アーティストの坂本美雨がお届けするTOKYO FMのラジオ番組「坂本美雨のディアフレンズ」(毎週月曜~木曜11:00~11:30)。3月6日(月)放送のゲストは、音楽グループ・いきものがかりのリーダーで、小説家「清志まれ」としても活動する水野良樹さんです。今回の放送では、小説を書くことになったきっかけや、ペンネームの由来などについて語ってくれました。
坂本美雨、水野良樹さん(いきものがかり)
1982年生まれ、神奈川県出身の水野さん。1999年に音楽グループ「いきものがかり」を結成し、2006年に「SAKURA」でメジャーデビュー。その後、「ありがとう」「YELL」「じょいふる」「風が吹いている」などの楽曲をリリースします。グループ活動と並行して、ソングライターとして国内外を問わず、さまざまなアーティストに楽曲提供をおこなうほか、各メディアでの連載執筆など幅広く活動。
2019年には実験的ソロプロジェクト「HIROBA」を立ち上げ、2023年には初のフルアルバム『HIROBA』をリリース。
2022年には、小説家・清志まれ名義で初小説「幸せのままで、死んでくれ」(文藝春秋)を刊行。デビュー2作目となる小説「おもいでがまっている」(文藝春秋)を3月22日(水)に発売しました。
◆「ずっと書き続けていよう」と思えるように…
坂本:水野さんのソロプロジェクト初のフルアルバム『HIROBA』に収録されている「幸せのままで、死んでくれ」の作詞・作曲、歌唱を「清志まれ」さんという方が担当されていますが、水野さんご本人なんですよね?
水野:小説を書くにあたり、「清志まれ」というペンネームを付けました。
坂本:楽曲と同じタイトルの小説「幸せのままで、死んでくれ」(文藝春秋)が2022年に発売されています。内容は楽曲とリンクしているのでしょうか?
水野:そうですね。世間から幸せだと思われ続けた主人公が、その幸せに苦しんでいく筋書きです。ペンネームという、親からもらったものではない名前をつけるので、「少し血を感じたほうがいいな」と思い、両親の名前や、両親が息子につけようと思っていた名前を全部もじって、「清志まれ」にしてみました。
坂本:なるほど! 分身みたいな感じですね。また新しい作品が出るんですよね?
水野:はい。3月22日(水)に小説「おもいでがまっている」(文藝春秋)を出すことになりました。
坂本:物語を書く小説家としての活動は、急に始まったことなのでしょうか?
水野:5年ぐらい前に、編集者の方から「小説を書いてみませんか?」と言われたのですが、自分が小説を書くなんて思ってもみませんでした。ただ、ちょうどその頃にスポーツ雑誌の連載といった、“書く仕事”をいくつかもらっていて、「ペンネームだったらいいですよ」と半分断るつもりで言ったら、「ペンネームでもいいから書いてみて」と言われたんです。
結果、デビュー作は5年ぐらいかかってしまったのですが、書いているうちに「物語を書くことはすごく面白いな」と感じて、「小説家としてうまくいかなくても、ずっと書き続けていよう」と思うようになりました。結果的に2冊目も出すことができました。
坂本:ちょうど1年で2冊目が出版されるという。
水野:よかったです。間に合った(笑)!
坂本:歌詞を書くときとはまったく違う感じなのでしょうか?
水野:最初は違うと思ったのですが、歌詞でも展開を考えたりしますよね。曲を作ったり、歌詞を書いたりする構造自体は、物語を書くうえでも同じなのかなと思います。
坂本:作詞の部分ではフィクションを膨らませることが多いのですか?
水野:そうですね。自分のことを書くことは少ないです。いきものがかりも、吉岡というボーカリストがいて、自分たちのことを歌うというよりも、聴いてくださるみなさんが、どう感情を乗せていただけるかを考えるタイプなんです。
3月27日週のゲストは、3月27日(月)須田景凪さん、28日(火)Little Glee Monster かれんさん&結海さん、29日(水)松山ケンイチさん、3月30日(木)怒髪天 増子直純さんです。
<番組概要>
番組名:坂本美雨のディアフレンズ
放送エリア:TOKYO FMをはじめとするJFN全国38局ネット
放送日時:毎週月曜~木曜11:00~11:30
パーソナリティ:坂本美雨
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/dear/