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フリーランスも対象に!通報者がさらに守られるように!「公益通報者保護法」改正によって何が変わる?専門家が解説
2025-09-29 (月) 20:00
杉浦太陽と村上佳菜子がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより」(毎週日曜 7:30~7:55)。「学びと成長」をコンセプトに、毎回さまざまなゲスト講師をお招きして、明日の暮らしがもっと豊かになる情報や気になるトピックをひも解いて、今よりもちょっと成長することを目指す番組です。
9月28日(日)の放送テーマは、「ここが変わる! 公益通報者保護法」。消費者庁の榊原佳寿(さかきばら・よしひさ)さんから、今年6月に参議院で可決・成立した改正公益通報者保護法について伺いました。
杉浦太陽と村上佳菜子がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより」(毎週日曜 7:30~7:55)。「学びと成長」をコンセプトに、毎回さまざまなゲスト講師をお招きして、明日の暮らしがもっと豊かになる情報や気になるトピックをひも解いて、今よりもちょっと成長することを目指す番組です。
9月28日(日)の放送テーマは、「ここが変わる! 公益通報者保護法」。消費者庁の榊原佳寿(さかきばら・よしひさ)さんから、今年6月に参議院で可決・成立した改正公益通報者保護法について伺いました。

◆「公益通報者保護法」はどんな法律?
「公益通報」とは、従業員が勤め先の違法行為を通報することを指します。たとえば、スーパーで従業員が海外産の牛肉を国産と偽って販売していることに気づきました。このまま黙っていると消費者がだまされ続けることになりますが、抗議すると会社内で不利益を受ける可能性があります。そこで、従業員が安心して通報できるように2006年に施行されたのが「公益通報者保護法」です。今年6月には、改正法が国会で成立しました。
公益通報者保護法は、従業員が勤め先の違法行為を通報したことを理由に、通報者に対して解雇や降格、減給などの不利益な取扱いから保護するための法律です。
保護の対象は正社員に限らず、派遣社員、パートタイマー、アルバイト、業務委託先の従業員、役員、公務員、退職して1年以内の従業員など幅広く含まれています。また、榊原さんは「改正後は対象が拡大し、事業者と業務委託関係にあるフリーランスの方や、業務委託関係が終了して1年以内のフリーランスの方も、保護の対象に含まれることになりました」と話します。
この制度は、企業内の不正を早期に発見・是正することで、企業と従業員を守るために設けられたものですが、すべての通報が保護されるわけではありません。対象となるのは「国民の生命、身体、財産その他の利益の保護」に関わる法律違反や、そのおそれがある行為で、該当する法律は約500本あります。例えば「会社のお金を横領している」「会社が残業代を払わない」「産業廃棄物を無許可で処分する」「産地を偽装して販売する」といったケースです。
通報先は大きく分けて3種類あります。1つは「勤め先(内部通報窓口・上司など)」、2つ目は「行政機関」、3つ目は「報道機関など」です。それぞれ保護されるための条件が異なり、「内部通報窓口や上司であれば、証拠などは必要なく、“不正があると思うこと”だけで通報しても守られます。一方、外部に通報する場合は、通報先によって書面や証拠などが必要です」と説明します。
◆改正法によって何が変わる?
