アーティストの坂本美雨がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「坂本美雨のディアフレンズ」(毎週月曜~木曜11:00~11:30)。今回の放送は、女優・貫地谷しほりさんがゲストに登場。現在公開中の主演映画「オレンジ・ランプ」について語ってくれました。
貫地谷しほりさん、坂本美雨
1985年生まれ、東京都出身の貫地谷さん。2004年に映画「スウィングガールズ」で注目を集めます。以降、NHK朝の連続テレビ小説「ちりとてちん」「なつぞら」をはじめ、さまざまなテレビドラマやCMなどで活躍。最近ではNHKドラマ「大奥」での演技が話題を集めました。
そんな貫地谷さんが主演する映画「オレンジ・ランプ」が全国上映中です。
<あらすじ>
妻・真央(貫地谷しほりさん)と2人の娘と暮らす39歳の只野晃一(和田正人さん)は、充実した日々を送るカーディーラーのトップ営業マン。そんな彼に、顧客の名前を忘れるなどの異変が訪れる。診断結果は「若年性アルツハイマー型認知症」。驚きと戸惑い、不安に押しつぶされていく晃一は、とうとう退社を決意する。心配のあまり、何でもしてあげようとする真央。しかし、ある出会いがきっかけで2人の意識が変わっていく……。
坂本:「オレンジ・ランプ」のご夫婦を貫地谷さんと和田正人さんが演じていらっしゃいますけども、今回の映画はどんなふうに関係を築かれたのでしょうか?
貫地谷:すごく頼もしくて。現場で何かあっても「和田さんがいれば大丈夫だな」と思える方です。そして、映画の主人公で(私が演じる妻・真央の)夫(只野晃一)もきっとそういう方だと思うんです。だけど、その人が急に不安になっていく様を見ていると、自然と助けてあげたくなるというか。「こういう役作りしよう」というのはあまりなかったんですけど、和田さんに引っ張られたなと思います。
坂本:作品を観て印象に残っていることがあって。愛しているから何でもやってあげたいし、家族で力を合わせてサポートしようとするのですが、本人はそれを望んでいるわけじゃないところが難しいですよね。
貫地谷:そうなんですよね。先日、厚生労働省の方と認知症について対談したのですが、今は“共生”がグローバルスタンダードだとおっしゃっていました。まず、自分がどうしたいのかが第一にあって、そのなかで周りがどう向き合っていくか、というふうになっているそうです。
坂本:そうなんですね。若年性に限らず、年配になられてから認知症を発症した方と接していると、子どもに接するような対応をしてしまいそうになるときがあると思うんです。その人の尊厳とか生きてきた経験を尊重しないといけないけれど、具体的な日常のサポートはどうしても必要になるでしょうし。
貫地谷:(距離感が)近いと本当に大変ですよね。どうしたって自分の感情が出てきてしまうから。だからこそ、外に頼ることも必要だと思いますし、今はいろんなサポートが少しずつ増えてきていると思います。
坂本:この映画で描かれているように、家族が孤独を感じないように、いろんな人の社会へのサポートがあると、「これが理想的な姿だな」と思います。
貫地谷:そうですね。だけど、丹野さんが診断されたときは自分が使えるシステムがあまりなかったみたいです。丹野さんがいろんなところで講演会をおこなって、やっと若年性認知症に対するサポートもいろいろできてきたそうです。10年前と今では全然違うとおっしゃっていました。
坂本:先駆者ですね。素晴らしいな。
貫地谷:丹野さんが声をあげてくれているおかげです。
*
貫地谷さんが主演する映画「オレンジ・ランプ」は全国上映中です。詳しくは公式Webサイトをご確認ください。
7月3日週のゲストは、3日(月)Schroeder-Headz(渡辺シュンスケ)さん、4日(火)床嶋佳子さん、5日(水)岬なこさん、6日(木)Coccoさんです。
<番組概要>
番組名:坂本美雨のディアフレンズ
放送エリア:TOKYO FMをはじめとするJFN全国38局ネット
放送日時:毎週月曜~木曜11:00~11:30
パーソナリティ:坂本美雨
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/dear/