放送作家・脚本家の小山薫堂とフリーアナウンサーの宇賀なつみがパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「日本郵便 SUNDAY’S POST」(毎週日曜15:00~15:50)。1月28日(日)の放送は、番組企画「音の風景印」の宮城県東松島市編をお届けしました。
(左から)小山薫堂、宇賀なつみ
◆“音”で楽しむ番組企画「音の風景印」
“音”で楽しむ新企画として、昨年スタートした「音の風景印」。今回、当番組のマイクが訪れたのは、仙台から車でおよそ1時間の宮城県東松島市です。
東日本大震災では大きな被害を受けましたが、日々、復興へと歩みを続け、現在は海産物とブルーインパルスのまちとして、観光客や航空機ファンを魅了しています。
まず話を伺ったのは、東松島市にある郵便局「宮城赤井郵便局」です。局長の菅原よしえ(すがわら・よしえ)さんに、東松島市のおすすめスポットを案内していただきました。
まず訪れたのは、自然や民家の路地などをゆっくり楽しみながら歩くトレッキング「オルレ」のコースを案内していただきました。宮城県内には現在5つのオルレが整備されており、今回はそのうちのひとつ「奥松島コース」の一部、奥松島の風景を一望できる小高い山「大高森」を菅原さんと一緒に歩きました。
オルレの魅力について、「私のなかで“登山”となると、どうしても使命感と試練に苛まれがちな感じですけど、“オルレ”は自由に好きなペースでゆっくり歩けるので大好きです」と菅原さん。「何か癒されて、浄化の作用がある感じがします」と実感を語ります。
大高森の山頂に到着した一行は、山を登ってきた疲れも忘れ、あまりの美しい絶景に思わず見入ってしまいます。青い海に浮かぶ島々、牡蠣の養殖風景、漁船、そして空と、そのすべてが調和し、心が洗われる風景が目の前に広がります。
目の前に広がる松島湾
続いては、東松島市役所へ。副市長の小山修(おやま・しゅう)さんに話を伺うと「東松島市は仙台から近くて住みやすいまちです。何と言っても、2020年の3月20日にオリンピックの聖火が航空自衛隊松島基地に到着した最初の地であることを記念して、スポーツ健康都市を宣言したまちですから、そういう意味では、復興とあわせて活気あふれるまち」と胸を張ります。
そして、牡蠣や海苔などの海産物全般がおいしいだけでなく、「農産物もおいしいまちですよ」と小山さん。なかでもおすすめのお店として、海苔うどんが自慢のちゃんこ鍋店「ちゃんこ萩乃井(はぎのい)」を挙げていました。
早速、おすすめの一食を味わうべく「ちゃんこ萩乃井」へ。ここは、古くから地元民に愛されているお店で「東松島市で獲れた海苔を使って作った海苔うどんがとても有名です」と菅原さん。
放送では、調理場で海苔うどんができあがるまでの“音”や麺を豪快にすする“音”もお届け。麺には海苔が練り込まれており、食べると口のなかで磯の香りがふわっと広がり、何とも後を引くおいしさです。
「ちゃんこ萩乃井」の海苔うどん
元力士で「ちゃんこ萩乃井」を切り盛りする店主の大森宣勝(おおもり・のぶかつ)さんや「アイザワ水産」代表で海苔漁師の相澤太(あいざわ・ふとし)さんをはじめ、東松島市にゆかりのある方々も登場し、「音の風景印」を盛り上げてくれました。
相澤さんが海苔づくりでこだわっているのは、「塩分を残すこと」。相澤さんいわく、塩分を残して生産することは“タブー”とされており、「なぜなら塩分があると、塩分は湿気を呼んでしまうので、長期保存がしにくくなるんです。だから市場流通では、それをすることはものすごく嫌われるんです」と解説。
それでも塩分を残すことにこだわる理由として「僕が作る海苔は1年以内に売り切れるので。海苔は塩味(えんみ)があったほうが旨味を感じやすいので、しっかりと塩味を残してあげる。海そのままの塩味なので、ミネラルもたくさん含んでいます。僕が海苔を食べる人に一番伝えたいことは、今の自然、今の海を感じてもらうこと。食べたときに海をちゃんと連想できるようにしているので、塩味は大切なんです」と力説します。
海苔漁師の相澤太さん
この日スタジオでは、相澤さんが丹精込めて作った海苔の試食も。早速口に運ぶと、宇賀は「噛めば噛むほど味がしてくる海苔ですね」とその味わいにうっとり。小山が「うん、おいしい! これは贅沢なつまみにもなりますよ」と笑顔を見せると、宇賀も「確かに、ちょっと塩味も感じられて。うわー、日本酒とか欲しいですね、今(笑)」とうなずいていました。
「アイザワ水産」の海苔を試食する宇賀なつみ
<番組概要>
番組名:日本郵便 SUNDAY’S POST
放送日時:毎週日曜 15:00~15:50
パーソナリティ:小山薫堂、宇賀なつみ