今回の改正によって、公益通報を理由に不利益な扱いを受けないように法律が強化されます。通報を理由に解雇や懲戒をおこなった者(個人)には「最大6ヵ月の拘禁刑または30万円以下の罰金」、さらに、事業者(法人)に対しては、その100倍の「最大3,000万円の罰金」が科されます。これにより、通報者への不当な処分を未然に防ぐ効果が期待されています。
また、通報後1年以内に下された解雇や懲戒処分については「公益通報を理由としたものと推定される」と規定され、通報者が裁判で不利益の理由を立証する負担も軽減されます。
改正点は他にもあります。従業員に公益通報をしないよう強制的に合意を求める行為や、通報者を特定するような行為も禁止されます。「これまでも、事業者に対して公益通報者保護法に基づく国が定めた法定指針のなかで“通報者を特定するような行為”を防止する措置をとるよう示していました。この点について、今回の改正では公益通報を妨害する行為と合わせて、法律にしっかりと“禁止行為”として明記され、より通報者が守られるようになりました」と解説します。
また、これまで従業員301人以上の事業者には「内部通報窓口の設置」「通報内容の調査」「違法行為の是正」といった体制整備が義務付けられ、従事者の指定義務が設けられていました。ちなみに、従業員が300人以下の中小企業では努力義務とされていますが、違反がある場合は消費者庁が助言や指導、勧告をおこなえる仕組みです。
今回の改正では、この行政措置の権限が強化されました。勧告に従わない場合の命令権限や立入検査の権限が新設され、違反時には「虚偽の報告などに対する30万円以下の罰金」という罰則も追加されています。加えて、大企業には「従業員への公益通報に対する対応体制の周知義務」も法律で明記されました。
公益通報者保護法は、通報者だけでなく事業者にとっても大切な制度です。榊原さんは「不正が発覚すれば、消費者や取引先からの信頼を失い、経営不振に陥る恐れがあります。しかし、制度を活用して自ら内部の不正を是正すれば、信頼を失うことなく会社と従業員を守ることができます」と指摘します。
そして、最後に「今回お話した改正法は、2026年12月頃までに施行される予定です。消費者庁のWebサイトでは公益通報者保護法の概要が5分でわかる動画を公開しています。また、ホームページでは改正の内容も公開しています。ぜひ、公益通報者保護法とはどういう制度なのか、理解を深めていただけたら幸いです」と呼びかけました。
番組のエンディングでは、杉浦と村上が今回学んだ「公益通報者保護法」について復習。2人が特に注目したポイントをピックアップして発表します。まず村上は注目ポイントを“公益通報者保護法が改正されます”とし、「まずはそのことを知ってほしいです」と話します。続けて、杉浦も“改正により通報者が一層守られます!”とスケッチブックに書き、「公益通報者保護法について詳しく知りたい方は、消費者庁「公益通報者保護法」のページをご覧ください」とコメントしました。

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<番組概要>
番組名:杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:杉浦太陽、村上佳菜子
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/manabiyori/
番組公式X:@manabiyori_tfm
9月28日(日)の放送テーマは、「ここが変わる! 公益通報者保護法」。消費者庁の榊原佳寿(さかきばら・よしひさ)さんから、今年6月に参議院で可決・成立した改正公益通報者保護法について伺いました。

(左から)杉浦太陽、榊原佳寿さん、村上佳菜子
◆「公益通報者保護法」はどんな法律?
「公益通報」とは、従業員が勤め先の違法行為を通報することを指します。たとえば、スーパーで従業員が海外産の牛肉を国産と偽って販売していることに気づきました。このまま黙っていると消費者がだまされ続けることになりますが、抗議すると会社内で不利益を受ける可能性があります。そこで、従業員が安心して通報できるように2006年に施行されたのが「公益通報者保護法」です。今年6月には、改正法が国会で成立しました。
公益通報者保護法は、従業員が勤め先の違法行為を通報したことを理由に、通報者に対して解雇や降格、減給などの不利益な取扱いから保護するための法律です。
保護の対象は正社員に限らず、派遣社員、パートタイマー、アルバイト、業務委託先の従業員、役員、公務員、退職して1年以内の従業員など幅広く含まれています。また、榊原さんは「改正後は対象が拡大し、事業者と業務委託関係にあるフリーランスの方や、業務委託関係が終了して1年以内のフリーランスの方も、保護の対象に含まれることになりました」と話します。
この制度は、企業内の不正を早期に発見・是正することで、企業と従業員を守るために設けられたものですが、すべての通報が保護されるわけではありません。対象となるのは「国民の生命、身体、財産その他の利益の保護」に関わる法律違反や、そのおそれがある行為で、該当する法律は約500本あります。例えば「会社のお金を横領している」「会社が残業代を払わない」「産業廃棄物を無許可で処分する」「産地を偽装して販売する」といったケースです。
通報先は大きく分けて3種類あります。1つは「勤め先(内部通報窓口・上司など)」、2つ目は「行政機関」、3つ目は「報道機関など」です。それぞれ保護されるための条件が異なり、「内部通報窓口や上司であれば、証拠などは必要なく、“不正があると思うこと”だけで通報しても守られます。一方、外部に通報する場合は、通報先によって書面や証拠などが必要です」と説明します。
◆改正法によって何が変わる?
