青木源太と足立梨花がパーソナリティをつとめ、暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていくTOKYO FMのラジオ番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」(毎週日曜 7:30~7:55)。3月5日(日)の放送では、内閣官房 事態室 参事官補佐の石田渉(いしだ・わたる)さんに、「『Jアラート』その瞬間、その行動が命を守る!」をテーマに話を伺いました。
(左から)青木源太、石田渉さん、足立梨花
◆意外と知らない「Jアラート」のこと
「Jアラート(全国瞬時警報システム)」は、弾道ミサイル情報、緊急地震速報、津波警報など、対処する時間がない緊急事態に関する情報を、携帯電話などに配信する緊急速報メールや市町村の防災行政無線などにより、国から国民に向けて瞬時に伝達するシステムです。
幅広く運用されているJアラートについて、今回の放送では“ミサイルの情報が送信された場合”というテーマに絞って深掘りしました。
防衛省では、北朝鮮からミサイルが発射された日は昨年1年間で30日以上あり、70発以上ものミサイルが発射されたことを確認しています。しかし、昨年10月4日(火)にJアラートが送信された地域の住民に対して「ミサイル発射を知った後、避難などはしましたか?」というアンケート調査をおこなったところ、「避難などが不必要と考え、避難しなかった」「どうしたらいいか分からず、避難できなかった」と答えた人が、合わせて7割近くもいたそうです。
石田さんは「私たちの仕事は、災害やミサイル発射などの攻撃から国民の皆さまをどう守るかを考えること。(内閣官房では)“国民の皆さまを保護する”という目的で、Jアラートの送信をおこなっています」と説明します。
また、Jアラートは、ミサイルが日本の領土・領海に落下する可能性がある場合、または、領土・領海の上空を通過する可能性がある場合に送信されます。逆に、落下や通過の可能性がない場合はJアラートを送信しないため、「“ミサイル発射=Jアラート”ではありません」と強調します。
ちなみに、2022年の1年間で70発以上のミサイルが北朝鮮から発射されたものの、Jアラートが送信されたのは2回だけですが、「私の部署の職員は、日ごろから災害が起こったり、ミサイルが発射されたりすると、24時間365日、いつでもすぐに首相官邸の危機管理センターに集まり、対応にあたっています」と石田さん。
実際、昨年の大晦日の朝、そして2023年を迎えた元日の真夜中2時台にもミサイルが発射されたため、「すぐに危機管理センターに向かいました」と振り返ります。
このように、北朝鮮のミサイルが発射されるたびに対処している内閣官房の方々が、Jアラートを送信する決断を下すというときは、私たち国民への危害が及ぶ確率が高いということです。
◆Jアラートが送信されたら…どう行動すれば良い?
石田さんによると、昨年10月4日(火)に青森県の上空をミサイルが通過した際、北朝鮮によるミサイル発射を確認してから5分ほどでJアラートが送信されたそうです。
「ミサイルの種類や発射の方法、発射場所などによって異なりますが、北朝鮮から発射されたミサイルが日本へ飛来する場合、10分もしないうちに飛来すると予想されています。ですから、Jアラートによる情報伝達を聞いたら、住民のみなさんは、すぐ行動に移していただきたい」と注意を促します。
また、日本の領土・領海に落下する場合だけでなく、上空を通過する可能性がある場合にもJアラートが送信される理由については、「ミサイルが上空を通過する際には、分離した部品などが日本に落下するおそれがあるため、落下に備えて避難をする必要がある」と話します。
避難行動は状況によってさまざまですが、ミサイルが落下すると、爆風や破片などが飛んでくる可能性もあるため、「こうした被害を避けるためにも、できればコンクリート造りなどの頑丈な建物に避難してください。また、屋内にいる場合は窓から離れ、できれば窓のない部屋に移動しましょう」と注意喚起します。
屋外にいて周囲に丈夫な建物や地下がない場合は、「近くに公園の遊具やベンチなどがあれば、身を寄せ、隠れて頭を守る体勢をとってください。何もなければ、その場に伏せて頭部を守ってください。ただし、車のなかや車の近くにいるのは、ガソリンなどに引火するおそれがあるため危険です。できるだけ車から離れて、地面に伏せて頭を守っていただきたい」と解説します。
車を運転中の場合は、「状況に応じて、車を止めて近くの建物のなか、または地下に避難し、建物などがなければ、車から離れて地面に伏せて頭を守ってください。高速道路を走行しているときなど、車から出ると危険な場合には、車を安全な場所に止めて、車内で姿勢を低くして、指示があるまで待機してください」と石田さん。
過去には、建物の影にいたことで一命を取りとめた事例もあるため、「木陰に隠れたり、地面に伏せたりするだけでも、爆風や破片から身を守れる可能性はあるので、決して無駄とは思わずに、行動をとってほしい」と念を押します。
最後に、「みなさんには改めて、Jアラートの目的をご理解いただき、もしものときには迅速に避難行動をとってください。また、
『内閣官房 国民保護ポータルサイト』では、避難行動を紹介しているほか、都道府県などが指定している緊急一時避難施設を地図で検索することもできますので、ぜひ、ご覧ください」と呼びかけました。
Jアラートが送信された場合、「どういう行動をとればいいのか分かっていなかった」という足立。今回のテーマを通して、「屋外にいる場合は『近くにある頑丈な建物、または地下に避難してください』という明確な答えをいただいたので、これからはちゃんと避難しようと思いました」と話します。
青木は、「Jアラートが送信されたときは、本当にミサイルが落下する可能性がある、ということを忘れずに行動することが大事」と自らに言い聞かせていました。
(左から)青木源太、足立梨花
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聴取期限 2023年3月13日(月) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:青木源太・足立梨花 Sunday Collection
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:青木源太、足立梨花
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/collection/