青木源太と足立梨花がパーソナリティをつとめ、暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていくTOKYO FMの番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。4月3日(日)の放送では、内閣府 政策統括官付 交通安全対策担当参事官の寺本耕一(てらもと・こういち)さんに、「春の全国交通安全運動」をテーマに話を伺いました。
(左から)青木源太、寺本耕一さん、足立梨花
全国交通安全運動は、交通ルールを守ることや正しいマナーを習慣づけてもらうことを目的に、毎年春と秋の2回おこなわれている取り組みのことです。1948年からスタートし74年にわたり続いています。今年の春は4月6日(水)~4月15日(金)までの10日間実施されます。この運動の効果もあり、昨年4月8日は、全国の交通事故死者数が初めてゼロとなりました。これは、警察庁が1968年に日別の交通事故統計を取り始めてから、53年目にして初めての快挙だそうです。
◆2021年は、1日に約7人が交通事故死
最新のデータによると2021年の交通事故による死者数は2,636人で、1日に7人ほどの人が亡くなっています。前年と比べると減少しているものの、これだけ多くの人が交通事故で亡くなっているのが現状です。
「交通事故で亡くなる人の多くは、歩行中の方の割合が大きいのが特徴です。特に春は、歩行中の幼児・小学生が交通事故に遭うケースが多い傾向にある」と寺本さん。そして、子どもに限らず「歩行者の方が道路を横断している途中に交通事故に遭うことが多いです。車の運転者による前方不注意など、安全運転義務違反や横断歩道での横断歩行者妨害などによって、重大な事故が発生しています。また、歩行中に起こる死亡事故は、走行車両の直前・直後の横断や横断歩道での信号無視など、歩行者側にも法令違反がある場合もある」と説明します。
また、子どもが道路に飛び出して事故に遭うケースも多く、「そうした子どもの特性も踏まえて、保護者をはじめとする大人が交通ルールについて繰り返し教えていく必要があります。自分の身を守るために、歩行中に道路を横断するときは、信号を守って横断歩道を渡ってください。信号がない横断歩道では必ず止まり、左右の安全を確かめて、手を上げて渡っていただきたい」と注意喚起します。
近年、信号のない横断歩道を渡るときには、子どもだけでなく、大人にも「手を上げたり、手を差し出したり、運転者に顔を向けるなどして、運転者に道路を渡る意思を伝えてから横断するように勧めている」と寺本さん。
そもそも、横断歩道は歩行者が横断する場所。横断歩道に歩行者がいたら、運転者は減速や停止をする義務があります。しかし、運転手は、歩行者が渡るか渡らないかの判断ができず、減速や停止などの動作が遅れる場合もあるため、横断する意思がある場合は、合図をすると運転者側に伝わりやすくなります。
また、歩行者の安全な通行を確保するためにさまざまな道路交通環境の整備が進められています。そのなかの1つに「ゾーン30プラス」という取り組みがあります。これは、“最高速度30キロの区域規制”と“車がスピードを出せない物理的デバイスの設置”の2つを組み合わせることで、その区域の交通安全の向上を図ろうとする取り組みのこと。
例えば、ポールを立てて意図的に道幅を狭くしたり、横断歩道部分を少し盛り上げたり、一直線の道に花壇などの障害物を左右交互に設置して道をクランク状にするなど、車の速度を低下させるさまざまな工夫を施して、最高速度30キロを守りやすくします。
このように「ゾーン30プラス」を設定することによって「生活道路における、歩行者優先の安全・安心な通行空間を目指しています。設定されている区域には『ゾーン30プラス』という路面表示や看板が設置されているので、運転者は十分に注意して運転するように心掛けてください」と話します。
◆「自転車安全利用五則」の習慣づけを
続いて取り上げた話題は、自転車の交通事故について。自転車が関わる事故全体の件数は、2004年以降、年々減少していたものの昨年は微増しました。そんななか、近年問題になっている自転車事故のケースが“業務中の事故”と“事故の相手方が歩行者の事故”です。前者は増加傾向、後者はほぼ横ばいで推移しています。
“業務中の事故”が増えている背景には、コロナ禍で自転車の宅配サービスを利用する人などが増えたことも影響しています。一方で“相手方が歩行者の事故”については、歩道で起こっている場合が最も多く、自転車が関わる死亡事故や重傷事故の多くは、自転車側に法令違反が認められています。
道路交通法上、自転車は軽車両と位置付けられているため、歩道と車道の区別があるところでは、車道を通行するのが原則です。例外として歩道を走行する場合は、歩道の車道側を行者の通行を妨げないように十分に注意しながら走行しなければいけません。
それにも関わらず、歩道での事故が多発しているのが現状。寺本さんは「全国交通安全運動が実施されているこの時期に、改めて自転車の基本的な5つのルールである『自転車安全利用五則』を思い返して習慣づけていただきたい」と力を込めます。
【自転車安全利用五則】
1.自転車は、車道が原則、歩道は例外
2.車道は左側を通行
3.歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行
4.安全ルールを守る(飲酒運転や2人乗り、並んで走行しない。夜間はライト
を点けること。交差点での信号遵守と一時停止・安全確認など)
5.子どもはヘルメットを着用
これら以外にも、傘を差しながらの運転や運転中のスマートフォン、イヤホンの使用も止めるように呼びかけています。また、ヘルメットの着用は子どもだけに限りません。「頭を強打すると死亡事故や重度の障がいを負うリスクが高まります。自分を守るために大人もヘルメットの着用をお願いしている」と補足します。
そして、自転車を運転している人が加害者になる可能性も。「自転車事故で(歩行者と接触して)他人の命を奪ったり、重大なケガをさせたりして数千万円もの高額な損害賠償を命じられた判決事例も出ています。もしものときのために、自転車損害賠償責任保険などへの加入も勧めています」と寺本さん。最後に「歩行者、運転者、それぞれが交通ルールを守り、お互いに思いやり、交通事故をなくしていきましょう」と呼びかけました。
今回のテーマで「ゾーン30プラス」を初めて知ったという足立は、「この取り組みが増えて、理解を示す人も増えることで、スピードを出す運転者が減っていけばいいなと思う」と事故の減少を願います。
青木は自転車事故に着目。業務中の事故が増加傾向にあり、事故の相手方が歩行者の事故は、ほぼ横ばいで推移していることに触れつつ、「自転車は軽車両と位置付けられていますし、“重大事故につながる可能性がある”ということを頭に入れて運転してほしい」と述べました。
(左から)青木源太、足立梨花
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聴取期限 2022年4月11日(月) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:青木源太・足立梨花 Sunday Collection
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:青木源太、足立梨花
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/collection/