声優界随一のサイクリスト・野島裕史がパーソナリティをつとめ、自転車をテーマにお届けするTOKYO FMのラジオ番組「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」。4月7日(日)の放送は、声優の小野大輔(おの・だいすけ)さんを迎え、お届けしました。
(左から)パーソナリティの野島裕史、小野大輔さん
◆小野大輔念願の“納車スペシャル”
野島:今回はスペシャルゲストが遊びに来てくださいました!
小野:声優の小野大輔です! 呼んでいただいてありがとうございます。というか、待っていました! ついにこの日が来ました!
野島:僕も待っていました&お待たせしました(笑)。
小野:そうですよ~。今回は僕の愛車の“納車スペシャル”として呼んでいただいたと思っています(笑)。
野島:それは初めて聞きましたけどいいですね(笑)。この番組への出演は去年の3月以来、前回は2週連続で出演いただいたので通算3回目。この番組は声優ファンのみならず自転車ファンもお聴きなので、もしかしたら小野大輔くんのことをご存知ない方もいらっしゃるかもしれません。そこでまずは簡単にプロフィールをご紹介させていただきます。
大学在学中からテレビやラジオの制作に携わり、2001年から声優としての活動をスタート。2006年に「涼宮ハルヒの憂鬱」の古泉一樹役で注目を集め、以降は「ジョジョの奇妙な冒険」や「おそ松さん」、「進撃の巨人」などの人気作に出演。さらには、映画の吹き替えなど幅広く活躍しています。
そもそもアニメ「弱虫ペダル」のオーディションをきっかけにロードバイクにハマり、最初はイタリアのブランドcinelli(チネリ)の自転車に乗っていたんですよね。
小野:“Experience”というバイクですね。cinelliのなかでも入門用で、その名の通り“ここから経験を積んでいけば”という意味だったんだなと今、改めて思いますが……。当時cinelliを選んだのはお兄ちゃん(野島)の影響なんですよ。お兄ちゃんが「僕、cinelliが好きなんだ」って言っていたから。
野島:そうなんですね!
小野:「弱虫ペダル」で僕が演じていたのは“銅橋正清”っていうキャラクターなんですけど、(銅橋が)乗っていたのはSPECIALIZED(スペシャライズド)の“S-WORKS”なんです。で、そのS-WORKSを調べたら「これは高い!」と思って。
野島:確かに(S-WORKS は)SPECIALIZEDのなかでも上位クラス、プロ仕様の自転車ですが、昨年、番組に出演してもらったときに(新しく自転車を購入するにあたって)S-WORKSかcinelli、どちらにするか悩んでいたんですよね。
小野:そうなんです。それでこの番組でcinelliの“SUPERCORSA”を買います宣言したんですけど、テレビのバラエティ番組でよくある「買いますか? 買いませんか?」みたいな流れがまさか自分に降りかかってくるとは思いませんでした(笑)。
あのときは本当に心から(SUPERCORSAが)欲しいなと思ったんですけど、「この番組に買わされた」と言っても過言ではないです(笑)。
◆小野大輔が野島と作り上げた新たな愛車SUPERCORSA
野島:小野くんが悩みに悩んで決めたCinelliのSUPERCORSA。これはとてもマニアックでクラシカルなロードバイクで、普通、自転車は買ってすぐに乗れる状態で販売されているのですが、これはパーツがバラバラで売っている自転車なんです。
小野:そうなんですよね。最初のロードバイク、Experienceを買ったときはそんなことも知らず、完成車を買って乗っていて。その後ホイールなどを交換したりしましたが、今回のようにフレームから組み立てるというのは初めてでした。
野島:そうですよね。なので、小野くんひとりで全て作り上げるのは難しいかなと思って(今回お手伝いしました)。
小野:本当に難しかった! 何もわからなかったです。前回この番組に出演させてもらった昨年の3月頃はソロライブツアーが全部終わって、「何かご褒美が欲しいな」と思っていたんですよ。
それでこの番組でお兄ちゃんに相談してSUPERCORSAを注文したら、フレームが届くまでに半年くらいかかりますよって言われて……。
野島:愕然としていたよね。「ご褒美なのに半年後!?」みたいな(笑)。
小野:それでもお兄ちゃんは「早いほうかもね」って言っていたので驚いたけど、それから待ちに待って秋口にようやく(フレームが)届いたんですよ。(東京・目黒の)祐天寺にある『CorsaCorsa』さんというビンテージパーツをいっぱい扱っているお店に。
野島:あそこは見ているだけで楽しいよね。貴重なバイクやパーツがたくさん並んでいて。
小野:あの空間、最高ですね! それで連絡があって行ってみたら金属製の三角形のものがあったんですけど、見た瞬間に“美しい!”と思いましたね。
野島:やっぱり美しいと思いましたか。
小野:そうですよ。だからすぐに写真を撮ってお兄ちゃんに共有したら、お兄ちゃんも「いいね~」って。それで「僕もSUPERCORSAが欲しいんだよ~、だからめちゃくちゃいいものを組もうね!」って言ってくれて。そこからパーツ集めがスタートしたという感じで。
野島:そう。それでまずは僕が持っているパーツでSUPERCORSに合いそうなものを倉庫から出してきて。車輪はCampagnolo(カンパニョーロ)のSHAMALという、購入してから10年以上経っているもの。1980年代に売っていたものです。
小野:そもそもSUPERCORSAがその年代のものなんですか?
