山崎怜奈(れなち)がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組
「山崎怜奈の誰かに話したかったこと。(ダレハナ)」
(毎週月曜~木曜13:00~14:55)。10月25日(水)の放送は、キャスター・ジャーナリスト・国連UNHCR協会報道ディレクターの長野智子(ながの・ともこ)さんをゲストに迎えお送りしました。
(左から)パーソナリティの山崎怜奈、長野智子さん
◆長野智子が“報道”を志したきっかけは?
アメリカ・ニュージャージー州生まれの長野さん。上智大学外国語学部英語学科卒業後、1985年にフジテレビに入社します。当時、長野さんは教師になりたかったので、「英語の教育番組みたいなのができれば」と上司に伝えたのですが、その頃のフジテレビはバラエティ全盛期。上司からは「そんな番組、フジにあるわけないだろ」と一蹴されたとか。
そんななか、同年8月に群馬県の御巣鷹の尾根で「日本航空123便墜落事故」が発生。そこで初めて報道現場を経験した際“報道の仕事をやっていきたい”と心に決めたそう。
しかし、前述の通り当時はバラエティ絶頂期だったため、長野さんが配属されたのは伝説のバラエティ番組「オレたちひょうきん族」で、そこから長野さんの知名度がグンと上がったこともあり、フリー転身後もバラエティの仕事ばかりが舞い込んできたと言います。
それでもニュース・報道への思いが消えなかった長野さんは、“自分がやりたかったことをゼロから挑戦しよう”と、1995年に夫のアメリカ赴任に伴い渡米を決意。その後、ニューヨーク大学・大学院でメディア環境学を専攻し、修士を取得。そして、2000年に帰国すると、キャスター・ジャーナリストとして活躍。
現在は国連UNHCR協会・報道ディレクターとして活動しながら、国連の難民支援機関であるUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の日本の公式窓口も担当しており、音楽祭や映画祭を企画するなど、難民を身近に感じてもらうべく粉骨砕身しています。
◆イノベーションは“不自由さ”から生まれる
そんな長野さんの新刊『データが導く「失われた時代」からの脱出』(河出書房新社)が10月24日(火)に出版されました。企業、政治、メディアへの取材や数々のデータによって導かれた“日本に眠る大きな可能性”について書かれています。
なお、本書の冒頭で提示されているのが“日本のジェンダー・ギャップ指数”について。2023年の調査では、日本は146ヵ国中125位で過去最低になっており、「毎年、最低指数を更新し、それでも変わらないのがもはや謎。だからこそ、そこにきちんと向き合ってみようと思って2年間取材してできた本です」と長野さん。
その取材の結果、日本のジェンダー問題については「最近、大手企業を中心にようやく変わってきている感覚はある」と変化の兆しを感じてはいるものの、「女性の国会議員や役員を増やしたほうがいいという空気はあるし、総論は皆さん賛成なんだけど、具体的な話になると反対になる」と指摘。
また、「ちょっとだけ増やしても象徴的な存在、特別な存在になってしまうので、ある程度の人数が増えないと普通にならない。なので、私は法律で(女性の定員数を)義務化したほうがいいんじゃないかと思う」と持論を展開。
さらには、「会議をするにも男性だけだったり、家のことを奥さんに任せてばかりのような方では想像が及ばない。イノベーションは不自由さから生まれると思うんです。例えば、子育てをしているお母さんが“働くときの不自由さをなんとかしたい”という思いから発想が広がり、イノベーションが生まれることもある。つまり、不自由な背景を持っている人や多様な人が意思決定の場にいたほうが、絶対的にビジネスチャンスが広がるし、国会議員も社会課題に広く当たれる」と長野さん。
しかし、そんな当たり前のことができていないのが今の日本であると言及し、「男女とか属性によって役割が決められてしまったり、門戸が閉ざされてしまったりすることがあるから“それをなくしていきましょう”というようなことを書いています」と話していました。
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10月25日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2023年11月2日(木) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:山崎怜奈の誰かに話したかったこと。
放送日時:毎週月~木曜 13:00~14:55
パーソナリティ:山崎怜奈