杉浦太陽と村上佳菜子がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより」(毎週日曜 7:30~7:55)。「学びと成長」をコンセプトに、毎回さまざまなゲスト講師をお招きして、明日の暮らしがもっと豊かになる情報や気になるトピックをひも解いて、今よりもちょっと成長することを目指す番組です。
4月6日(日)の放送テーマは、「パパ・ママの“共働き・共育て”を応援! 新しい給付制度」。厚生労働省 雇用保険課の清水達哉さんに、4月からスタートする2つの給付制度について伺いました。
(左から)杉浦太陽、清水達哉さん、村上佳菜子
◆男性の育休取得率は3割
育休は、原則1歳未満の子どもを養育するために仕事をお休みするための休業です。これは「育児・介護休業法」という法律で定められていて、勤め先に申し出れば取得することができます。また、会社側はその申し出を拒めません。
しかし、共働き世帯が増える一方で、仕事と育児が両立できる環境は十分に整っているとは言えず、なかには子育ての大事な時期に育休(育児休業)が取れないケースもあります。
2023年度の育休取得率は、女性が約8割だったのに対して男性は3割ほどでした。男性の割合は過去最高となりましたが、それでも男女差が感じられる結果となっています。また、女性の育休期間は6ヵ月以上の取得に対し、男性の約6割は1ヵ月未満にとどまっています。
◆男性の育休取得はメリット大!
子どもの子育てにおいて、生まれてから1歳になるまでの期間は非常に重要です。10年前に育休を取得した清水さんは、男性の育休取得のメリットとして、以下の3つを挙げます。
【メリット①:産後の母親が無理をしなくて済む】
母親は産後8週頃までは体の回復期にあたり、十分に休養を取るためにとても大切な時期であると同時に、幼児にミルクを数時間おきに与えるなど、子どものお世話が大変な時期でもあります。そのため、身体的にも精神的にも負荷がかかり、まとまった睡眠もとれません。
そこで、「この時期にパパが育休を取って、積極的に赤ちゃんのお世話や家事をすれば、ママの体の回復をサポートできますし、ママの育児に対する不安やストレスを軽減することもできます」と清水さんは説明します。
【メリット②:母親と父親のあいだで育児のスキルに差が出にくくなる】
初めての育児は、母親と父親もわからないことだらけです。2人で一緒にミルクの飲ませ方、ゲップのさせ方、お風呂の入れ方、おむつの交換などを学んでいけば、どちらか一方が面倒を見なければいけないときも安心して預けられます。
【メリット③:家族の結びつきが深まる】
2人が一丸となって育児の喜びを共有すると、その後の育児や家事の分担などもスムーズに決められ、両親の関係が良くなることも期待できます。
◆今月から2つの給付制度がスタート
昨年、厚生労働省が高校生や大学生などを対象におこなったアンケートによると、育休取得を希望する人は女性で9割、男性で8割でした。一方、子育て世代への調査結果で、育休を取得しない理由の1位は「収入を減らしたくなかったから」という切実な内容となりました。
政府では、希望どおりに結婚、妊娠・出産、子育てを選択できるように、夫婦ともに働き、育児をおこなう「共働き・共育て」を推進しており、2025年4月からは「出生後休業支援給付」「育児時短就業給付」が創設されました。続いては、この2つの給付制度について解説します。
まずは「出生後休業支援給付」について。この制度は男性育休の促進を目的とし、母親だけではなく父親も育休を取得すると、これまでの給付金に上乗せして出生後休業支援給付金が支払われます。
これまで育休を取得した場合に支払われる給付金は、休業開始から通算180日までのあいだで手取りの8割相当でしたが、2025年4月からは、一定の条件を満たせば、最大28日間は従来の育児休業給付に上乗せして、出生後休業支援給付金も支給されます。なお、育児休業給付や出生後休業支援給付は非課税であり、育休中は社会保険料が免除されます。よって、80%の給付率で手取りはほぼ100%の給付となります。
出生後休業支援給付金の条件は、子どもが生まれた直後の一定期間内に、父親と母親の両方が14日以上の育休を取得することです。一定期間以内というのは、“男性の場合は子どもの出生後8週間以内、女性は産後休業後8週間以内”を指します。また、清水さんは「配偶者が働いていない場合や、ひとり親家庭の場合などには、配偶者の育休の取得を求めずに、本人が14日以上の育休を取得すれば、出生後休業支援給付を支給します」と補足します。
◆ “時短勤務”がより可能に
新しい給付制度の2つ目は「育児時短就業給付」です。これは、男女ともに時短勤務を選択しやすくすることで、男女で育児や家事を分担しつつ、希望に応じてキャリア形成との両立が可能になるように設けられたものです。
育児時短就業給付では、2歳未満の子どもを養育するために時短勤務をする場合、賃金額の10%相当額を支給します。つまり、時短勤務中の賃金が10%アップすることになります。
キャリア面から考えると、時短勤務にマイナスのイメージを持つ人もいますが、「限られた時間で集中して働くことで効率的に仕事をする力が身に付いた」という声もあります。今年5児の父となる予定の杉浦も、「夜はなるべく早く家に帰りたい思いがあるから“効率的に仕事をして成果を上げるにはどうすればいいか”を考えるようになりました。時間の使い方に見合った報酬があるのは、すごく大事なことだよね」とコメントします。
最後に、清水さんは「子どもの成長はとても早いものです。その成長した瞬間に少しでも多く出会えるように、パパ・ママともに出生後休業支援給付と育児時短就業給付を活用して、家族との大切な時間を過ごしてください」と話していました。
子どもを持つか持たないか、共働きをするかしないか、夫婦の在り方はさまざまです。収入やキャリア形成を心配せずに希望のライフプランを叶えられるように、出生後休業支援給付と育児時短就業給付を活用しましょう。
番組のエンディングでは、杉浦と村上が今回学んだ「4月からスタートする2つの給付制度」について復習。2人が特に注目した点をピックアップして発表します。まず村上は、スケッチブックに“4月から始まる! 新しい給付金制度”と書き、その重要性を強調します。杉浦は“出生後休業支援給付と育児時短就業給付”を注目ポイントとし、「育児に関する新しい給付制度について詳しく知りたい方は、
厚生労働省のWebサイト
をご確認ください」と呼びかけました。
(左から)杉浦太陽、村上佳菜子
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4月6日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2025年4月14日(月)AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:杉浦太陽、村上佳菜子
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/manabiyori/