ東京は、私もレギュラーを持たせていただいたことがあったんですけど、いい番組を作るよねって評判が高かったんですよね。世間的には他の局よりあまり観られていない時代から、本当に面白くて人気が出る番組が続々と出てくる時代がありましたけど、高橋さんはどの辺のタイミングで、テレビ東京が変わったと意識されていますか?
高橋:僕が入ったときは過渡期だったかもしれないです。当時、基本的にテレビ東京の番組は観られていなかったですし、僕も就活では「テレビ東京の番組を観ています」とウソをつきました。
長野:(笑)。
高橋:退社するまでに18年かかったんですけど、そこらへんからゴールデンだけは他局と数字が並ぶことはありましたね。過渡期の20年ぐらいのなかにいたって感じです。
長野:2005年に高橋さんが入社して、まさに高橋さんの時代からそうなっていった感じなのかなって。
高橋:そうなるなあ(笑)。
長野:それって高橋さんのように優れた演出家がいたっていうこともありますけど、会社全体で何かあったりしたのでしょうか? トップが変わったとか。
高橋:僕らが入るちょっと前に萌芽はあって。僕が入ったときに人気の「TVチャンピオン」(テレビ東京)があったんですけど、視聴率を取る番組が他に何番組か出ていたんですよね。(テレビ東京が)「自分たちでもできるんだ」って自信を持ち始めたぐらいに僕が入ったんです。そこから(僕らが)その面を広げていったって感じになりますね。
長野:「TVチャンピオン」といった、テレビ東京が持っていたベースの人気を意識しながら番組作りをしていました?
高橋:そうですね。「TVチャンピオン」は一般の方がけっこう出ているじゃないですか。当時、僕が入った頃はタレントさんのブッキング力がまだ弱かったので、基本的にタレントさんの名前を重要視した企画書を書かなかった部分はありますね。
今だったら「まつもtoなかい」(フジテレビ系)みたいな、タレントさんありきの番組って他局はけっこう多いと思うんですけど、当時はそういう発想がそもそもなかったんです。
長野:そうだよね。池上彰さんと出川哲朗さんぐらいだよね。
高橋:そうですね。
長野:テレ東がすごく変わったから、バックグラウンドに何があるんだろうって、一視聴者として関心があった。
高橋:俯瞰してみると、いい流れになったのは、ネットが発達してきたこの20年だったんですよ。僕が入った2005年ってYouTubeができた年で。
長野:そっかあ!
高橋:2005年は2ちゃんねるが全盛だったり、そのあとにTwitter(現:X)が盛り上がってくるんですよね。SNSが盛り上がってくると、今まで知られていなかったコンテンツが世に知られやすい空気があったんですよね。
テレ東のコンテンツってネットとの親和性がいいんです。時代の流れに乗って、「テレビ東京のコンテンツで面白いのがあるよ」って感じで広まった実感はありますよね。
長野:面白いですね。その流れから高橋さんみたいな面白い演出家が生まれてくるっていうね。
◆バラエティをやりながら報道もやる理由
長野:高橋さんって3月にABEMAに入社でしょう?(会社員として働きつつダブルワークで)ご自身の会社では「ReHacQ」をやって。しかも、バラエティをABEMAでやって、報道ドキュメンタリーはご自身の会社でやる。普通、どっちかじゃないですか。
佐久間宣行さんはバラエティだけだったりしますし。ある種全方向で、欲張りなのか、興味の幅が広いのか。時間繰りもそうだし、関心の熱量を保ち続けていることがすごいなって思います。
高橋:佐久間さんは本当にバラエティ1本って感じですよね。
長野:演出家の人ってだいたいそうですよ。
高橋:両方やるのって楽しいんですけど、ズルいといえばズルいですよね。
長野:どうして両方やりたいんですか? 何かこだわりがあるのでしょうか?
