TOKYO FMのラジオ番組「ONE MORNING」内でお送りしている「JA共済 presents なるほど!交通安全」。8月2日(金)の放送では、日本自動車ジャーナリスト協会会長で日本自動車連盟交通安全委員会委員の菰田潔(こもだ・きよし)さんから“駅のロータリー”での交通ルールについて伺いました。
※写真はイメージです
車で家族や親戚を送り迎えする際、駅のロータリーを利用する機会があるかと思います。人と車がよく行き交う場所のため、安全に利用するためにも交通ルールを正しく把握しておく必要があります。
◆駅のロータリーでも道路交通法に従おう
駅前のロータリーに車で進入する際、たとえ鉄道会社の敷地だとしても、下記のような道路交通法に基づいて走行する必要があります。
・一方通行を逆走しない
・バスやタクシー乗り場での駐停車禁止
・バス停から10メートル以内は駐停車禁止
駐車禁止の標識がある場所は駐車できませんが、人待ち、荷物の積み卸しや車の乗り降りをする場合は、停止にあたるため駐車違反にはなりません。ただし、停車時間は5分以内を規定とします。
「駐停車禁止」「駐車禁止」の標識の違いにも注意しましょう。見た目の特徴は、赤くて丸い枠に赤のバツ印、青の背景が「駐停車禁止」です。
「駐停車禁止」標識
赤くて丸い枠に赤の斜線、青の背景が「駐車禁止」です。
「駐車禁止」標識
続いては、駅のロータリーで安全に停車、駐車するときのポイントについて。ロータリーでも左側通行なので、左側に寄せて止まることが原則です。右側に寄せて降ろすケースもあるかもしれませんが、前後に車がいる場合があるので、自分の行動を周囲に知らせるためにもウインカーをつけて、左側や右側に寄りましょう。またドアを開ける際には、後方から車などが来る可能性があるので注意しましょう。
ドライバーが降りる場合は、エンジンを止めてから降りる癖をつけましょう。Dレンジのままエンジンを止めずに降りてしまうと、そのまま車が走り出して事故につながる危険があります。
◆歩行者側が気を付けるポイントは?
駅のロータリーの構造上、車がさほどスピードを出せないせいか、歩行者がロータリー内をかなり自由に移動する傾向があります。例えば、走行中に停まっているバスを追い越す際、車体の前後から急に人が飛び出す可能性を想定して運転しましょう。
また菰田さんは「(ロータリー内で)停車している状態から発進するとき、“前が詰まっているから”と急にバックをすると、すぐ後ろに車が停まっていたケースもあります。前進するにしてもバックするにしても、安全確認をしっかりおこないましょう」と注意を促します。
ロータリーは“人が来ない”と想定して車が走る危険な場所です。そのため、歩行者がロータリー内を歩くときは、自分の行動が事故を呼び込まないように気をつけなければいけません。
例えば、バス、タクシー、一般車の前と後ろの近くを歩くのは危険です。「“車が停止しているから”といって、そばを歩いてしまうと、急に車が動いた際に避けようがなくなります」と菰田さん。歩行者の急な飛び出しに車は対応できません。ショートカットのためにロータリーを横切ることも絶対にやめましょう。
夏休みシーズン中に、普段は使わない駅のロータリーに行くこともあるかもしれません。その際は、歩行者も運転者も細心の注意を払うようにしましょう。
<番組概要>
番組名:JA共済 presents なるほど!交通安全
放送日時:毎週金曜 7:20~7:27