手島千尋アナウンサーがパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「防災 FRONT LINE」(毎週土曜 8:25~8:30)。5月4日(土・祝)の放送では、手島アナウンサーが4月に訪れた能登半島地震の被災地・輪島市の現状を伝えました。
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能登半島地震から4ヵ月が経過しました。手島アナウンサーは、2月にも石川県輪島市、珠洲市、能登町を取材しましたが、それから2ヵ月が経過した4月に再び能登半島地震の被災地を訪れました。
輪島市内の様子は、「2月の取材で訪れたときと何も変わらない景色が広がっていました。倒れた木造家屋や建物、焼けた朝市通りの建物、多くの家屋に貼られている“危険”と書かれた応急危険度判定の赤い張り紙。その張り紙の色は薄くなっていたり、ボロボロになっていたり……この張り紙が、時間が経ってもそのままの状態であることを教えているようでした」と手島アナウンサー。
市内の変化というと、道になだれ込んでいた家屋は撤去され、一部は更地になっているところも。また、市内の空き地には仮設住宅の建設が進んでいます。能登半島地震での県内の住宅被害は7万軒を超え、市や町からの応急仮設住宅の要望は2月時点で約7,800戸にのぼっていますが、土地や人手が足りず、発生から3ヵ月で完成したのは3割弱に留まっています。
そうした状況のなかで、現地の人たちの声を聞くと、応急危険度判定「要注意」の黄色の張り紙がしてある家屋で生活をしている方や、車中泊をしている方が増えているそう。“開設されている避難所に行けばいいのでは?”と思う人もいるかもしれませんが、避難所のなかですでにコミュニティができていると、今からその輪に入ることをためらう方もいます。
輪島市役所によると、輪島市では最大154ヵ所の避難所がありましたが、現在では49ヵ所、約1,228人の方が避難所で生活しています(※番組放送時)。避難所に残っている方のなかには、仮設住宅への入居を待つ人や自宅の修理を待っている方など、生活再建の先行きが見通せない人が数多くいます。そんな状況下において、4月末で避難所の運営をサポートする職員の派遣がなくなった自治体もあり、継続的な支援が課題となっています。
輪島市でも、5月で応援職員による避難所支援が終了する予定で、今後は避難所を住民の自主運営に切り替えることになっています。また市内の避難所も、8月までには被災者の住まいがほぼ確保できることや、断水解消が進むことを理由に、8月末をめどに閉鎖する方針です。今は住民が仮設住宅に入居できるまでの細かいサポートも必要となっています。
<番組概要>
番組名:防災 FRONT LINE
放送日時:毎週土曜 8:25~8:30
パーソナリティ:手島千尋