ダウ90000・蓮見翔がパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「日曜大学 supported by 日本大学」(毎週日曜 13:30~13:55)。日常の向こう側にある「誰も気づいていない問い」「まだ名のないもの」「次の時代を作る種」を探求していく架空の大学・日曜大学を舞台に、さまざまな視点を持つ専門家と、パーソナリティである蓮見が、知の楽しさをラジオという「耳の講義室」からお届けします。
2月1日(日)のテーマは、「ワークライフバランス学」。先週に引き続き、日本大学理事長で作家の林真理子さんをゲストに招き、将来に悩んでいる若者に向けてのアドバイスを伺いました。
(左から)パーソナリティの蓮見翔、林真理子さん
◆テレビ出演と作家業の両立が困難な理由
作家・林真理子さんは、山梨県出身。28歳で刊行した初のエッセイ集「ルンルンを買っておうちに帰ろう」がベストセラーとなり、一躍人気作家の仲間入りを果たしました。その後、直木賞、吉川英治文学賞、菊池寛賞など数々の文学賞を受賞し、2018年には紫綬褒章も受章。2022年には、日本大学理事長に女性として初めて就任するなど、文壇にとどまらない活躍を続けています。
そんな林さんの以前の作家業の働き方は、まさに“限界までやる”日々でした。「書く量が多かったし、要領がわからなかったせいもあると思いますけど、根詰めてやりすぎちゃって。貧血を起こして道端で倒れることもありました」と激動の日々を振り返ります。
400字詰め原稿用紙を「1日に60枚書いていたこともあった」と語るほど、その執筆スピードと仕事量は常軌を逸したものでした。当時の原動力について林さんは、「ここで何かをしなければ、二流のコピーライターで終わるという思いがありました」と、デビュー作を書いていた頃の切迫感を明かします。
蓮見が「書くことへの姿勢が変わったタイミングはいつですか?」と質問すると、林さんは「初めての小説執筆」と答えます。エッセイ集での成功後、編集者から「書けるからやってみよう」と小説執筆を勧められたといいます。半信半疑でホテルにこもり、初めて小説を書き上げたところ、林さんはたしかな手応えを実感。1作目にして直木賞候補となり、自身の進むべき道をはっきりと意識するようになります。
一方でその頃、林さんは作家業と並行して、テレビやCMなどのメディアにも数多く出演していました。キャンペーンガールやCM出演、テレビ番組のMCを務めるなど、華やかな世界での仕事も増えていきました。しかし、テレビの仕事は気持ちを外に大きく開放する行為であり、ホテルに戻って原稿に向かおうとしても、興奮を落ち着けることがなかなかできなかったといいます。芸能活動をしながら小説を書き続けることの難しさに触れつつ、創作を続けるためには、「自分なりのワークバランス」が不可欠だと語りました。
直木賞候補として注目を集めていた当時は、外野からの厳しい声にもさらされました。「テレビに出てチャラチャラしている人が(賞を)取れるはずがない」と言われ、受賞後も「話題作りのためだ」と批判されたこともあったと言います。それでも林さんは、「わからない人が何か言っているだけ。時間が経てばわかってもらえる」という信念を胸に、書くことをやめませんでした。
その姿勢は現在にも通じています。編集者に支えられながら執筆を続け、日本大学の理事長として改革にも取り組む林さんは、「多少のことではビクともしない」と言い切ります。過酷な時代を乗り越えてきたからこそ培われた揺るがない強さが、今の林真理子を形作っているのです。
(左から)パーソナリティの蓮見翔、林真理子さん
◆林真理子が今の若者に伝えたいメッセージは?
日本大学理事長を務める林さん。その任期は4年で、現在の任期は2026年までとなっていますが、状況によっては「続投の可能性もある」といいます。精力的に活動を続けている林さんに、蓮見は「今、将来について悩んでいる若者にアドバイスをするとしたら、どんな言葉を贈りますか?」と問いかけました。
林さんが真っ先に口にしたのは、「自分で自分を舐めないほうがいい」という言葉です。かつて就職も決まらず、くすぶっていた時代を振り返りながら、「自分の人生はこんなものかもしれないと思ったこともあった」と率直に明かします。
しかし、自身の可能性を信じていたからこそ、今の自分を作り上げることができたと話します。「小説を書けと言われたら書くことができましたし、理事長もなんとかやれています。やろうと思えばできるんですよ。だから、自分で自分の限界を決めちゃいけないと思います」とコメントしました。
現在、林さんが担っているのは、日本大学という大きな組織を支える役割です。多彩な分野の教授陣が集まり、学生を指導する。その土台を整えるのが自分の仕事だと位置づけ、「学生ファースト」を何よりも大切にしているといいます。「日大に来てよかったな、と思ってもらえるように日々頑張っています」と力を込めます。
最後に、日本大学芸術学部(略称:日藝)の話にも話題が及びます。日藝賞をめぐるやりとりでは、蓮見が「僕の1つ下のVaundyに先を越されました」と苦笑い。これまでの受賞者として、三谷幸喜さん、吉田恵里香さん、爆笑問題、宮藤官九郎さんらの名前が挙がりました。林さん自身も、漫画家・青山剛昌と同時受賞だったことを懐かしそうに振り返ります。
もっとも、林さんは日藝だけを特別視することはありません。法学部、医学部、理工学部など、16学部を擁する日本大学全体を見渡し、「日本で一番大きな総合大学として、その名に恥じないように頑張っている」と語ります。作家として理事長として、林さんは今もなお、自分の限界を決めない姿勢で歩み続けています。
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番組名:日曜大学 supported by 日本大学
放送日時:毎週日曜 13:30~13:55
パーソナリティ:蓮見翔(ダウ90000)