今回の改正によって、公益通報を理由に不利益な扱いを受けないように法律が強化されます。通報を理由に解雇や懲戒をおこなった者(個人)には「最大6ヵ月の拘禁刑または30万円以下の罰金」、さらに、事業者(法人)に対しては、その100倍の「最大3,000万円の罰金」が科されます。これにより、通報者への不当な処分を未然に防ぐ効果が期待されています。
また、通報後1年以内に下された解雇や懲戒処分については「公益通報を理由としたものと推定される」と規定され、通報者が裁判で不利益の理由を立証する負担も軽減されます。
改正点は他にもあります。従業員に公益通報をしないよう強制的に合意を求める行為や、通報者を特定するような行為も禁止されます。「これまでも、事業者に対して公益通報者保護法に基づく国が定めた法定指針のなかで“通報者を特定するような行為”を防止する措置をとるよう示していました。この点について、今回の改正では公益通報を妨害する行為と合わせて、法律にしっかりと“禁止行為”として明記され、より通報者が守られるようになりました」と解説します。
また、これまで従業員301人以上の事業者には「内部通報窓口の設置」「通報内容の調査」「違法行為の是正」といった体制整備が義務付けられ、従事者の指定義務が設けられていました。ちなみに、従業員が300人以下の中小企業では努力義務とされていますが、違反がある場合は消費者庁が助言や指導、勧告をおこなえる仕組みです。
今回の改正では、この行政措置の権限が強化されました。勧告に従わない場合の命令権限や立入検査の権限が新設され、違反時には「虚偽の報告などに対する30万円以下の罰金」という罰則も追加されています。加えて、大企業には「従業員への公益通報に対する対応体制の周知義務」も法律で明記されました。
公益通報者保護法は、通報者だけでなく事業者にとっても大切な制度です。榊原さんは「不正が発覚すれば、消費者や取引先からの信頼を失い、経営不振に陥る恐れがあります。しかし、制度を活用して自ら内部の不正を是正すれば、信頼を失うことなく会社と従業員を守ることができます」と指摘します。
そして、最後に「今回お話した改正法は、2026年12月頃までに施行される予定です。消費者庁のWebサイトでは公益通報者保護法の概要が5分でわかる動画を公開しています。また、ホームページでは改正の内容も公開しています。ぜひ、公益通報者保護法とはどういう制度なのか、理解を深めていただけたら幸いです」と呼びかけました。
番組のエンディングでは、杉浦と村上が今回学んだ「公益通報者保護法」について復習。2人が特に注目したポイントをピックアップして発表します。まず村上は注目ポイントを“公益通報者保護法が改正されます”とし、「まずはそのことを知ってほしいです」と話します。続けて、杉浦も“改正により通報者が一層守られます!”とスケッチブックに書き、「公益通報者保護法について詳しく知りたい方は、消費者庁「公益通報者保護法」のページをご覧ください」とコメントしました。

(左から)杉浦太陽、村上佳菜子
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<番組概要>
番組名:杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:杉浦太陽、村上佳菜子
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/manabiyori/
番組公式X:@manabiyori_tfm