こっちのけんとがパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「G-SHOCK presents THE MOMENT」(毎週金曜17:00~17:25)。さまざまなゲストをお迎えし、生まれてからこれまでの時間のなかで、人の心に刻まれている「人生が変わった瞬間(THE MOMENT)」を探ります。
11月29日(金)と12月6日(金)の放送では、シンガーソングライターの冨岡愛さんがゲストに登場。この記事では12月6日の放送の模様をお届けします。初めてオリジナル曲を書いたエピソードや、SNS総再生回数2億回超えのヒット曲「グッバイバイ」の制作エピソードなどについて語ってくれました。
こっちのけんと、冨岡愛さん
2002年生まれ、東京都出身の冨岡さん。4歳~15歳までオーストラリアのゴールドコーストで過ごし、高校2年生より作詞作曲を開始。2021年、シンガーソングライターの優里さんが審査員を務めた「ネクストブレイクシンガー発掘オーディション」で優勝。翌年4月、優里さん提供の楽曲「ラプンツェル」をリリース。2023年9月にリリースした楽曲「グッバイバイ」は、TikTokなどSNSを中心に国内外から話題を集め、総再生数2億回を超えるほどのヒットを記録。2025年4月には、自身初となる東名阪ツアー「Tomioka Ai 2025 Live Tour」を開催予定です。
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こっちのけんと:先週の放送を終えていかがですか?
冨岡:久しぶりのラジオトークだったんですけど、すごく楽しいです!
こっちのけんと:こちらこそ! YouTubeやライブでお会いしたことはあったのですが、もっとお話ししたいなとずっと思っていたんです。早速ですが、冨岡さんのその後の人生を変えた瞬間、3つ目のモーメントを教えてください。
冨岡:「2019年 初めてオリジナル楽曲を作る」です。
こっちのけんと:(オーストラリア留学後、お母様の実家がある)大阪に来たのは何年でしたっけ?
冨岡:2018年なので1年後ですね。
こっちのけんと:オリジナルを作ろうと思ったきっかけはありました?
冨岡:ギターを持った瞬間から「オリジナルを作りたい」とずっと思っていたのですが、作り方がわからなかったんです。高校2年生のタイミングでした。
こっちのけんと:部活には入っていました?
冨岡:帰宅部だったので家に帰ったらすぐにギターを触っていました。
こっちのけんと:すごい!
冨岡:ただ、軽音部にはけっこうお世話になったというか、学園祭を仕切っていたのが軽音部だったんですよね。
こっちのけんと:なるほど。ということは学祭で歌ったり?
冨岡:後夜祭で初めてオリジナルを披露しました。学校行事で「プロム」というイベントがあるのですが、めっちゃ仲が良かった男の子が、ずっと片思いしている女の子を誘ったんです。告白するために。
こっちのけんと:映画で観るやつだ(笑)!
冨岡:私は、彼なら「絶対大丈夫!」と思って背中を押したんですけど、見事に全員の前でフラれてしまって。そのときにすごく責任を感じてしまって、かける言葉がない中で書いたのがオリジナル曲の1曲目なんです。
こっちのけんと:タイトルを聞いてもいいですか?
冨岡:「Red Carpet」という曲です。中庭にレッドカーペットを敷いて、(好きな人に)告白をするイベントだったので。本人には申し訳なくて何も言えなかったんですけど、後夜祭で歌いましたね。
こっちのけんと:僕も初めて曲を作ってみようと思って挑戦したときに、ゼロから作るのがめっちゃ難しくて。最初は人に向けた手紙として作ったんです。兄(菅田将暉)の誕生日に、兄が過去に出演した作品をメモで並べたら、文章にできるぐらいの文字数になって。
冨岡:すごい!
こっちのけんと:出演作のタイトルや関連する言葉を歌詞にして、アカペラで届けたんです。
冨岡:感動的なお話ですね。
こっちのけんと:その人の人生を客観的に思って、今必要かもしれないし、自分ができることはこれだけかもと思って作ったのが最初だったんです。だから、お互い感覚的な部分がめっちゃ似ているかもしれません。
冨岡:似てますね。嬉しい!
