脳科学者の茂木健一郎がパーソナリティをつとめ、日本や世界を舞台に活躍しているゲストの“挑戦”に迫るTOKYO FMのラジオ番組「Dream HEART」(毎週土曜 22:00~22:30)。 当番組のスピンオフ番組「茂木健一郎のポジティブ脳教室」を、TOKYO FMがお送りするポッドキャストポータルサイト「TOKYO FM ポッドキャスト」で配信中! リスナーの皆様から寄せられたお悩みに、茂木が脳科学的視点から回答して「ポジティブな考え方」を伝授していきます。
今回の配信では、「大学受験を目前に控えた子どもの暗記法」に関する相談に、茂木が脳科学の視点からアドバイスを送りました。
パーソナリティの茂木健一郎
<リスナーからの質問>
子どもが大学受験を目前に控え、大量の事項を暗記しなければなりません。効率よく暗記できるコツがあれば、ぜひ教えていただきたいです。
<茂木の回答>
大学受験に向けて、膨大な量を記憶しなければならないのは本当に大変なことですよね。実は、脳にとって大切なのは「プレッシャーをうまくかけること」なのです。
「この時間内にこれを覚えよう」と自分にプレッシャーをかけ始めると、脳は前頭葉の回路を使って、グーッと集中していきます。ここで一つ、良いニュースがあります。人間の能力を100とすると、実はどんな方でも、普段はせいぜい30%程度しか使っておらず、自分自身でリミッターをかけてしまっているのです。
では、そのリミッターを外して能力を100%出し切るにはどうすればよいか。それは「良い形でのプレッシャー」をかけることです。
受験期はどうしても、「これを覚えないと受からない」「落ちたらどうしよう」といった、良くない形でのプレッシャーがかかりがちです。そうではなく、「よし、この時間内にこれをやりきろう! 覚えられたら最高にうれしい!」というポジティブなイメージを持って、プレッシャーをかけてみてください。あとは実際に時間を計って、記憶の作業に取り組むだけです。
たとえ最初はうまくできなくても構いません。続けているうちに前頭葉のコントロール機能が働き、記憶の回路はどんどん強まっていきます。やればやるほど、記憶力の回路は強化されていくのです。
受験という機会に、自分自身でプレッシャーをコントロールし、脳のリミッターを外して記憶回路を立ち上げる経験は、その後の人生においてもずっと役に立つ一生ものの技術になります。
今回の受験を、単なる試験としてだけでなく、脳の能力を100%引き出すトレーニングの場として捉えて、頑張ってみてはいかがでしょうか。
そして、受験で一番大切なのは「必ず受かる」という根拠のない自信です。ぜひお子さんに「根拠のない自信こそが大事だよ」と伝えてあげてください。合格を心よりお祈りしております。
----------------------------------------------------
音声版「茂木健一郎のポジティブ脳教室」
----------------------------------------------------
<番組情報>
番組名:茂木健一郎のポジティブ脳教室
配信日時:毎週土曜 22:30配信(予定)
パーソナリティ:茂木健一郎