手島千尋アナウンサーがパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「防災FRONT LINE」(毎週土曜 8:25~8:30)。4月1日(土)の放送では、一般社団法人AR防災 代表理事の板宮晶大(いたみや・あきひろ)さんに、「AR・VRを活用した防災体験」について伺いました。
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一般社団法人AR防災では、AR(拡張現実)の拡張技術を使って、スマートフォンやタブレット、AR対応ゴーグルで、煙体験や消火体験、浸水体験ができます。そこで今回は、板宮さんにどんな疑似体験が実際にできるのかを伺いました。まずは、煙体験についてです。
「アプリが入った(AR対応の)ゴーグルをかけてもらうと、その人の周りに部屋が映し出され、煙が発生した状態に見えるようになっています。普通に立っていると煙が充満していて周りが見えないんですけど、しゃがむと煙が薄くなる仕様になっていますので、実際にその場で火災が起こったらどうなるのかを疑似体験できます。また、しゃがんだ状態で壁をつたいながらの避難を体験してもらうのも火災体験のひとつです」
続いて、浸水体験についても伺いました。
「アプリが入った(AR対応の)ゴーグルをかけてもらうと、自分の足元が水に浸かって見えなくなっているので、そのような場合にはどういうふうに歩いたらいいのかを体験できます。例えば、マンホールの蓋が開いている場合、普通に歩いていると、蓋が見えなくて落とし穴に落ちてしまう可能性もありますが、傘を探り棒代わりにして歩いてもらうと、障害物をうまく避けられます。なので、浸水しているときは『たとえ水位が低くても、傘などを探り棒代わりにして歩くようにしましょう』ということをお伝えしています」
ARでは、いつも通っている職場、学校、自分の部屋などで訓練や体験をすることができるので、よりリアルに体感することができ、それによって自分ごととして考えることができます。そのほか、VR(仮想現実)での地震体験プログラムもあり、自治体や企業での防災訓練などにも提供されています。防災イベントでは、実際に体験した子どもたちからこんな反応があったそうです。
「(煙体験では)においは実際にはしないんですけど、『煙のにおいがしてきた!』って言うんですね。それぐらい(リアルに)自分ごととして捉えてくれています。また“(火災の現場では)しゃがんで避難する”ということを覚えてもらっています。企業さんの防災訓練でも、自分たちが普段いるオフィスビルでは、煙がある状態だと案外(周りが見えなくて)動けないものです。そして、しゃがんだ姿勢で非難するのはキツイということを実感してもらえて、『非常時でもみなさんが行動できるような意識をさらに持って臨むことができた』とおっしゃる方も多いです」
端末を用意して簡単に災害時のリアルを感じることができ、大がかりな設備が必要のないARとVRを活用した防災訓練が、今後も増えていきそうですね。気になった方は「一般社団法人AR防災」で検索してみてください。
<番組概要>
番組名:防災FRONT LINE
放送日時:毎週土曜 8:25~8:30
パーソナリティ:手島千尋
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/bousai/