手島千尋アナウンサーがパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「防災FRONT LINE」(毎週土曜 8:25~8:30)。7月15日(土)の放送では“線状降水帯のポイント”について取り上げました。
※写真はイメージです
線状降水帯とは、次々に発生した積乱雲が帯状に連なり、数時間にわたって同じ場所に停滞して雨を降らせる気象現象のことを言い、西日本から九州にかけて多く発生しています。
その理由の1つとして、該当する地域は積乱雲の元となる、暖かく湿った空気が入り込みやすい地形のため、積乱雲が同じ場所で発生しやすいことが挙げられます。
ただし、今年6月は静岡県、愛知県、三重県で、去年8月には、新潟県や山形県で線状降水帯が発生していることから、どの地域でも発生する可能性はあるので油断は禁物です。
また、気象庁から発表される「顕著な大雨に関する情報」は、線状降水帯の発生など、災害が起きる危険性が急激に高まっていることへの警戒を呼びかける情報で“警戒レベル4”相当以上の状況で発表されます。
つまり、発令された段階で対象地域に住んでいる方は、危険な場所から避難しなければなりません。
ただし、発表された段階で周辺の状況がすでに悪くなっている可能性があります。まずは、窓から外の様子を確認しましょう。雨の勢いが強くて周囲の様子が見えなかったり、すでに周辺の道路が冠水していたり、土砂災害が起きている場合には、外に出て移動するのはかえって危険です。
その際には、自宅の2階以上の部屋で、かつ崖や斜面から離れた部屋に移動するなどして過ごしましょう。また、マンションの上の階に住んでいる方も、外に出るよりも建物内に留まったほうが安全です。そして、動けるタイミングで近所の鉄筋コンクリートの建物に移動しましょう。
“避難場所に避難しなければ”と考える方もいると思いますが、移動の際に川や崖の近くを通る場合、災害に巻き込まれる可能性がありますので、無理して避難場所に向かうのではなく、近くの安全な建物を目指すようにしましょう。
気象庁では、線状降水帯が発生する可能性が高まった場合、半日前~6時間前を目安に「気象情報」のなかで警戒を呼びかけています。
2022年度は全国で13回の呼びかけがおこなわれ、そのうち実際に線状降水帯が発生したのは3回でした。しかし、線状降水帯が発生していなくても、3時間に150ミリの雨が降ったケースは13回中5回、3時間に140~150ミリの雨が降ったケースは13回中7回、そして、3時間で100ミリ以上の雨が降るケースは13回中12回にものぼっています。
天気予報などで「明日は線状降水帯が発生する可能性があります」と呼びかけているときは、注意が必要だと考えるようにしましょう。そして、避難行動の確認や非常用持ち出し袋の確認も忘れずに。
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7月15日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2023年7月23日(日) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:防災FRONT LINE
放送日時:毎週土曜 8:25~8:30
パーソナリティ:手島千尋