放送作家・脚本家の小山薫堂とフリーアナウンサーの宇賀なつみがパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「日本郵便 SUNDAY’S POST」(毎週日曜15:00~15:50)。5月7日(日)の放送は、キャンピングカーで日本中を旅している、画家の綾海(あやみ)さんをゲストに迎えて、お届けしました。
(左から)小山薫堂、綾海さん、宇賀なつみ
1996年生まれ、長崎県出身の綾海さん。小さい頃から絵を描くことが好きで、デザイン専門学校に入学するタイミングで上京。専門学校を卒業後は、都内のデザイン事務所に勤務し、グラフィックデザイナーに。しかし、業務をこなしていくなかで「デザインとアートはやはり違うということに気づいて、アートをやりたいと思ったんです」と画家へと転身した経緯を語ります。
とはいえ、旅をせずとも絵は描けるため、小山からは「なぜ旅をしようと思ったんですか?」との質問が。綾海さんは「私の絵の具にその理由があるんですけど、廃材から作られているんですね。その廃材というのも、いろいろな地域の廃材なんです。例えば、沖縄の珊瑚だったり、岩手の鹿のツノだったり、有明海のヘドロだったりとか、そういうものから作られているので、素材集め兼、移動式のアトリエみたいな感じですね」とその理由について言及。
こうしたエコアート、自然のものを使って創作活動を始めたのは、およそ2年前。宇賀がそのきっかけを尋ねると、「もともとずっと絵が好きで、絵で幸せな人をいっぱい増やしたいと思っていたんですけど、あるきっかけで沖縄の環境問題のシンポジウムに参加したときに、珊瑚がいっぱい白骨化していて、除去をしないと新しい生命が生まれない、しかも(白骨化した珊瑚を)除去するのに10億円もかかると聞いて。除去するお手伝いができないかなと思って、自分と珊瑚の共通点を探して“絵の具にしよう”と思い、それから始めました」と振り返ります。
綾海さんによると、廃材から絵の具を作るのはかなり時間がかかるそうで、小山が「(作ってみて)“あれ!? 色が違うな”と思うこともあるんですか?」と聞くと、綾海さんは「あります、あります」と即答。
「桜の絵の具を作っていると、(イメージだと)ピンクができると思うんですけど、(実際できあがるのは)ピンクがかった茶色みたいな。お蚕さんのフンで作ったときもそうなんですけど、お蚕さんのフンは桑の葉しか食べないから緑なんですよ。でも、緑の絵の具はできなかったんです」とその苦労を話します。
また、綾海さんは「私は美大を出ていないので、絵の技術はやっぱり美大を出ている人には敵わないと思っているんですけど、伝えたい思いはすごく強くあるんです。その伝えたい思いをより強く伝えるために廃材を使っているという感じです」と思いを語る場面も。
廃材で作られた絵の具たち
その地の廃材を絵の具にして作品を描くときのモチーフは、その地域にちなんだテーマにするというこだわりがあり、「『未来の風景画』と言っています。100年後の未来を想定して、その土地の廃材で描いています」と説明します。
今回、綾海さんは東京に滞在中、隅田川に落ちていた桜の枝で絵の具を作り、ちょうど作品の制作を始めるところだそう。「どういう絵にしようかまだ迷っています。100年後の隅田川っていうのは決まっているんですけど、どういう景色がいいのかは、これからです」と笑顔をのぞかせました。
また、この日綾海さんには、蚕のフンから作った絵の具をスタジオに持参してきていただき、その絵の具を使って、小山と宇賀が絵画にチャレンジ! 蚕が食べていた桑の葉を描いた小山は、その色合いに「自然の感じがいいですね、淡い感じで」とご満悦の様子。
一方、宇賀は、「お蚕さんのフンを描きました(笑)」と満面の笑み。「薫堂さんが、(お蚕さんの)食べ物のほうを描いたから、私はこの絵の具の正体を描きました」とその理由を明かし、「本当に見れば見るほどすごくいい色! やっぱり市販の絵の具とは違いますね」と声を弾ませていました。
画家の綾海さん
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<番組概要>
番組名:日本郵便 SUNDAY’S POST
放送日時:毎週日曜 15:00~15:50
パーソナリティ:小山薫堂、宇賀なつみ
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/post/