高橋:僕のなかではそこまで区分がないんですよ。「ReHacQ」も実は報道としてやっているわけではなくて、ジャーナリストでもないんです。何か調査をして報道しているわけではないんですね。時事とか社会的な課題のものを扱ってエンターテインメントにしているイメージが「ReHacQ」には強いんですよね。
ジャーナリストのすることが権力監視とか正義の追求だったりすると、僕のやっているのは社会的なことや時事問題に関して興味を持ってもらったり、楽しんでもらうこと。なので、(やっていることは)僕的には一緒なんですよね。扱っているジャンルが違うっていうイメージかもしれないです。
長野:なるほどね。どうしてそんなに報道に関心を持ってもらいたいと思うのでしょうか?
高橋:僕、入社するときは報道志望だったんですよ。専攻は国際政治で、バックパッカーでいろんなところに旅行へ行ったりすると、マジで貧しい人たちはいるし、「これは世界を変えたいな」って崇高な理念を一応持つじゃないですか。できることは限られていますけど、そういうことを取材したり報道したりしたいなとはじめは思っていました。
日本のなかにもいろいろな問題はありますけど、そういったことも明るみに出して、社会に問題意識をちゃんと提示する仕事をしたいなって思いはずっとあったんですね。だけど、エンタメに行っちゃったから。戦略的に僕らの時代のテレビ東京って、就職試験がわかれていて、ジャーナリストコースとエンタメ職があったんですね。そこに僕はエンタメ職で受けたんですよ。
長野:そうなんだ。
高橋:僕はいかに楽をして成果を出すかってところを大事にしていて。ジャーナリストになるのにジャーナリストの訓練を受けると、みんなで競争しなきゃいけないから嫌だなと思ったんです(笑)。
長野:言ってる意味、すごくわかる(笑)。
高橋:それで、4年目まではバラエティにいこうと思っていました。22歳のときに気づいたことですけど、「ジャーナリストの欠点って何だろう」と考えたんです。当時、長くジャーナリストの世界にいる人って、基本受動的になるなと思ったんですよね。事件が起きて行くとか、紛争が起きてから取材をするみたいな部分があるなと思っていたんです。
長野:鋭い。
高橋:というよりは、浅はかな考えですけどね。反面、バラエティって能動的というか、自分のやりたいことを企画書にして企画を立てるところから始めるんです。なので、4年間能動的に動くようにして、そこからジャーナリストになったら強いんじゃないかなと、当時は思っていました。
ただ、テレビ局に入ったらそんなことはなくって。報道の人も能動的に企画を考えたり、調査報道をしたりする人を見てきました。このあいだ長野さんとご一緒した、民放連(一般社団法人 日本民間放送連盟)の方とお会いしましたけど、(実際のテレビ局は)そんなことではないって思いましたよ。当時は浅はかでしたね。
長野:いえいえ、そんなことはないですよ。民放連で頑張っている方なんて本当に一握りですよ。在京のテレビ局の報道で、あんなに自分たちから探しにいって何かを掘りだすことに時間を費やす人ってほとんどいないと思います。高橋さんの言うとおり、在京のテレビ局に入ったら報道は受け身。来るニュース来るニュース、上司から振られたことを取材して出すってことの繰り返し。やっぱり民放連ってすごいですよ。
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<番組情報>
番組名:長野智子のテレビなラジオ
配信日時:隔週火曜・10時配信
パーソナリティ:長野智子
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今回の配信では、元テレビ東京プロデューサーの高橋弘樹さんがゲストに登場。前編では、テレビ東京が躍進した理由について分析していきました。
▶▶【音声を聴く】「長野智子のテレビなラジオ」

(左から)パーソナリティの長野智子、高橋弘樹さん
1981年、東京都生まれの高橋さん。早稲田大学卒業後、2005年にテレビ東京に入社。「空から日本を見てみよう」(テレビ東京)、「世界ナゼそこに?日本人~知られざる波瀾万丈伝~」(テレビ東京)、企画・演出として「家、ついて行ってイイですか?」(テレビ東京)、「吉木りさに怒られたい」(テレビ東京)などのテレビ番組を制作。
「家、ついて行ってイイですか?」はギャラクシー賞、日本民間放送連盟賞・最優秀賞をW受賞しています。2023年3月に独立し、新メディア「ReHacQ」を開設。経済・ビジネスに関するバラエティ番組をYouTubeで発信しています。最近ではABEMAの新番組「世界の果てに、ひろゆき置いてきた」のプロデュースも務めています。
◆テレビ東京が勢いづいたきっかけを分析
長野:テレビ東京は、私もレギュラーを持たせていただいたことがあったんですけど、いい番組を作るよねって評判が高かったんですよね。世間的には他の局よりあまり観られていない時代から、本当に面白くて人気が出る番組が続々と出てくる時代がありましたけど、高橋さんはどの辺のタイミングで、テレビ東京が変わったと意識されていますか?
