川瀬良子がパーソナリティをつとめ、日本の農業を応援するTOKYO FMのラジオ番組「あぐりずむ」。毎週火曜は、農業はもちろん、時代の先を捉えるさまざまな研究をおこなっている東京農業大学の農学研究を紹介します。10月15日(火)、10月22日(火)の放送では、博物館情報学研究室の田留健介(たどめ・けんすけ)准教授に、「東京農業大学『食と農』の博物館」にて現在開催中の企画展「南極飯!」の話や、南極での食生活などについて伺いました。
(左から)川瀬良子、田留健介准教授
◆“南極での食事”に注目した理由
食と農の「今まで」「今」「これから」を発信する「東京農業大学『食と農』の博物館」では現在、企画展「南極飯!」を開催中(※2025年3月29日(土)まで)。こちらは田留准教授が企画したそうで、「これまでいろいろな博物館で、南極に関する展示というのはたくさんあったかと思いますが、今回は“食”にスポットを当てて展示しています。なぜ“食”に注目したかというと、南極では食事が一番の楽しみになるんです。また、食べることによって集中力が増し、心を落ち着かせて観測もうまくいく側面もあるので企画しました」と説明します。
田留准教授によると、日本の南極観測隊の場合は現地にシェフが2人派遣され、出発前に“1人1トン(1年分)”の計算で食材を調達したうえで現地に入り、食事バランスやメニューを考えて隊員たちの食事を作るそうです。
ここで、川瀬が「南極での特別な日の食事だったり、特に印象的な食事なんかはありましたか?」と質問すると、田留准教授は「日本の場合『ミッドウィンター祭』と言って、冬至のときに盛大なパーティーみたいなことをやるんです。そのときは全員スーツを着て、ちゃんとしたフルコースを食べると聞いています」と回答。ちなみに、田留准教授が派遣されたのはベルギーの基地だったため、そのフルコースを食べることはできなかったそうです。
さらに、これも田留准教授は体験していないとのことですが、南極でも“流しそうめん”を食べることがあると言います。「氷山から穴を掘って(道を作り)、そこにそうめんを流して……一番下に流れる頃には(そうめんが)凍ってないの!? と思ってしまいますが(苦笑)。心を落ち着かせるためにも、普段食べているものをいつものように食べて安心することや、食事を楽しむことが大事みたいですね」と語ります。
企画展では、昭和基地で振る舞われている家庭料理や、昭和基地にいる観測隊員が食べてうれしかった物、おいしかった物を中心に展示しているそうです。
そして、改めて企画展「南極飯!」の見どころを伺うと、「“南極観測隊がどんなものを食べているのか”“なぜ食が大事なのか”。そういったところを見ていただいて、いろいろ感じていただけたらと思います。“食べることは生きること”とよく言いますが、南極ではしっかり食べていないと、指先が冷たくなってきて“命の危険”を何となく感じることもあったります。普段、我々は1日3食を日常的に食べていますけど、それが“命”につながるということをまざまざと感じたのが南極なので、そこをいろんな方に感じてもらいたいです」と話していました。
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10月22日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2024年10月30日(水) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:あぐりずむ
放送日時:毎週月曜~木曜 15:50~16:00
パーソナリティ:川瀬良子