「上質な音楽を、じっくり味わう。」をテーマにTOKYO FMで放送中の生ワイド番組『THE TRAD』(毎週月曜~木曜15:00~16:50/月・火:稲垣吾郎、山本里菜 水・木:ハマ・オカモト[OKAMOTO‘S]、中川絵美里)。パーソナリティが各音楽ジャンルに秀でたマイスターたちとともに、本質的で流行に左右されない、上質な音楽と趣味の話題をお届けする音楽番組です。今回の放送では、ゲストに歌手の中森明菜さんが登場。印象的だった「少女A」ジャケット撮影や、松田聖子さんにまつわるエピソードなどを語ってくれました。
(左から時計まわりに)パーソナリティの稲垣吾郎、山本里菜、中森明菜さん
<中森明菜プロフィール>
中森さんは1982年に、「スローモーション」にてデビュー。1985年には「ミ・アモーレ[Meu amor e...]」、1986年には「DESIRE-情熱-」で2年連続日本レコード大賞を受賞。その他にも数々の楽曲を発表し、1990年代にはテレビドラマで女優としての活動も活発に。2010年より音楽活動を休止。2022年、デビュー40周年に向けてX(旧Twitter)とウェブサイトを開設します。さらに、ウェブサイト上で新たな「中森明菜OFFICIAL FANCLUB:ALDEA」もオープンしました。
◆デビュー前から松田聖子が大好きだった
稲垣:今日は番組全体でアイドル特集をやっているんですけども、80年代当時のお話をお伺いしたいです。
中森:私はやっぱり(松田)聖子さんが大好きです! 新曲の発売日に駅近くのレコード屋さんにオープン前から行っていましたね。
稲垣:へええ!
中森:レコード屋さんがオープンして「私が一番のお客さんですか?」「一番ですよ」「松田聖子さんの『裸足の季節』はありますか?」「入荷していますよ!」「じゃあ私が一番目ですね!」とか言って買わせていただいたのを覚えています。
稲垣:それはデビュー前の話ですか?
中森:はい。それからずっと全部のシングルを一番に買っていました。
稲垣:聖子さんと共演されているときの歌番組の明菜さんの雰囲気も好きでした。「瑠璃色の地球」とかね。
中森:カバーさせていただきましたね。聖子さんとプロデューサーの方がご一緒だったんです。
◆「少女A」のジャケット撮影は過酷だった
稲垣:明菜さんは当時としては珍しいセルフプロデュースをされていたイメージなんですよ。お衣装もそうだし、ヘアメイクとか振付も。
中森:はい、「禁句」「十戒」「北ウイング」あたりは、衣装から振り付けまで全部自分です。ずっとついてくださっていたスタイリストのお姉さんがいらっしゃるのですが、その方と相談しながら担当させていただきました。
山本:相当お忙しかったと思うんですけれども、それでもやはりセルフプロデュースにこだわっていらっしゃったんですね。
中森:そうですね。最初の「スローモーション」は優しい感じで、みんながほんのりしながら聴ける曲だったんですけど、そのあとに来たのが「少女A」で。当時、私は大嫌いだったんです(笑)。
稲垣:最初はちょっと抵抗があったんですね。
中森:気づけば、アイドル軍団の一員になり、ボイストレーニングも通わされることになったんです。先生からは「見渡す限りかわいい子ばかりで歌もとっても上手だ。お前はどうしたって勝てない」と言われて。それで、「歌でどうにかカバーしていくしかない」ということでした。
稲垣:ちょっと不良少女というか、“ツッパリ明菜ちゃん”の雰囲気がありましたよね。でも、それがすごく斬新でした。
中森:でも「スローモーション」が落ち着いた曲だったので、本当はかわいい感じのを歌いたかったんです。「少女A」のジャケット撮りも「怒らせる作戦なのかな?」と当時は感じましたね(笑)。
稲垣:ちょっと不機嫌な表情ですよね。
中森:ジャケット撮影はサイパンで行った んですけど、カンカン照りで。砂浜は真っ白だから(眩しくて)目を開けられないんですよ。しかも、私が座っているベンチの下に、6枚ほど金色のレフ板が並べられたんです。
「カメラを向いて、目を開けてニコって笑って座ってください」ってリクエストされたから、「お前がやってみろよ……」とか内心思って(笑)。
山本:カッコいい(笑)!
中森:そのなかでも必死に目を見開いていたら、自然と睨みつけたような、ムスッとした表情になったのがジャケットになってしまった(笑)。
稲垣:でも、その二面性がすごく刺激的でもありました。
中森:あれ、本当に怒っているんですよ(笑)。
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山本:今日は中森明菜さんをお迎えしてきました。デビュー43周年記念日の5月1日(木)に、ライブ映像作品「FANCLUB LIVE『ALDEA Bar at Tokyo 2024』」と、ベストアルバムを付属したトリビュートアルバム『明響』が発売されますので、みなさんぜひチェックしてみてください。
稲垣:これからも明菜さんのペースで歌ってくださるのでしょうか?
中森:はい。7月にも誕生日に合わせてライブも開催させていただきたいと思っておりますし、いろんなショーを予定しています。一人でも多くのファンの方が喜んでいただけることを目指しながら、一つひとつ頑張っていきたいと思います。
稲垣:嬉しいね。楽しみです!
<番組概要>
番組名:THE TRAD
放送日時:月~木 15:00~16:50
パーソナリティ:月・火:稲垣吾郎、山本里菜 水・木:ハマ・オカモト[OKAMOTO‘S]、中川絵美里