あのカバーアートにはお手本があった!? SPITZが影響を受けた“名作レコードジャケット”を草野マサムネ自ら紹介！

SPITZのボーカル・草野マサムネがパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「SPITZ 草野マサムネのロック大陸漫遊記」。ラジオを乗り物に、音楽を地図代わりに、「ロック大陸」というパラレルワールドを漫遊する1時間の旅。4月16日（日）の放送では、「SPITZが影響を受けたレコードジャケット」を紹介しました。

SPITZ

◆SPITZが影響を受けたレコードジャケットを紹介

今回は、「SPITZが影響受けたレコジャケで漫遊記」と題して、これまでのCDジャケットを制作するにあたって、影響を受けた洋楽の名作レコードジャケットを草野自らが制作当時のエピソードを交えて紹介していきました。


■ブラック・サバス『パラノイド』

ヘヴィメタルのオリジネイターとも言われるブラック・サバスが、1970年に発表した2作目のアルバムで、全英1位、全米では12位を記録。動いている被写体をコマ撮りしたような、特徴的なビジュアルが印象的なジャケットです。ジャケットデザインに影響を受け、生まれたのがSPITZのアルバム『ハヤブサ』のカバーアートだと明かした草野は「モロなオマージュでわかりやすいかなと思い、1曲目にしました」とコメント。

■ユーライア・ヒープ『ルック・アット・ユアセルフ（邦題：対自核）』

ブリティッシュ・ハード・ロックバンドのユーライア・ヒープが、1971年に発表した3作目のアルバム『対自核』。ジャケットが、SPITZの2作目のアルバム『名前をつけてやる』のカバーアートに影響を与えたそう。「写真はぐにゃぐにゃに曲げられる鏡を使って歪んだ絵になるようにして撮っているんですよね。なので、(自分たちのジャケットの)表の猫ちゃんも裏のメンバー写真もそうやって同じように撮っています。こちらの撮影のヒントになったのが、『対自核』の裏ジャケットです」と解説しました。

■ソフィー・セルマーニ『ソフィー・セルマーニ』

スウェーデンの女性シンガー・ソングライターであるソフィー・セルマーニが、1995年にリリースしたファースト・アルバム。晴れた屋外でほほ笑む女性のジャケットの雰囲気が気に入ったSPITZは、8作目のアルバム『フェイクファー』ジャケットの撮影で構成を参考にしたとのこと。草野は「ロケ当日はすごく晴れたんだけど、撮影前夜に想定外の雪が降ってけっこう積もったの。でも、それが結果的にレフ板効果を生んで、めちゃくちゃ光を感じるジャケットになりました」と、撮影秘話を明かしました。

■ロバート・ワイアット『シュリープ』

元ソフト・マシーンのドラマーで、シンガー・ソングライターのロバート・ワイアットが1997年にリリースしたソロ・スタジオ・アルバム。空を飛ぶ鳩の上に乗って眠る男性が描かれた、独特の世界観を感じさせるジャケットが目を引きます。SPITZの15作目のアルバム『醒めない』のジャケットをデザインする際に参考にしたアルバムであり、「大きな生き物にしがみついている自分みたいなイメージでした」と草野は話しました。

■サンディ・デニー『ザ・ノース・スター・グラスマン・アンド・ザ・レイヴンズ（邦題：海と私のねじれたキャンドル）』

70年代のUKフォーク・トラッド界の歌姫、サンディ・デニーが1971年に発表したデビューアルバム。アンティークな雰囲気を感じるジャケットは、SPITZの16作目のアルバム『見っけ』のジャケットデザインで参考にしたそうです。草野は「先ほど紹介した『パラノイド』のジャケットを撮影したマーカス・キーフさんの作品になります。基本的に好きなレコジャケはキーフさんの作品が多いかも」と草野は語りました。

■スタックリッジ『ミスター・ミック』

フォークをベースにした、イギリスのプログレッシブ・ロックバンドのスタックリッジが1976年に発表した5目作のアルバム。正面を向く「看護師の女性と老人」のモノクロ写真がジャケットとして使われています。SPITZが5月17日（水）にリリースする最新アルバム『ひみつスタジオ』では、『ミスター・ミック』から着想を得て、「技術者の女性とロボット」のアルバムのカバーアートになっています。


◆『ひみつスタジオ』のジャケット制作エピソード

番組冒頭では、SPITZが4月12日（水）にリリースした新曲「美しい鰭」をオンエア。この楽曲は現在公開中の映画「名探偵コナン 黒鉄の魚影（サブマリン）」の主題歌として書き下ろされたものであり、『ひみつスタジオ』にも収録されています。草野は、『ひみつスタジオ』のジャケットの制作エピソードを以下のように語りました。

新曲「美しい鰭」（Polydor Records）

ロボットのデザインを手がけたのは、絵本「怪物園」「Michi」（福音館書店）で有名な画家のjunaida（ジュナイダ）さんです。

「自分でデザインしたかったんですけど、ロボットのイラストって難しいんですよね。一応、『土偶をモチーフにしてください』と要望を出したんですけど、すごくかわいいロボットをデザインしていただきました」（草野）

最新アルバム『ひみつスタジオ』のリリース日である5月17日（水）には、アルバムに収録された歌詞をもとにjunaidaさん によってインスピレーションされた、13編の絵物語が収録された歌画本「ひみつストレンジャー」（角川春樹事務所）を同時発売予定です。

また、ジャケットに写った技術者の女性は、元女優の井上希美さんです。NHK連続テレビ小説「エール」で歌手・藤丸役を演じて注目を集め、草野も「笑顔が素敵な方だったので、いつかアルバムのモデルをお願いできないかなと思ってメモっていました。コロナ禍を経たアルバムなので、明るい黄色をバックに（井上さんの）満面の笑みがほしいなと思いました。ところが（俳優を）引退されていることを知って『マジか！』となりましたが、ダメもとでオファーをしたら快く引き受けてくれました。本当によかったです」と心中を明かしました。

最新アルバム『ひみつスタジオ』は、5月17日（水）にPolydor Recordsより発売予定

＜番組概要＞
番組名：SPITZ 草野マサムネのロック大陸漫遊記
放送エリア：TOKYO　FMをはじめとする、JFN全国38局ネット
放送日時：毎週土曜 21：00～21：55
パーソナリティ：草野マサムネ
番組Webサイト： https://www.tfm.co.jp/manyuki/