高橋:僕が入ったときは過渡期だったかもしれないです。当時、基本的にテレビ東京の番組は観られていなかったですし、僕も就活では「テレビ東京の番組を観ています」とウソをつきました。
長野:(笑)。
高橋:退社するまでに18年かかったんですけど、そこらへんからゴールデンだけは他局と数字が並ぶことはありましたね。過渡期の20年ぐらいのなかにいたって感じです。
長野:2005年に高橋さんが入社して、まさに高橋さんの時代からそうなっていった感じなのかなって。
高橋:そうなるなあ(笑)。
長野:それって高橋さんのように優れた演出家がいたっていうこともありますけど、会社全体で何かあったりしたのでしょうか? トップが変わったとか。
高橋:僕らが入るちょっと前に萌芽はあって。僕が入ったときに人気の「TVチャンピオン」(テレビ東京)があったんですけど、視聴率を取る番組が他に何番組か出ていたんですよね。(テレビ東京が)「自分たちでもできるんだ」って自信を持ち始めたぐらいに僕が入ったんです。そこから(僕らが)その面を広げていったって感じになりますね。
長野:「TVチャンピオン」といった、テレビ東京が持っていたベースの人気を意識しながら番組作りをしていました?
高橋:そうですね。「TVチャンピオン」は一般の方がけっこう出ているじゃないですか。当時、僕が入った頃はタレントさんのブッキング力がまだ弱かったので、基本的にタレントさんの名前を重要視した企画書を書かなかった部分はありますね。
今だったら「まつもtoなかい」(フジテレビ系)みたいな、タレントさんありきの番組って他局はけっこう多いと思うんですけど、当時はそういう発想がそもそもなかったんです。
長野:そうだよね。池上彰さんと出川哲朗さんぐらいだよね。
高橋:そうですね。
長野:テレ東がすごく変わったから、バックグラウンドに何があるんだろうって、一視聴者として関心があった。
高橋:俯瞰してみると、いい流れになったのは、ネットが発達してきたこの20年だったんですよ。僕が入った2005年ってYouTubeができた年で。
長野:そっかあ!
高橋:2005年は2ちゃんねるが全盛だったり、そのあとにTwitter(現:X)が盛り上がってくるんですよね。SNSが盛り上がってくると、今まで知られていなかったコンテンツが世に知られやすい空気があったんですよね。
テレ東のコンテンツってネットとの親和性がいいんです。時代の流れに乗って、「テレビ東京のコンテンツで面白いのがあるよ」って感じで広まった実感はありますよね。
長野:面白いですね。その流れから高橋さんみたいな面白い演出家が生まれてくるっていうね。
◆バラエティをやりながら報道もやる理由
長野:高橋さんって3月にABEMAに入社でしょう?(会社員として働きつつダブルワークで)ご自身の会社では「ReHacQ」をやって。しかも、バラエティをABEMAでやって、報道ドキュメンタリーはご自身の会社でやる。普通、どっちかじゃないですか。
佐久間宣行さんはバラエティだけだったりしますし。ある種全方向で、欲張りなのか、興味の幅が広いのか。時間繰りもそうだし、関心の熱量を保ち続けていることがすごいなって思います。
高橋:佐久間さんは本当にバラエティ1本って感じですよね。
長野:演出家の人ってだいたいそうですよ。
高橋:両方やるのって楽しいんですけど、ズルいといえばズルいですよね。
長野:どうして両方やりたいんですか? 何かこだわりがあるのでしょうか?
