TOKYO FMのラジオ番組「ONE MORNING」内でお送りしている「JA共済 presents なるほど!交通安全」。10月25日(金)の放送テーマは、「車の運転者標識・マーク」について。自動車評論家のまるも亜希子さんから、ポピュラーな運転者標識・マークの内容について解説していただきました。
※写真はイメージです
自動車の運転者が表示する標識(マーク)は、ドライバーや車内の状態を歩行者、自転車に知らしめるために用いるものです。種類は道路交通法上で義務づけられているもの、努力義務のもの、安全のために活用するものとさまざまです。
まず、すべての標識は表示位置が定められており、車の前面・後面ともに貼らなければいけません。貼る高さは0.4m以上 〜 1.2m以下で、フロントガラスはNGです。
◆「初心者マーク」「高齢者運転マーク」を解説
続いて、日本の道路交通法に基づく2つのポピュラーな標識「初心者マーク」「高齢者運転マーク」について。初心者マークは、準中型自動車運転免許証または普通自動車運転免許証を取得してから1年未満の方が、運転する車に貼る義務があります。通称「若葉マーク」と呼ばれています。
初心者マークを貼っていないと道路交通法違反になり、準中型車では6,000円、普通車では4,000円の罰金に課せられ、行政処分点数も1点となります。また“免許取得後1年未満”という期間においても注意する必要があり、まるもさんは「例外もありますが、そのあいだに免許停止期間があると、その期間は除かれるため(初心者マークを貼る期間が)どんどん伸びていきます」と説明します。
なお、道路交通法上では「普通車」とありますが、これは“免許の種別上の普通車”という意味なので、軽自動車にも同じ義務が発生します。その点も気を付けましょう。
初心者マーク
次に「高齢者運転マーク」の対象は普通自動車と軽自動車で、当初はオレンジと黄色2色のしずく形のマークでしたが、現在はオレンジ、黄色、黄緑、緑の4色が四つ葉のような形のマークになっています(※変更前のマークも使用可能)。一方で、マークの使用年齢については、かつては75歳以上だったものが現在は70歳以上となっています。
初心者マークとの違いは、貼ることが努力義務である点です。罰則はありませんが、初心者マークともども、他のドライバーが幅寄せや無理な割り込みをした場合は道路交通法違反になります。「ドライバーのなかには、残念ながら自分勝手で危険な運転をする方もいます。“予防”の意味でも付けることをおすすめします」と話します。
高齢者マーク
なお、初心者マークのドライバーは運転の経験が浅く、とっさの判断が必要な場面でもうまく対応できないことがあります。キャリアを重ねたドライバーは、初心者のおぼつかない運転にイライラせず、経験を積んでもらって立派なドライバーに育てていくような気持ちが大切です。高齢者運転マークにも同じことが言えますが、思いやりの心を持って接しましょう。
◆自動車の運転に関する“障がい者マーク”
さらに、自動車の運転に関する障がい者マークが3つあります。1つは、車いすがデザインされた「国際シンボルマーク」です。
国際シンボルマーク
残りは、薄い緑の円のなかに黄色の蝶が描かれている「聴覚障がい者マーク」と、丸い青の円のなかに白い四葉のクローバーが描かれている「身体障がい者マーク」で、この2つには法的拘束力があります。幅寄せや無理な割り込みは罰則の対象となります。
左:聴覚障がい者マーク、右:身体障がい者マーク
ほかにも、道路交通法とは関係のないマークもあります。例えば「ドラレコ作動中」のマークを貼っていれば、あおり運転への対策になります。また、ゆっくり走る車や夜間に室内灯をつける車は、後続車のドライバーへのストレスになりがちですが、「BABY IN THE CAR」「DOG IN CAR」などのステッカーを貼っていれば車内の状態が分かるので、相手ドライバーも許容する気持ちを持てるかもしれません。
トラブルを回避するためにステッカーを貼ることは有効ですが、貼る側の心持ちには注意する必要があります。車に貼られているマークの意味を学び、それぞれが思いやりの心を持って安全運転に努めましょう。
<番組概要>
番組名:JA共済 presents なるほど!交通安全
放送日時:毎週金曜 7:20~7:27