TOKYO FMで月曜から木曜の深夜1時に放送の“ラジオの中のBAR”「TOKYO SPEAKEASY」。8月7日(月)のお客様は、歌手・女優の酒井法子さんと作詞家・詩人の森雪之丞さん。ここでは、酒井さん自身も“伝説のコンサート”と語る「野音9.21〜マジカル・モンタージュ・ツアー」を振り返ります。その意外な真実が明らかに!?
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(左から)酒井法子さん、森雪之丞さん
◆すさまじい演出で記憶に残るコンサート
森:80年代は、僕もアイドルの歌詞をよく書いていたんだけど、(当時は)ディレクターやプロデューサーと打ち合わせをして詩を書くだけで、本人たちと話をすることはあまりなかったんですよ。
酒井:そうですよね。
森:もちろん、アーティストによっては(話す機会は)あったんだけど、まぁ“大人たち”だけで話をすることが多々あって。それが嫌になって今度はロックの人たちと仕事をするようになったんだけど。
酒井:そうだったんですね。
森:はい。でものりピーの場合は、マジカル・モンタージュ……何だっけ?
酒井:『マジカル・モンタージュ・カムパニー』(1991年)です。“酒井法子の怪作”と言われた(笑)。
森:(笑)。でも、このアルバムでは当時の勢いのあるロックミュージシャンが酒井法子を料理したというね。
酒井:あれは私も大好きなアルバムなんです!
森:BARBEE BOYSのKONTA(近藤敦)がいたり、ユニコーンの阿部義晴(ABEDON)さんがいたり。
酒井:あとはカステラの大木知之さん、JITTERIN'JINNの破矢ジンタさん。
森:それで僕は、レベッカの土橋(安騎夫)くんの「あなたに天使が見える時」と、「モンタージュ」という曲の詩を書いたんですけど……。
酒井:このアルバムの背骨と言ってもいいですね。そうしないと複雑骨折みたいなアルバムになってしまう(笑)。
森:ハハハ(笑)。本当に素晴らしくてユニークなアルバムで、そのツアーの台本も書かせてもらったんだよ。
酒井:「野音9.21〜マジカル・モンタージュ・ツアー」! 当時の私は、誰があのシナリオを書いたのか知らなかったんですけど、雪之丞さんだったんですね!
私、もの忘れが激しいほうなんですけど、あのコンサートだけはあまりにも鮮烈で(笑)。自分でやっておきながら“本当にやったのかな?”っていうような、伝説のコンサートだと思っていますよ。
森:たぶん、僕が書いたということで間違いない。
酒井:雪之丞さん、なんてことを……(笑)。
森:すごく覚えているのが、フランク・ザッパっていうアメリカのギタープレイヤーがいて、1回だけ来日したときの公演では、ベーシストが海坊主みたいな人で、上半身裸ですごいテクでベースを弾いていたんだけど、ザッパがリズムに合わせて、そのベーシストを鞭で打つんだよ。
酒井:(笑)。
森:でも、そのリズムがすごくいい感じなの(笑)。それを観て“これは、何かの機会にやってみよう”と思って、「野音9.21〜マジカル・モンタージュ・ツアー」のときに、のりピーに鞭を持たせてピシピシさせたんだよね。
酒井:そうなんですよ! なぜか女王様の格好をして、のっけから会場をやぶ睨みして(笑)。
森:あれ? そんなんだったっけ(笑)。それでステージに出ていったの?
酒井:出ましたよ! しかもせりあがりで(笑)。
森:ひどい構成だ(笑)。
酒井:ひどいけど最高でした(笑)。
森:のりピーの記憶に残っているだけでも意味があるし、もちろんファンの皆さんも、強烈なイメージを持ってお帰りになったと思うよね(笑)。
酒井:すさまじかったですよ。本当にファンの人もよくついてきてくれたなって、ありがたいなと思います(笑)。
<番組概要>
番組名:TOKYO SPEAKEASY
放送日時:毎週月-木曜 25:00~26:00