吉田美穂がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「DUNLOP presents みらい図鑑」。日本の美しい風景、地域で受け継がれる伝統、志を持って活動する人など、100年後の地球に生きる子どもたちへ繋げていきたい“ヒト・モノ・コト”を紹介しています。6月6日(土)の放送では、日本ユネスコ協会連盟の青山由仁子さんに「未来遺産運動」についてお話を伺いました。
京都のお祭り「葵祭」
“100年後の子どもたちのためにできることは、なんだろう”。
そんな思いから日本ユネスコ協会連盟が取り組んでいるのが、「未来遺産運動」です。
世界遺産ではなく、未来遺産。登録されるのは、「文化」や「自然」そのものではなく、それを未来へ伝えていくための、“アクション”です。
※美の里を未来へ 石畳地区・村並保存活動(愛媛県喜多郡内子町)
まず、地域文化や自然遺産を未来へ伝えていこうとする活動を、「プロジェクト未来遺産」として登録。未来遺産運動では、それを支援できるような仕組みをつくっていきます。
つまり、未来遺産運動で応援するのは、“活動をする人々”です。
※赤瓦と煙出しの里 加賀ひがしたにの未来プロジェクト(石川県加賀市)
「プロジェクト未来遺産」の選定は公募から。
・原則として2年以上の活動実績があること。
・非営利団体であること。
・地域の人々が主体となって運営していること。
この3つが応募条件となります。
※八女福島 空き町家と伝統工法の再生による町並み文化の継承(福岡県八女市)
長い時間をかけて培われた地域の宝物は、たくさんあります。過疎化や高齢化が進むなか、どうすればそれらを守ることができるのでしょうか?
「はじめの一歩」は、地域を巻き込むこと。
未来遺産のプロジェクトは、この11年の間に登録された活動の数が73に及び、地域を巻き込みながら、地域の宝物を未来へと伝えていく様子は、どれも印象的です。
※野生のサケのふるさと ウヨロ川保全調査・普及プロジェクト(北海道白老郡白老町)
「京都で有名な『葵祭』というお祭りがあるんですね。双葉葵という葉っぱがあって、毎年、お祭りでは、その葉っぱをたくさん使います。ただし、地球環境の悪化によって、なかなかその葉っぱが自生することが難しくなってきています。
そんななか、“葵プロジェクト”というものがあります。地元の学校をはじめ、市民の方に、葵を株分けして育ててもらって、お祭りの前に返してもらおうと。そのプロジェクトには地元のいろいろな人たちが関わって、地域の大切な宝物を支えている。私にとっても印象的なプロジェクトです」と青山さん。
※葵プロジェクト(京都府京都市)
いまある自然や文化を未来に残すためには、人の活動が鍵を握ります。
そんな“人間のアクション”を応援する「未来遺産運動」。これからの広がりが楽しみですね。
<番組概要>
番組名:DUNLOP presents みらい図鑑
放送日時:毎週土曜13:55~14:00
パーソナリティ:吉田美穂
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/miraizukan/index.php