高橋:僕のなかではそこまで区分がないんですよ。「ReHacQ」も実は報道としてやっているわけではなくて、ジャーナリストでもないんです。何か調査をして報道しているわけではないんですね。時事とか社会的な課題のものを扱ってエンターテインメントにしているイメージが「ReHacQ」には強いんですよね。
ジャーナリストのすることが権力監視とか正義の追求だったりすると、僕のやっているのは社会的なことや時事問題に関して興味を持ってもらったり、楽しんでもらうこと。なので、(やっていることは)僕的には一緒なんですよね。扱っているジャンルが違うっていうイメージかもしれないです。
長野:なるほどね。どうしてそんなに報道に関心を持ってもらいたいと思うのでしょうか?
高橋:僕、入社するときは報道志望だったんですよ。専攻は国際政治で、バックパッカーでいろんなところに旅行へ行ったりすると、マジで貧しい人たちはいるし、「これは世界を変えたいな」って崇高な理念を一応持つじゃないですか。できることは限られていますけど、そういうことを取材したり報道したりしたいなとはじめは思っていました。
日本のなかにもいろいろな問題はありますけど、そういったことも明るみに出して、社会に問題意識をちゃんと提示する仕事をしたいなって思いはずっとあったんですね。だけど、エンタメに行っちゃったから。戦略的に僕らの時代のテレビ東京って、就職試験がわかれていて、ジャーナリストコースとエンタメ職があったんですね。そこに僕はエンタメ職で受けたんですよ。
長野:そうなんだ。
高橋:僕はいかに楽をして成果を出すかってところを大事にしていて。ジャーナリストになるのにジャーナリストの訓練を受けると、みんなで競争しなきゃいけないから嫌だなと思ったんです(笑)。
長野:言ってる意味、すごくわかる(笑)。
高橋:それで、4年目まではバラエティにいこうと思っていました。22歳のときに気づいたことですけど、「ジャーナリストの欠点って何だろう」と考えたんです。当時、長くジャーナリストの世界にいる人って、基本受動的になるなと思ったんですよね。事件が起きて行くとか、紛争が起きてから取材をするみたいな部分があるなと思っていたんです。
長野:鋭い。
高橋:というよりは、浅はかな考えですけどね。反面、バラエティって能動的というか、自分のやりたいことを企画書にして企画を立てるところから始めるんです。なので、4年間能動的に動くようにして、そこからジャーナリストになったら強いんじゃないかなと、当時は思っていました。
ただ、テレビ局に入ったらそんなことはなくって。報道の人も能動的に企画を考えたり、調査報道をしたりする人を見てきました。このあいだ長野さんとご一緒した、民放連(一般社団法人 日本民間放送連盟)の方とお会いしましたけど、(実際のテレビ局は)そんなことではないって思いましたよ。当時は浅はかでしたね。
長野:いえいえ、そんなことはないですよ。民放連で頑張っている方なんて本当に一握りですよ。在京のテレビ局の報道で、あんなに自分たちから探しにいって何かを掘りだすことに時間を費やす人ってほとんどいないと思います。高橋さんの言うとおり、在京のテレビ局に入ったら報道は受け身。来るニュース来るニュース、上司から振られたことを取材して出すってことの繰り返し。やっぱり民放連ってすごいですよ。
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<番組情報>
番組名:長野智子のテレビなラジオ
配信日時:隔週火曜・10時配信
パーソナリティ:長野智子
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