◆スランプ期間を経て生まれた「グッバイバイ」
こっちのけんと:続いて、人生4つ目のモーメントは?
冨岡:「2023年 1年間曲が書けない期間を経て久しぶりに書いた曲が『グッバイバイ』」です。
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こっちのけんと:冨岡さんといえば「グッバイバイ」ですけど、1年間書けなかったんですか!?
冨岡:そうですね。この1年間は何を書いても、何をしたら良いかわからないというか、自分でも初めてのことで。
こっちのけんと:そうなんだ。
冨岡:そのときに「失うものはない」と思って書いたのがこの曲です。
こっちのけんと:失うものはないっていう状態で、こんなカッコいい曲が書けるんだ! いま思い返してみて、書けなかった理由はわかりましたか?
冨岡:たぶん、考えてすぎていたのかなと思っています。周りの声も100%真に受けていたのかなと。当時は自分に自信がなかったのかなって思います。
こっちのけんと:1年間って長いですよね。それでいうと、僕も「はいよろこんで」という曲を作る前に精神的に病んでしまって、人と連絡が取れない状態になったんです。そこから復活して、曲をまた作ろうかと思ったんですけど、まったく作れなくて。それこそ、自分も考えすぎてしまって、「もういいや! 何にでもなれ」と思って作ったら意外と良かったんですよね。
冨岡:めっちゃいいじゃないですか! それこそビックリなんですけど(笑)!
こっちのけんと:だから気持ちがわかるというか。1年間書けないと、たしかに(自身の)職業のことを考えちゃいますね。
冨岡:正直そうですね。19歳~20歳にかけて「何してるんだろう……」みたいに思ってました。
こっちのけんと:周りの人たちもキラキラしていく時期ですもんね。「グッバイバイ」はどのように完成したのですか?
冨岡:今まで、歌詞に英語を入れてはいけないという“謎のルール”を設けていたのですが、一度無視しようと思って。もともと韻を踏むのも好きだったので、Aメロから書いていきました。
こっちのけんと:ちゃんと! サビからじゃないんですね。冨岡さんにとって曲を書くことはどういう感覚ですか?
冨岡:私は言葉が好きなので、まず好きなワードを見つけてそこから広げることが多いです。
こっちのけんと:めっちゃ似てる~! だから僕は冨岡さんの曲がめっちゃ好きなんですよね。
冨岡:そう言っていただいて嬉しいです!
こっちのけんと:僕も言葉から広げていくタイプというか、言葉を分解してサビにして、それにストーリーを持たせていく感覚があります。僕の場合ネガティブな部分を晴らすというか、自分のために“処方箋”を出すような感覚で書いているんです。勝手に似ているなって思っちゃいました。
冨岡:嬉しいです。楽曲がすごくキャッチーですよね。
◆マイリー・サイラスの曲が心の支えに
こっちのけんと:この時期、制作に関係なく聴いていた楽曲はありますか?
冨岡:マイリー・サイラスの「The Climb」という曲をずっと聴いていました。
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人生を山登りにたとえた楽曲です。山を登っている最中に負けてしまう戦いもあるだろうし、つまずくこともあるかもしれないけど、上から見た景色はキレイだよってことを歌っています。
こっちのけんと:なるほど。
冨岡:自分としては、「負けるときもある」という言葉にすごく救われました。負けるのも悪いことじゃないし、最後に勝てたらいいのかなっていうメッセージが曲に詰まっている気がして。
こっちのけんと:たしかに、今できないことがあったときに「ここが終着点じゃない」と言われると安心するというか、この先に何かがあるんだって思えてきますね。そういう音楽の精神的な部分って、今の冨岡さんのオリジナル曲にもあると思います。
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12月6日(金)放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2024年12月14日(土)AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:G-SHOCK presents THE MOMENT
放送日時:毎週金曜 17:00~17:25
パーソナリティ:こっちのけんと