市川美絵がパーソナリティをつとめるラジオ生放送番組「Seasoning～season your life with music～」。5月19日（木）の放送は、木曜レギュラーパートナーの若新雄純（慶應大学特任准教授などをつとめるプロデューサー）が登場。最近起きたニュースを独自の視点で解説する「若新雄純の『色メガネ』」のコーナーでは、中高生の「SNS事情」について取り上げました。

木曜レギュラーパートナーの若新雄純

◆子どものSNSデビュー…親はどう接するべき？

学習管理アプリ「Studyplus（スタディプラス）」のサービスを使っている中高生1,869人を対象に実施した調査によると、「中学卒業までに『 “SNSデビュー”した』と回答した人が8割以上だったことがわかりました。

＊

TwitterやFacebook、Instagram、TikTokなど、さまざまなSNSがあります。その一つひとつを、子どもがどのように利用しているかを把握するのは難しいことです。

また、SNSがきっかけでいじめや犯罪に巻き込まれる可能性がゼロではないため、思春期の子どもがいる保護者にとって、SNSは心配事の1つとなりつつあります。

そんななか、子どものSNSの利用について「どのように制限すればいいのか」と聞かれることがあると言う若新は、「思春期の子どもたちを制限するのは無理だと思う」とキッパリ。「一番大切なのは、いかにして子どもたちに“危険性”や“安全な使い方”をうまく伝えるかではなく、そのことについて、子どもと気軽に会話できる状態をつくっておくことが重要」と主張します。

頭ごなしに「やってはダメ！」「危険だから……」と制限しようとしたり、「見せなさい」とプライバシーに踏み込んだりすると、「（思春期の子どもたちは）そのことについて親と会話をしたくなくなる」と指摘。「人間って、自分が好きなものや関心のあるものをネガティブに捉えている人と会話したくないもの」と語ります。

子どものことが心配なのであれば、「親も（SNSを）始めるしかない」と若新。とはいえ、アカウントを開設し、子どものアカウントをこっそりとチェックするのではなく、「子どもに『SNSを始めたんだけど、どうやって遊ぶの？』と聞けばいい。そうすれば、必ず教えてくれるはず」と私見を述べます。

子どもが興味のあることを親も始めることで、例えば「こういう動画が面白いよ」「私が好きなアカウントだよ」といった具合に、「子どものほうから親におすすめしたくなると思う」と若新。

というのも自身が中学生時代、夢中になって音楽を聴いていると親から「変な音楽を聴いているんじゃないか……」と勘ぐられていたものの、X JAPANを聴き始めたときに、「X JAPANのことだけは『すごいな』『いい曲聴いているね』と親が反応してくれた」と振り返ります。

当時、事あるごとに親に反抗していた若新少年でしたが、大好きなX JAPANを肯定してくれたことがうれしく、自ら「この曲がいいから聴いてみなよ」と話しかけるなど、自然と“会話”が生まれたと言います。

あらためて当時を振り返り「思春期でいろいろ対立しながらも、コミュニケーションをとる機会が保たれていたし、自分が好きなものを親も興味を持ってくれたのは、すごくうれしかった」としみじみ。

子どもに良かれと思って「そんなもの良くない」「こっちのほうがいい」「お前のことを心配して言っているんだ」と叱ったところで、「子どもには何にも響かない」と若新。SNSについても同様で、心配だからといって頭ごなしに否定から入るのではなく、一緒に始めて分からないことを質問すると、「親は自分のことを否定しているわけではなく、場合によっては共感してくれているという“安心”も生まれると思う。思春期のややこしい時期だとしても、つながりをうまく保てるのではないか」と話します。

中学時代の自身の経験からも「SNSでもゲームでも、子どもがハマっているものは、親も一緒になって遊んでみることをおすすめしたい。子どものことを心配して制限しがちだけど、一緒に遊ぶことで話し合える関係を続けるが大事」と話しました。

＜番組概要＞
番組名：Seasoning～season your life with music～
放送日時：毎週月曜～木曜　13:30～15:55
放送エリア：TOKYO FMをのぞくJFN全国20局ネット
パーソナリティ：市川美絵、角田陽一郎（月曜）、乙武洋匡（火曜）、副島淳（水曜）、若新雄純（木曜）
番組Webサイト：https://audee.jp/program/show/38286