野島:もっと前からあるんですけど、その時期に今の形に落ち着いてきて。
小野:それは『CorsaCorsa』の(代表)江口さんも言っていましたね。現行のSUPERCORSAの形は1984年辺りから変わっていないって。
野島:そうそう、変わっていない。その頃から完成しているんです。
小野:そこに合わせてのSHAMALというチョイスですよね。また、このリムが深くて……。
野島:当時としてはかなりディープなリムで、しかも当時はアルミ製なので、この輝きがまた(SUPERCORSAの)Azzurro Laser(アズーロレーザー)というカラーに合うんですよね……って僕らすごく語っていますけど、リスナーの方に大事なことを伝えるのを忘れていました。実は小野くん、今日はスタジオに自転車を持ち込んでいるんですよね。
小野:そうだ、それを言っていなかった(笑)。
(左から)小野大輔さん、パーソナリティの野島裕史
◆スタジオに小野大輔の新たな愛車が登場!
野島:今日は小野くんがようやく完成させたロードバイクをスタジオに持ち込み、僕らはそれを眺めながらしゃべっているのですが……。
小野:(スタジオに)入ったらスタッフさんが「おお~」、「きれい!」って。
野島:当番組のプロデューサーも「美しい……」って唸っていましたね。
小野:嬉しいですよ。「これはグレーですか? 青ですか?」ってディレクターさんがおっしゃっていましたけど、これがアズーロレーザーで、cinelliといえばこの色みたいな。
野島:代表的なカラーですね。そして、先ほど話したSHAMALのセミディープリムのシルバーの感じとよく合うんですよね。今回、全体的にシルバーのパーツで揃えました。
小野:もう(スマホの)待ち受けにしています。ハンドル周りからステムの辺りを通って、ホイールにかけてのラインを写真に撮ってニヤニヤしながらずっと見てますね(笑)。パーツの話で言うと、お兄ちゃんに用意してもらったのはSHAMALのホイール、ヘッドパーツ、ステム、あとはシートポスト……。
野島:“Cレコ” と言われていた時代のCampagnoloのシートポストですね。これは番組で「飲める自転車パーツ」の回で紹介したことがあって、あの鉄の棒を持っているだけで(お酒が)飲めるって話をさせていただいたんですけど、小野くんも今ならその気持ちがわかるでしょ?
小野:わかる。今だったら十分飲める。ウイスキーがいいですね(笑)。
野島:いいですね~、あの輝きを見ながらちびちびとね。
小野:自転車を組んでいる最中は、お兄ちゃんとなかなかスケジュールが合わなくて。本当なら『CorsaCorsa』に2人で行って(パーツを)選びたかったんですよ。
でも、スケジュールが合わないから、一度アフレコが一緒になったときなんかは、スタジオでお兄ちゃんがバッグから「持ってきたよ!」って鉄の棒を出してきて(笑)。僕は「おお~」ってなりましたけど、周りの出演者は「えっ!? あの人たち何やっているの?」ってなっていましたから(笑)。
野島:そんなこともありましたね(苦笑)。でも、そのシートポストの上に乗っているサドルは小野くん自ら入手したものですよね。これがまたCinelliのマークが入ったビンテージの貴重なサドルで、同じ時代のものをきれいな状態で手に入れましたよね!
小野:ありがとうございます! Volare(ヴォラーレ)というサドルなんですけど、初めてメルカリで購入しました(笑)。
野島:ビンテージのものは普通のショップではなかなか手に入らないので、いろいろな手段で探したほうがいいってアドバイスをしていたんですよね。
小野:前のバイクではわりと新しいモデルのサドルを使っていたんですけど、今回のものには新しいものは絶対に合わないなと思って。皮製のビンテージで、後ろに“Cinelli”って金属板で入っているものを探していたらドンピシャなものに出会って。
野島:本当にドンピシャですよね、よくぞ見つけました。正直、僕は(ビンテージのサドルは)手に入らないと思っていて、サドルだけは妥協しようと思っていたんですよ。もうちょっと年代が若いもので、SUPERCORSAになんとなく合いそうなものをイメージしていたんですけどね。
小野:芝居でもこんなに褒められたことがないっていうくらいお兄ちゃんに褒められましたね(笑)。「これはすごいね! 小野くんやったね!」って。それがめちゃくちゃ嬉しくて。
野島:確かにどんな役をやってもここまで褒めたことはないね(笑)。僕がこだわったところとしては駆動系。ブレーキやギアはちょっと新しめの、2010年代前後の頃のパーツを入手して付けさせてもらいました。
小野:それは乗りやすさを意識してですよね、さすがです。CampagnoloのATHENA(アテナ)とか。これまた『CorsaCorsa』の江口さんが言っていたんですけど、「これはさすが! 野島チョイスです」と。
野島:もう本当にラジオで話をしているのがもったいないくらい、ずっとこの自転車を見ていたい(笑)。
小野:ダメですよ!(笑) でも、これだけでもまだまだ語れますからね。
野島:そうなんです。しかし、残念ながらお時間になってしまったんですよ……。まだ10分の1くらいしか話していないし、もっとお話を伺いたいので、小野くんには来週もお付き合いいただけますでしょうか?
小野:いいとも!
野島:では、来週もよろしくお願いします!
4月14日(日)の「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」は引き続き、小野さんをゲストに迎えてお届け。野島が製作をサポートした小野さんの自転車について、さらなる製作秘話や気になる乗り心地を伺います。お楽しみに。
<番組概要>
番組名:サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国24局ネット
放送日時:TOKYO FMは毎週日曜 朝5:00~5:30(JFN各局の放送時間は番組Webサイトおよびアプリ「AuDee(オーディー)」でご確認ください)
パーソナリティ:野島裕史