青木源太と足立梨花がパーソナリティをつとめ、暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていくTOKYO FMのラジオ番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」(毎週日曜 7:30~7:55)。3月26日(日)の放送では、内閣府 青少年環境整備担当参事官の鈴木達也(すずき・たつや)さんに、「コントロールが肝心! スマホ時代の子育て」をテーマに話を伺いました。
(左から)青木源太、鈴木達也さん、足立梨花
◆ペアレンタルコントロールとは?
昨年、内閣府が発表した2021年度の青少年のインターネット利用環境実態調査によると、「インターネットを利用する」と回答した少年のうち、10歳から12歳までの小学生で約6割、中学生で約9割、高校生では、ほぼ全員が自分専用のスマートフォン(以下:スマホ)を持っていることが分かっています。
利用する目的として最も多かったのは“動画を観る”で、続いて“ゲームをする”“検索する”“音楽を聴く”“投稿やメッセージ交換をする”“勉強をする”の順です。
なお、青少年の平日1日のインターネットの平均利用時間は、2021年度で約4時間半。これは、前年度から約1時間増えていて、年々増えています。さらに、年齢が上がるごとに利用時間が増える傾向もあり、高校生になると、約25%が1日7時間以上利用しているという結果が出ています。
保護者は、スマホで子どもと連絡を取ったり、GPSで居場所を確認したりすることもできるので、安全のために持たせたいと思う一方で、子どもが親の目が行き届かない場所でネットやSNSなどを利用することで、いじめや犯罪、トラブルなどに巻き込まれる可能性もあるため、正しくスマホを使いこなすように指導していかなければなりません。
そこで必要なのが“ペアレンタルコントロール”です。これは、保護者が子どもの発達段階に応じて、インターネットの利用を適切に管理する機能のことです。鈴木さんは、「単純に年齢や学年で判断せず、その子どもの置かれている環境やライフサイクルをしっかり見通してスマホを管理することで、トラブルを避けながら、スマホを上手に使いこなすスキルを身に付けさせることが期待できますので、取り組むようにオススメしています」と話します。
◆性能が向上している“フィルタリング機能”
ここからは、保護者が知っておきたいペアレンタルコントロールのポイント3つを鈴木さんに教えていただきます。まず1つ目は「フィルタリング」です。
フィルタリングとは、青少年にとって有害または不適切なサイトへのアクセスや、アプリの利用を制限するもので、各携帯会社の「あんしんフィルター」やフィルタリング機能を備えた専用のアプリ「i-フィルター」などを活用しておこなうことができます。
ところが、2021年度の内閣府の調査では、保護者のフィルタリング利用率は、約4割しかないのが現状でした。以前は、フィルタリングをかけると動画サイトやSNSなどが使えなくなってしまうという弊害があったことも、利用率が低い要因の1つでした。
しかし、近年では性能が向上しており、鈴木さんは「子どもの発達段階に応じて容易にカスタマイズすることができます」とオススメします。ただし、「子どもにどういうアプリを使わせると良いかは、保護者がしっかり見極める必要があります。特にゲームアプリの場合は注意が必要」と強調します。
ゲームアプリをめぐっては「高額な課金」「アカウント乗っ取り」「ゲームに誘う・誘わない、アイテムをもらった・もらわないで揉める」などのトラブルが発生しています。そのほか、ゲームを(途中で)抜けることをためらって長時間プレイになってしまうケースや、プレイ中のチャットや音声でのやり取りから個人情報が流出したり、仲良くなった人に誘われてトラブルに巻き込まれたりしてしまうことも。
鈴木さんは、ゲームアプリには対象年齢の区分があり、(そのことは)アプリの入手画面に記載されているとして、「保護者は、こうしたトラブルがあることを知ったうえで、子どもが対象年齢に達しているかを確認し、安全に利用するように見守ることが大切」と話します。
◆利用時間よりも“中身に注目”
2つ目のポイントは、「中身に注目」です。これは、スマホを利用している時間の長さだけではなく、“何に使っているのか”も見ましょうということ。というのも、「スマホばかりいじって!」と叱られた子が「勉強していたのに」と反発するケースも多いそうです。
最近は学習アプリなども豊富にあり、漢字ドリルや英単語ドリルはもちろん、遊びながらプログラミングの基礎を学べるアプリなどもあるため、「スマホを長時間利用していても、頭ごなしに叱らず、子どもがどんな使い方をしているのか、内容と時間を把握することが大切です」と注意を促します。
どのカテゴリのアプリを、どれくらい使ったのかを確認するには、「スクリーンタイム」や「デジタルウェルビーイング」といったスマホの端末に搭載されている機能を利用するのが便利です。また、スクリーンタイムを他の端末でも共有することができるので、「今日、子どもがどのアプリをどれくらい使用したのか」「どれくらい通話や通信をしたのか」などを保護者のスマホなどでも確認できます。
◆子どもと話し合ったうえで適切な“ルールづくり”を
3つ目のポイントは「ルールづくり」。そこで大切なのは、親子双方が自分の意見をしっかり出し合うことです。「お互いが主張し合い、少しずつ妥協しあって決めたルールは長続きします。逆に保護者が一方的に決めたり、子どものいいなりになったりすると、長続きはしません。お互いが納得し、双方が尊重できるルールづくりをすることが重要です」と鈴木さん。
新しくスマホを持たせるときが「ルールづくり」のベストなタイミングですが、ルールが守れなかったり、子どもが成長したり、生活習慣が変わったりするタイミングなどでも、ルールの見直しをすることが大切です。
また、「乳幼児のネット利用ルールは保護者が決めますが、小学生、中学生、高校生と年齢が上がるにつれて、さまざまな経験を通して、少しずつ自分でルールを考えることができるようになっていきます。私たち大人は、子どもたちが少しずつ自立していけるように手を貸してあげる、そういう意識でペアレンタルコントロールをしていただければ」と呼びかけました。
足立は、ペアレンタルコントロールの3つのポイントのなかでも「フィルタリング」に着目。「年々進化していて、細かくカスタマイズできるのはすごい。(活用すれば)親も安心だと思うので、ぜひフィルタリングを確認してほしい」とコメント。
青木は、ペアレンタルコントロールをするうえで、保護者自身もインターネット・リテラシーの向上が求められる点に注目し、「インターネット環境や社会の状況、機能などにちゃんとアンテナを張り、保護者自身がちゃんと理解することで、(正しいペアレンタルコントロールが)できそうですね」と話していました。
(左から)青木源太、足立梨花
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聴取期限 2023年4月3日(月) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:青木源太・足立梨花 Sunday Collection
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:青木源太、足立梨花
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/collection/